浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「リスタート~浦和レッズレディース」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

新たにリスタートしたレッズレディースが後半戦に向けて走り出した。

誰もが「勝ちたい!」と思い、ピッチの中で必死に喘いでいる。しかし、気持ちと裏腹に結果が付いて来ない。手塚貴子新監督の下で、今シーズンスタートを切った浦和レッズレディースであったが、なでしこリーグ開幕戦を白星で飾ったものの、1勝2分け6敗と低迷し、9月までの中断期間を向えることとなった。その間、カップ戦が開催されているが、手応えはあるもののリーグ戦同様に結果が付いて来ない。

6月9日にフクアリで開催されたジェフ戦では、後半11分、柴田華絵選手がドリブルで持ち込み、左ワイドの加藤千佳選手に預け、加藤選手のクロスにファーサイドで安田有希選手が合わせた。綺麗な崩しからの先制ゴールであった。しかし、ジェフの筏井りさ選手のFKが決まり同点に追いつかれ、試合終了間際のアディショナルタイムに安齋結花選手のドリブルシュートが決まり逆転負けを喫した。だが、次の試合(7月6日 カップ戦対日テレ)までには、チームを立て直す時間はたっぷりある。中断期間に「連携を高めて行くことは、継続的に遣って行く。チーム一丸となって、前進して行くのみ」と手塚監督は話していたが、体調不良を理由に監督を辞任してしまった。責任感が強い手塚監督だから、チームの結果が伴わず疲労困憊して体調を崩してしまったのだろう。監督の辞任は致し方ない出来事であった。

チームを立て直す貴重な中断期間に指揮官を失った浦和レッズレディースであるが、神戸慎太郎コーチが代行として、急遽チームを支えることとなった。神戸コーチは「監督辞任は、正直、凄く驚き、ビックリした。今シーズン、一緒に闘って来たことを振り返り、力になれなかった悔しさや無念さを感じる。この中断前に、手塚監督が目指す方向性は見えて来た形を継続したい。それが恩返しになる」と力強く話した。キャプテンの後藤三知選手は「嘆いていても、現状は変わらない。頭の中をきっちりと整理して、具体的に行動に移して行く。チームとして共通理解やスタイルの構築は、そう簡単に出来るものではない。でも、積極的に、地道に、自分達のスタイルを作って行く。そこが勝つことに繋がって行く」と気持ちを切り替えて話した。

副キャプテンの堂園彩乃選手は「正直、驚いた。前半戦の結果は意識しなければいけない。今、この状況でひとりひとりが、出来ることをやる。その中で、チームとして武器になるものが出来れば良い。迷いがあったのが、前半戦だった」と前半戦の反省を踏まえて前を向いた。浦和レッズレディースには、立ち止まっている時間は無いのだ。

神戸コーチの練習初日は、選手全員に共通意識を持たすことからスタートした。「何処でボールを奪うのが有効か?」「ボールを保持するために必要なことは?」神戸コーチから選手達に問いが投げかけられた。そして、神戸コーチは、ピッチを横に3等分したミドルゾーンでのプレーの意識を選手達に求め、お互いの距離間をコンパクトにした。2列目のワイドか、トップ下でプレーする加藤千佳選手は「全体のトライアングルを意識して、お互いがサポートしやすい」と話し、アンカーかトップ下でプレーする藤田のぞみ選手は「トレーニングの中から、身体に浸みつく感覚がある」と手応えを感じた。ワントップか、2列目のワイドでプレーする吉良千夏選手は「共通意識を持ってやれている。コミュニケーションをもっと取って、信頼を貰いたい」と話した。選手達は、ミスを恐れずにラインを高く保って、ボールを奪い、保持して勝負のパスを出して果敢に相手ゴールに挑む。失ってしまった自信を少しずつだが、取り戻しつつある。

そして、浦和レッズレディースにロンドン五輪でも活躍したなでしこジャパンの大滝麻末選手が、リヨンから加入した。「高校、大学時代とレッズと試合して、憧れだった。自分がまだ無名の大学時代にレッズサポーターが『浦和に来て欲しい』と声をかけてくれた」と大滝選手は浦和レッズレディースに加入を決めた理由を話した。プレーに関しては「得点力に行くまでの過程で、落ちて楔を受ける。クロスからの対応でヘディングの競り合いには負けたくない」と話した。得点力はもちろんのこと、前線での溜めやポストプレーに期待が掛かる。

TS3S0201フランス・リヨンから加入した大滝麻未選手。

リスタートをした浦和レッズレディースであるが、なでしこリーグの監督は規定によりA級ライセンス保持者でなければならない。残念なことに、神戸コーチはB級ライセンスである。せっかくチームが新たにリスタートをして、良い方向へと進みだしたのだから、なでしこリーグには特例を認めて欲しいと思った。この大切な中断期間に、新たな監督が就任して、選手の顔と名前、プレースタイルを覚え、1からチーム作りを始めるには、時間がかかってしまう。監督のライセンスが、そんなに重要なことなのだろうか?疑問が生じた。一番大切なことは、フットボールを愛し試合に挑む選手達が、迷うことなく練習に取り組み勝利を目指すことである。大滝選手も加わり、神戸コーチの下で、今、浦和レッズレディースは後半戦に向けて走り出した。この走りを止めないで欲しいと願う。

Q.「E」のELEVATIONの挙上は?

A.ELEVATIONは、怪我した所を心臓よりも高く上げることで、出血を抑制し、腫れの予防になります。足の場合は、寝かして台やアイスボックスとかを利用して高挙して下さい。圧迫していても足を下ろしていては、あまり意味は有りません。
「RICE」を正しくおこなう場合には、スポーツ現場には氷と水は必ず用意しましょう。弾力包帯が無い場合は、ハンカチやタオルでも良いです。また固定のためには添え木(副木)はあった方が良いでしょう。怪我してからだいたい72時間は腫れが進行するといわれています。初期の応急処置は本当に大切です。受傷後72時間の初期治療が怪我を早く治す鍵となります。

1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック
整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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