浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「忘れないで欲しい」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

2ステージ移行について、選手達はどう考えているのか。

ナビスコ杯準々決勝第2戦となったセレッソ大阪戦の日、ホーム埼玉スタジアムの北側ゴール裏に「Jを愛する仲間達へ 目先の金儲けより大切なモノがあるだろう?さぁ立ち上がれ!」と横断幕が貼られ、浦和サポーターからメッセージが送られた。

事の発端は、来シーズンからJリーグが2ステージ制を導入して、各ステージ優勝及びチャンピオンシップ開催、または野球と同じ様にクライマックスシリーズ導入などが提案されているからである。

5月26日国立競技場で行われた柏戦でも、浦和サポーターは「Jリーグ成人おめでとう 頭は赤ちゃんのままだね」「世界基準からかけ離れた2ステージ制 そこに日本サッカーの未来はあるの?」とサッカーを愛するが故に少々過激で挑発的なメッセージになっていたが、2ステージ制導入反対の意思表示をした。

93年に開幕したJリーグの当初は、10クラブのホーム&アウェイ方式でサントリーシリーズとニコスシリーズと2ステージ制で始まった。延長Vゴール方式を導入したり、Jリーグは紆余曲折しながら加盟クラブの増加に伴い2005年シーズンから「世界と同じ基準で」と1シーズン制へと移行したのだ。10クラブで始まったJリーグであるが、20年の歴史を積み重ねて、J2も設立され、今やJ1が18クラブ、J2が22クラブとなり、準加盟クラブなどがあり、J3が設立される可能性もある。世界と闘うフットボールを目指し「世界と同じ基準で」と1シーズンにした筈であったが、20年を経てまた2ステージ制に戻そうとしている。

そこには、観客動員の減少に伴い深刻な収入減少による経済危機に直面しているからだ。2ステージ制を導入することにより、チャンピオンシップ、クライマックスシリーズ、各ステージに冠スポンサーが付き広告収入が期待できる。更に、チャンピオンシップ、クライマックスシリーズなどを開催することにより、優勝が掛かる大切な試合ならば注目度もあがり、放送権料はもちろんのこと、観客動員に繋がり入場者収入及びグッツの売り上げ面で収入増加となる目論見がある。2ステージ制導入は金銭的問題だけでは無い。長い1シーズンでは、優勝も降格もない中位クラスの消化試合では、注目度も低く観客動員も見込まれないため、モチベーションが低い消化試合数の減少を図ることが出来ると言う考えもある。

そもそも、消化試合と言う考え方が間違っていると思う。確かに、優勝も降格も無い状況下ではモチベーションは下がるが、例えば浦和対大宮戦が消化試合になったとしても、浦和を愛する人達のモチベーションが下がることは決して無い。「勝ちたい!」と言う気持ちとプライドがあるからだ。Jリーグは興行である。消化試合の中でも、人々がスタジアムに足を運びたくなる魅力的なものが其処にあれば良い筈である。経済危機に直面しているのであれば、何故、経済危機に陥ったのか?根本を見直して、各クラブが企業努力を行うべきである。

柏木陽介選手は「絶対に反対!1シーズンを通して結果を出し、優勝することに価値がある。2ステージ制は必要ない」とはっきりとした口調で話した。2ステージ制を経験し、2004年にチャンピオンシップを経験した山田暢久選手は「2ステージ制はいらないでしょ!?セカンド優勝してもいまいち・・・。1シーズンでないと真のチャンピオンと言う感じがしない。チャンピオンシップで優勝していたら、また違っていたかも知れないけどね。クライマックスシリーズとか、野球を見ていて面白いと思うけど・・・。サッカーは別だよ。2ステージ制にしたら、いろいろな問題が起きる。ファーストステージ優勝したから、セカンドステージはメンバーを落として試合に臨むチームが出て来ることも考えられる。降格圏内で争っていたら、対戦する方は良いが、対戦しない降格圏内のチームにしたら困るよ。カップ戦もあって、日程的な問題もある。2ステージ制を議論する前に、秋春制が先でしょ!?夏の暑い時期は、正直やっていて辛い。夏場は休もうよ」と経験を基に話した。

同じく経験者の平川忠亮選手は冷静に「2ステージ制は、メリット、デメリットがある。『世界に合わせる』と1シーズンに移行したが・・・。僕自身は、プレー出来れば良い」と難しい問題だと結論を避けた。若手の矢島慎也選手は「何で2ステージ制なんですか?2004年にチャンピオンシップでマリノスに負けて、優勝出来なかった。1シーズンなら、レッズが独走して優勝だったと坪井さんに言われた」と逆に疑問を投げかけて来た。すると同期の野崎雅也選手が、メリットとデメリットを矢島選手に説明を始めた。そして野崎選手は「2ステージ制を導入すると、何年かは注目されると思うが、そこにサッカーの発展があるとは思えない。収入も大事が、サッカーの質が上がらないと駄目だと思う」と話した。

興梠慎三選手は「もし、今2ステージ制なら、あと4試合で大宮の優勝が決まるんだよ!最初にスタートダッシュしたチームが優勝しそうじゃん。2ステージ制を見ていた時は、それはそれで面白いと思ったが、やっている側としては1シーズンの方が本当に優勝した気持ちになれる。大反対!」と話した。那須大亮選手は「年間通した方が喜びが大きい。第一に重みが違う。強いチームがチャンピオンになるのが当たり前だ」と正論を話した。

7月の実行委員会で最終的に結論がでることとなるが、結論を出す前に、「何が大切なのか?」もう一度冷静になって考えて欲しいと思う。「何故、経済危機に直面したか?」根本を見直さない限り、経済危機からは脱却出来ない。一因のひとつには、Jリーグが商業主義に走り過ぎたがために、地元密着のJリーグ基本概念から外れてしまっていたのではないか?地元の人達がサポートしたくなる企業努力こそが観客動員に繋がると思う。そして、何よりも大切なのは、ピッチで闘う選手達が居て、それを応援するファン・サポーターであり、世界と闘えるフットボールの発展である。選手、ファン・サポーターの声に耳を傾けて、大切なことを忘れないで欲しい。

Q.レッズの那須選手が大宮戦で、レディースの和田選手が練習中に鼻を骨折しました。スポーツにおいての骨折について教えて下さい。

A.
骨折には、大きく分けて2種類あります。ひとつは、1回の大きな力が加わり起きる外傷性の骨折。そしてもう一つはジャンプやランニングなどのスポーツ動作の積み重ねで骨に慢性的なストレスが加わることで起こる骨折の疲労骨折があります。疲労骨折は下肢に起こることが多く、中でも足の甲や下腿の疲労骨折が多いです。疲労骨折はスポーツ種目により起こりやすい場所があります。陸上競技や野球では、第2、3の足の趾(ゆび)付け根の中足骨という、足の甲の疲労骨折が多くみられます。サッカーにおいても中足骨骨折は多いですが、特に小趾(こゆび)の付け根の第5中足骨の疲労骨折が非常に多いことが特徴です。サッカーの場合は、細かいステップワークや蹴る動作により重心が外側に移動しやすく、第5中足骨に疲労骨折が起きるとされています。この第5中足骨の基部の骨折はジョーンズ骨折と言われ、治りにくく手術が必要な場合が多い骨折のです。

川久保整形外科クリニック 第3回 スポーツ医科学講習会を開催「腰痛の発生メカニズムとリハビリテーション」

1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック
整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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