浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「足がかり~小島秀仁選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

アーセナル戦で、今季初の先発フル出場の小島選手

90分の闘いを終えた小島秀仁選手は、実に清々しい顔をしていた。さいたまシティーカップ2013 アーセナル戦で1-2と敗戦はしたものの、小島選手にとって、今シーズン初のフル出場となる、イングランドの強豪アーセナルに対して、臆する事なく挑んで行くことが出来たからだ。

小島選手は「試合に出られたってことは、第一に良かったことかなぁ・・・」と照れ笑いしたが、直ぐに険しい表情になりに「勝ちたかった。日本人に無い体つきで、頭を使ったプレーで、2~3人で囲んでボールを奪いに来る。で、10番(ウィルシャー選手)をフリーにするとやられる。つき切れなかった。ボールの無い所の動きなど勉強になったが、自分としては結果が全てだった。リーグ戦のメンバーに入るためには、結果が必要だった」と唇を噛みしめた。そして、「少ないチャンスの中で、チャンスを物にして行くのは、本当に難しい事だと今までで実感してきているので、緊張もあった。最初は、自分でリズムを作りたいと思っていたから、ボールを受けたくて自分勝手に動き過ぎてチームのバランスを崩してしまった。もう少し、陽介君を見ながら動くべきだった。そう言う所が、まだまだ足りない所なんです。陽介君は、いつもトップ下だが、今回はボランチをやっていた中で、自分がもっともっと引っ張っていかないと行けなかったと感じた」と試合を振り返った。

厳しいポジション争いの中で、試合の出場機会がなかなか巡って来なかった小島選手は、混沌とした苦しい日々を過ごしていた。「メンタル面で厳しい状況が続いている中で、100%の力を出し切らないと、のし上がっていけない。メンタルは重要。ポンって試合に出されて、緊張だったり、チャンスを掴もうと思って空回りしてしまったり、その中でアピールしなきゃと思いが強いから、普段のプレーが出来なかったり、自分勝手になってしまったりして、負の連鎖になってしまう。難しいですよね。アピールする事だけが頭にあると、身体も固くなるし、周りも見えて来ない。何をしたら、上にいけるんだろう?どう言う練習したら良いのか?何を頑張ったら良いのか?と苦しむ。上に行きたい。このチームで結果を出したい。その思いが無かったら、とっくに諦めて居る」とメンタルの重要性を小島選手は話した。

そんな小島選手を、前橋育英高校の先輩でもあるブンデスリーグのヘルタ・ベルリンの細貝萌選手が帰国した際に勇気づけてくれた。ご飯を2人で一緒に食べながら細貝選手は「俺も3~4年ぐらいは試合に出ていなかった。チャンス来るよ。焦らずにやった方が良い。自分も代表に入っているが、試合に出られていない。チャンスは来ると信じてやらないと、チャンスは来ない」と自分の経験を基に色々と小島選手に話してくれたそうだ。「身近にそういう先輩がいて、自分にとって糧になる有り難い。大きい存在です」と嬉しそうに小島選手は、自分の事を気に懸けてくれる先輩の存在を話してくれた。ベンチにすら入れない辛い状況で折れそうな小島選手の心を、細貝選手の言葉が大きな支えとなっていた。

そして、ようやく巡って来たスタメン出場のチャンスがアーセナル戦であった。この試合を足がかりにして、小島選手は何とかポジション争いに食い込みたい思いが強かった。だから試合後に「結果が全て」と小島選手は口にしたのだ。アーセナルに敗戦はしたものの、ピッチの中での小島選手は、公式戦でしか感じる事が出来ないものを得ることが出来た筈である。「世界のトッププレーヤーと試合が出来たのは、財産。ピッチに立てた事は、嬉しかった。また、味わいたい。頑張ろうと言う気持ちになれた。この試合が切っ掛けと言うか・・・。ここから這い上がって行く」と力強く話した。

アーセナル戦でフル出場をしたからと言って、リーグ戦に必ず出場出来るとは限らないことを小島選手は分かっている。だが、この試合は、小島選手が現在置かれている状況から這い上がって行く、大きな足がかりになったことは間違いない。Jのピッチに必ず立ち結果を出すための、強いオーラを小島選手は放っていた。

Q.鼻骨骨折について教えて下さい

A.鼻骨骨折は、相手と競り合った時に、相手の頭や肩が鼻にぶつかり起きることが多いです。鼻骨を骨折すると、外から見ても分かるほどに鼻が曲がったりして、大量の鼻血が出て、腫れてきます。直ぐに患部を氷で冷やします。鼻が陥没したり、曲がってしまったら元の位置に戻します。戻した位置で接触をしなければ、3~4週間で骨は付きます。どうしてもサッカーの試合に出場しなければならない場合は、接触して鼻がずれないように予防するためにプロテクターを装着します。

以前プロテクターをつけて試合した日本代表の宮本恒靖選手が有名です。プロテクターは、顔に合わせて型を取って作ります。鼻骨骨折で気をつけないといけないのは、鼻骨と一緒に眼底を骨折してしまうこともあります。眼底骨折は頭蓋骨同じですから、目の神経を痛めたりしてしまい、手術して戻します。腫れが酷い時は、一度CT検査を受けると良いでしょう。応急処置として、まずは鼻血を止める。そして、顔は凄く腫れやすい場所なので、冷やすことが鉄則です。

●お知らせ
川久保整形外科クリニック 第3回 スポーツ医科学講習会を開催「腰痛の発生メカニズムとリハビリテーション」

1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
川久保整形外科クリニック
整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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