浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトーク Vol.170 (12/18)

浦和出身の指揮官たちもキャリアの集大成に入っている。

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:Jリーグも全日程を消化してシーズンオフに入りました。シーズンが終わると恒例のJリーグアウォーズが行われて、各賞が発表をされました。浦和レッズ関連では、埼玉スタジアムが久しぶりのベストピッチ賞を受賞しました。埼スタのピッチは、年間を通じて青々としたピッチを維持していました。グリーンキーパーの方の努力の賜物です。そしてベストイレブンでは、那須大亮選手が受賞。9得点が評価されての受賞だったのでしょうか。苦しいゲームでの彼のヘディングには何試合も助けられました。MVPは横浜Fマリノスの中村俊輔選手でした。最終節で優勝を広島に奪われてしまいましたが、年間を通じての活躍が評価されての受賞でした。

豊田:国立競技場の改修に伴って五輪や全国高校選手権ファイナルなど、ホーム浦和の本拠象徴が様々なフットボールイベントの檜舞台に採用されるケースが増えて来ました。レッズのホームに恥ないピッチづくりが継続されて来た成果でしょう。日韓W杯前のこけら落としの親善ゲームで伊メディアにティラミスと形容されたピッチを改善した管理スタッフの方々を取材する機会がありましたが、合言葉は「絶体に剥がれない芝」であったとか……。またアウォーズの映像は何ともレッズカラーが希薄なステージ上で、那須選手が対面を保ってくれたイメージ。ただ、これはラスト2ゲームを落として9年振り制覇を逃したマリノスの顔である俊輔選手も同様と思う。Jを追い続けているカメラマンらの証言でも、やはり連覇を果たした広島イレブン意外は、達成感も祝福ムードも抑えがちな雰囲気だったようです。

椛沢:各チームは来季に向けて動き始めています。名古屋グランパスはピクシー体制を一新させて、西野朗氏の就任内定を発表しました。浦和西高校出身の西野さんが、名古屋をどのように再建させていくのか注視したいと思います。また大宮は、大熊清氏の監督就任を発表しました。こちらも浦和南高校出身で長くFC東京の監督、強化に携わってきた方です。またJ2降格となった磐田は元大分監督のシャムスカ氏の就任を発表。加藤久GM、服部年宏強化部長の体制でのリスタートとなります。選手移籍についても徐々に動き始めています。レッズも噂になっている選手を中心に、今年は4、5人を狙うと積極的な動きを見せそうです。

豊田:浦和出身の指揮官たちがキャリアの集大成を迎えるエイジにさしかかっています。特に随一のバジェットで独自路線を歩むグランパスが、年代別代表でもクラブチームにおいても、日本のサッカー界において最大の成果を残している西野さんを射止めた経緯は注目に値します。ただご存知の通り、ヴィッセル神戸とは異質ながら、グランパスにも永年にわたって横たわっている「組織事情のカベ」がある。マネジメントサイドと独自のサッカーとチームづくりの流儀を持つ監督が、どう折り合いをつけて新生名古屋の11人をピッチに送り出すのか。あの西野さんが統率する闘莉王ですからね(笑)。他チームのお家事情ながら気になります。

椛沢:一番マネジメントが難しいであろう(苦笑)闘莉王は、西野さんの意向により残留をしたという話もあります。また、名古屋には日立時代からの盟友である、久米一正GMがいますから、その面ではバックアップ体制を築きやすいのではないかと思います。コーチ陣は早くもガンバ時代から西野さんを支えてきたメンバーを集めているようです。また嬉しいニュースとしては、県リーグへの降格が危ぶまれていた、レッズユースが、なんとか関東プリンスリーグ残留を決めました。関東プリンスから、柏レイソルU-18、市立船橋がプレミアリーグへの昇格を決めたことで、残留が決まりました。J1の下部組織のチームが県リーグまで降格をしたら、由々しき事態でしたが、最悪の事態は回避しました。世代代表に選ばれる選手も少なくない中で、なかなか成績を残すことができないのが気掛かりな所です。

豊田:嬉しいと言うか、ホッと安堵したという実感です。折しも浦和フットボール通信は、レッズのジュニア育成やアカデミーの充実に目を向けて行く指針を提唱している時節ですから。率直に言って県リーグで育成年代のキャリアを積むヤングレッズは見たくないですよ。

椛沢:4種ジュニア世代では全国でもトップレベルの力がある埼玉県下の有力選手が、レッズに集まっている中で、この状況は県内の指導者達も歯がゆい想いをしているのではないでしょうか……。

豊田:育成の成果には時間が必要なのは理解できます。しかしそれは同時に「経緯と実績のプロセスを問われる」という責任のもとに成り立つ話です。こういうテーマは今シーズンの終了に際して、特にファンやサポーターがクラブに対して質したいと感じた部分なのでは? ここは来るべき代表をお呼びしてのタウンミーティングに期待したい気分が高まるのですが……

椛沢:来週開催されるタウンミーティングでは、トップチームに対してのクラブ側の総括、そして来季へのビジョンをお聞きすると共に、このあたりの育成についてのビジョンについてもお話を聞きたいと思います。 早くも満員御礼の応募を頂いておりますので、ご参加できない皆様にも早めにレポートを上げてご報告できればと思っております。

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