浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「その日が来るまで ~背番号6」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

背番号6は、山田暢久から山田直輝へ。その思いは託された。

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Jリーグが開幕してから、いったい何人の選手達がユニホームを脱いで引退していったのだろうか・・・。

浦和で現役生活を終えた選手達は、何人いるのだろうか?1994年シーズンで引退した名取篤氏を初め、磯貝洋光氏、井原正巳氏、内舘秀樹氏、神野真郎氏 菊原伸夫氏、園部晃久氏 田北雄気氏、田口禎則氏、土田尚史氏、土橋正樹氏、西野努氏、広瀬治氏、福田正博氏・・・とあいうえお順におぼろげな記憶をたどってみると、渡辺敦夫氏、渡辺隆正氏と約18名であった。

引退理由も人それぞれで、色んな思いを抱きながらその後の進路も大学進学を目指したり、一般企業に就職をしたり、指導者の道を選んだりと様々であった。その中で引退記者会見が行なわれたのは、福田氏と井原氏、そして山田暢久氏の3人であった。

引退記者会見で福田氏は「赤いユニホーム以外に着る気にならなかった」と話し、井原正巳氏は「レッズでの契約満了をもって現役引退をする」と話し体力の限界を引退理由にあげた。2人共に涙の会見となった。

山田氏の引退会見は、奇しくも福田氏と井原氏と同じ場所で行なわれたが、山田氏は実に晴れやかな表情を浮かべ「自分の中で割り切って決めさせてもらいました」とサバサバとした口調で話し涙の会見とはならなかった。山田氏の気持の中で「決まったことだから・・・」と様々な思いを封印してスパッと気持ちを切り変えて、引退会見に臨んだのではないかと思った。

山道守彦強化本部長は「悩まれたようですが、一緒に浦和を良くしたい。これだけ選手として出来た粘り、信念を持っている。必ずクラブを引っ張る人材になる」と山田氏がクラブスタッフの一員に加わったことを嬉しそうに話していた。確かに、浦和と共に20年歩んで来た山田氏がクラブスタッフになったことは、クラブにとってみれば大きな財産になるとは思う。だが、山田氏の生涯現役、生涯浦和(本誌50号参照)の思いが強かった私にとっては、山田選手の昨シーズン限りでの引退には納得いかない。山田選手本人が自ら引退を表明するまでは、ずっとクラブは契約をするJリーグの名物選手がいても良いと思っていたからだ。他のクラブからオファーがあった事実を踏まえて考えてみても、まだまだフットボールプレーヤーとして浦和でピッチに立って闘うことが出来たのではないか?!と思ってしまう。

他のクラブで現役の道を選ぶことが出来た山田氏は、様々な葛藤の中で現役を引退して、スタッフとして浦和に残る道を選んだ。私の中では、何か納得出来ない思いがあるが、当事者の山田氏は「選手を辞めると思うとすごくあっけなかった。この20年間、レッズでの歴史を共に歩んで来た。自分の中でプロとして20年間現役でやって来れると思っていなかった。やり残したことは無い。気持ち良くレッズのスタッフとして残してもらえるので、今後はレッズの力になっていきたい。20年間、レッズでやれたことが幸せ」と話した。

山田氏が封印した思いは、もう一人の山田選手が『背番号6番』と共に引き継いだのだ。山田直輝選手は「偶然と言う部分もありますが自分の名字が『山田』ですし、山さん(山田暢久氏)生え抜きで20年、僕が浦和育ちと言う所で重なる。僕が小学校のころから山さんのプレーを見て来た。レッズのサポーターの方が、山さんの番号をどう思っているかは分かっている。正直、迷いましたけど、浦和の6番に山さんがいたことを忘れては欲しく無いし、その背番号を背負って浦和の山田は自分だと示して行かなくてはいけない」と自分自身の勝負の年と位置付けてプレッシャーを掛ける思いで『背番号6』の重みを背負って闘うことを志願したのだ。山田直輝選手は「山さんがチームからいなくなると聞いて考えた」と家族に相談したり、第三者になって考えてみたりして悩んだ末に『背番号6』を付ける決意をした。「自分が付けて、ずっと6番で浦和でプレー出来たら良い。偶然ですけど、色々な偶然があって、その全てに意味がある。だから、この偶然もただの偶然ではない」と話した。そして山田氏は「自分の6を着させて下さいと本人から言われて、嬉しかった。気負わないで頑張って貰いたい」とエールを送った。

高校3年生でJリーグデビューを飾った山田直輝選手は、今年で7シーズン目を向える。まだまだ先の話であるが、山田直輝選手が浦和のユニホームを脱ぐその日が来るまで、山田氏の思いを胸に刻んで『背番号6』を自分の色に染めて行く。偶然が必然だったと変わり『背番号6』は継承された。

Q.膝の代表的な怪我は何ですか?

A.やはり、半月板損傷や側副靱帯損傷と致命傷になりうる前十字靱帯損傷です。側副靱帯損傷や前十字靱帯損傷は同じような怪我の仕方をします。膝に大きな力が加わり、当り負けして膝をもっていかれてしまった場合や踏み外したり、捻ってしまう非接触でも起きます。トーインアウトと言って、足の指先が外側に向いている状態で、膝が内側に入ってしまい怪我してしまいます。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション http://www.kawakubo-clinic.jp/

 

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