浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「闘う軍団!女子力アップ!~レッズレディース」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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さぁ~ホーム開幕戦の舞台は整った。闘う集団レッズレディースの勇姿をぜひ観て欲しい

新緑が眩しい季節になって来た。大原の練習場の桜もすっかり葉桜と変わり、レッズランドも新緑に包まれている。ボールを蹴るには最高の季節がやって来た。しかし、暖かな日差しが沈みかけたころに始まるレッズレディースの練習は、急激に気温が下がり真冬に逆戻りしていた。

4月10日、何とか立っていられるような強風が吹き荒れ、耳を切り裂く風の音と共に体温が奪われて低体温症になるのではないか?!と思うぐらい凍える寒さであった。そんな中、強風をものともせずにボールに食らい付いて行くレディースの選手達の姿は、勇ましかった。

なでしこリーグ開幕戦、女王と呼ばれるINACに対して二度も同点に追いつかれながらも試合終了間際に猶本光選手のゴールが決まり、INACに対して実に3年ぶりの勝利を収めたのであった。3対2とスコアだけ見れば、試合はシーソーゲーム。昨シーズンのレッズレディースだったら、同点に追い付かれたところで、崩れて逆転負けを喫していたかも知れない。しかし、今シーズンは違っていた。

猶本選手は「練習試合の中で出た課題を、みんなで修正して開幕戦に臨めたことが一番大きくて、INAC戦はチーム一丸となって勝ち点3を獲りにいった試合だった。今シーズンも『得点を獲ることを目標』にしていたので、開幕から得点が獲れて良かったです」と嬉しそうに笑い、そして「今シーズンの初めころフィジカル的なトレーニングが多く、90分通して前に関わり続けながら、守備でもしっかりと戻って出来るようになって来た。守備の1対1で相手の中盤の選手を潰せるようになったのは大きい」と大きな瞳を輝かせながら話した。昨シーズン、なかなか出場機会を掴めずに苦しんでいた猶本選手であったが、練習から走れる体力を付けた成果で、攻守の切り替えの意識も高まり、ボランチから視野を広く保てるようになり自信が戻って来たように感じた。

吉良千夏選手も「INAC戦に向けて、良い準備が出来ていた。1月から始動して、試合に勝つために走れる体力をつけて来たし、試合が終わるまで集中して、球際にこだわりながら走りきれた。INAC戦で、3対2の結果がついて来た。勝てたという喜びがあって嬉しかったんですが、始まったばっかりだし、強さはまだ安定していない」を身を引き締めていた。

堂園彩乃選手は「監督のサッカーを共有出来たことが結果になっている。ずっと良いパフォーマンス、良いゲームが出来るチームではまだ無い。波があるが、闘う姿勢だったり、声出すこと、走ること、球際で闘うみんなの意識でのトレーニングが行なわれている。守備でも攻撃的な守備で、ボールを失った瞬間から、ファーストディフェンスが始まり、まわりも連動して相手にプレスをかけられる。高い位置で奪ってゴールまで行く。行けない時は、しっかり自分達のゴールを守る判断が共有出来ている」とピッチの中で選手全員が同じイメージで闘えている手応えを話した。

そして、2009年のリーグ優勝を経験している堂園選手は「2009年は、ベテラン、中堅、若手がいたが、今は選手の年齢の幅が狭く、年の近い姉妹たちが集まっている感じがする。監督がお父さんで、1つの家族みたい。仲間を思いやってプレーが出来るから、ミスが起きてもそれがミスでなくなるの」とフットボールにおいて、大切な仲間を思いやるプレーが出来ていることを誇らしく話してくれた。

INAC戦で自信がついたレッズレディースは、伊賀戦では3-0で快勝!ホーム開幕戦に向けて良いスタートを切れたが、吉田靖監督は「まだまだだよ。始まったばかりだしね」と優しく微笑み「去年は、厳しい状況の中で監督を引き受けて、確実に勝つことを意識した闘いだった。今年については、よりアグレッシブで攻撃的で積極的なサッカーをやりたいと思っていたので、そのために必要なことを練習の中から取り入れて来た。まずは、運動量が必要!動けないことには、攻守の切り替え早く、攻撃の人数を多くかけ、守備も前から狙うことが出来ないので、走るということをやってもらった。かなり選手達はしんどかったと思う。高い位置でボールが奪えたら、直ぐに崩しに入っていける。粘り強くやらないといけない」と話した。

次節、ホーム駒場の開幕戦の相手は、エルフェン埼玉である。元レッズレディースのGK山郷さんは「チャレンジリーグを1年で上がってくるから、同じ舞台で闘おう!」と言う言葉を残してチームを去った。「エルフェンは強い気持ちで来るだろう。だが、それ以上に強い気持ちで闘う!」と吉田監督は断言した。さぁ~ホーム開幕戦の舞台は整った。闘う集団レッズレディースの勇姿をぜひ観て欲しい。

昨シーズン、降格の危機にさらされたレッズレディースであるが、走り切る力とチームの共通イメージを持ち、仲間を思いやる気持ちで闘う集団に生まれ変わり、女子力がアップしたと言っても過言ではない。シーズン始まったばかりである。これから良い時も悪い時もあるだろう。しかし、闘う集団で女子力がアップしたレッズレディースは、チーム一丸となって乗り切っていけるだろう。

Q.腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)はどうなのでしょうか?

A.鵞足炎(がいぞくえん)は膝の内側で起きる炎症ですが、腸脛靱帯炎は膝の外側の炎症です。腸脛靱帯炎は、膝の外側の筋肉(大腿筋膜張筋が腸脛靭帯になる部分)が骨の付け根で擦れて、摩擦で炎症を起こします。走ると外側に痛みが走ります。早期に診断して治療すれば、早く治ります。腸脛靭帯炎や鵞足炎はO脚やX脚の極端な人に起こりやすいです。運動後のストレッチ、アイシングで予防しましょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション http://www.kawakubo-clinic.jp/

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