浦和フットボール通信

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「東京に”ウノゼロ”勝利で4年ぶりの首位」ゴール裏からの試合レビューvs FC東京(2014/5/5)

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連戦が続くGW。前節はホームで、守備を固める横浜・Fマリノスを相手に粘り強くセットプレイからの得点で勝利したレッズは、FC東京をホームに迎え入れての一戦となった。

FC東京も今季よりJリーグ初のイタリア人指揮官、マッシモ・フィッカデンティ監督が就任して、守備の堅いサッカーを展開しており、レッズが堅守を如何に切り崩すかという展開になることが予想された。

GWの試合ということもあり、子連れサポーターも多く見受けられた。観客動員数も今季最多となる43,564人がスタジアムに詰め掛けて、スタンドを赤く染めた。

試合前にはサポーター有志により、守護神の名が相応しい活躍を見せている西川周作のチャントが作られた。GKの応援となると、苦しい雰囲気の応援歌になりがちだが、西川の場合は止めたことで盛り上がれるような歌にしようということで、今回のチャントが歌われることになった。「アレーアレー西川―アレー!ラララ、ラララ、西川、アレーアレー!」練習で登場した西川に早速歌われて、西川もすぐに自分のチャントだと気付いたようで、右手を上げてサポーターに応えていた。

試合は戦前の予想通り、お互いに守備を固めて、決定的なチャンスが作れない展開が続いた。連戦でフィジカルも落ちていることもあるのか、足元パスが多くなり、

途中から投入された関根が入るとスタンドは大いに盛り上がる。それは彼のプレースタイルにも大きく起因していると思う。ボールを受けると、仕掛けるという意志が強く感じるので、何かやってくれるという雰囲気を多くのサポーターが感じているということがあると思う。実際に、関根自身もその雰囲気を感じているようで「僕がボールを持つと、サポーターの皆さんの声が大きくなったなと分かるので、仕掛けるときに勇気をもらえます。やってやろうという気持ちになるので、サポーターの皆さんの声は力になりますね」とコメントをしている。彼の投入でギアが入ったレッズは、79分に、柏木の突破からCKを得ると、柏木がそのままCKを二アサイドに飛び込んできた阿部勇樹にぴたりと合わせて、先制点を獲得。スタンドが一気に爆発したかのような歓喜となった。

84分には、原口に代えて濱田を投入して、守備固め。原口にとっては不満の残る試合だったかもしれないが、我慢の試合を守りきって勝つことも頂点に上り詰めるためには必要な要素になる。昨季までのレッズは、この1点差を守りきれなかったが、今季の浦和はここからきっちり1点を守りきれるという安心感を感じることが出来る。ロスタイム6分の表示には、さすがに一抹の不安も覚えたが、そんな不安もどこ吹く風。今季、4度目の1-0。イタリア語でいう“ウノゼロ”で、イタリア人指揮官の東京に勝利した。この結果、2010年以来となる首位に立った。ヒーローインタビューで、首位に立ったことを朝井さんが伝えるとスタンドが盛り上がったが、阿部勇樹キャプテンは「まだ11試合ですから」と冷静沈着。その落ち着きが、現在の勝負強さを引き出しているのかもしれない。

4万3千人が入った埼玉スタジアムには勝利の凱歌「We are Diamods」が各々のサポーターのマフラーが掲げられながら高らかに歌われた。浦和レッズに盛り上がりは少しずつ、取り戻しつつある、そんな光景だった。首位に立って浮かれることは今のチームにはないだろう。この首位というGOOD NEWSを味方につけて、より盛り上がりを作れる要素するくらいの気持ちで、1試合1試合を勝ち抜いていければ良い。

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