距離間・タイミング・イメージの共有を持って

先週の猛暑とは一変して、小雨がパラつく涼しげの中で午前９時から練習が始まった。アップ後、鈴木啓太選手は別メニューでコンディション調整となった。

ビブ組は、ＧＫ西川、ＤＦ槙野、那須、森脇、ＭＦ宇賀神、阿部、青木、平川、梅崎、柏木、ＦＷ興梠。ビブなし組はＧＫ加藤・岩舘、ＤＦ濱田、永田、坪井、関根、ＭＦ矢島、山田、マルシオ・リシャルデス、関口、ＦＷ阪野、李と分かれ、ハーフコートで横幅を10ｍほど狭くして11対11のミニゲームを行なった。

大宮を想定したビブなし組の４ＤＦに対して、前線の３人が孤立してしまうシーンが見られ、ミシャ監督から「攻守がバラバラに動いている。お互いの関係性を持て！」と指示が飛んだ。攻撃の組み立てにおいては、身体を半身にしてゴールに向うボールコントロールを意識した動きが見られるようになった。どのようにボールを動かし、前線に入れられるか？前線での質の良い動きでそこに入れられるか？距離間とボールを入れるタイミングとイメージの共有を意識が、ミニゲームの中で要求されていた。

興梠「ダービーで勝ち点３を獲る」

興梠慎三選手は「ＦＣ東京戦では、前３人で崩した形がなかった。内容も満足出来る内容では無かった」と４対４で引き分けたＦＣ東京戦を振り返りながら「（攻撃が）良い時は、後ろからの持ち運びが良くて、良い形が作れる。前線でどれだけキープ出来たり、失わずに繋ぐことが出来る。チーム全体の出来にこだわる。大宮は、浦和と対戦する時は、いつも以上にチームとしてやって来る。気を抜かずに、ひとりひとりが、闘う気持ちで頑張らないといけないとね。今の大宮と浦和の勝ち点を比べたら、絶対に勝たないといけない。勝ち点３を獲る！」と話した。日本代表メンバー発表について取材陣から質問が飛ぶと「代表よりもチームでタイトルを獲ることが大事」と大宮戦に集中していた。

森脇「大宮を上回る気持ちが大事」

森脇良太選手は「今まで通り、規律が大事だ。大宮の外国人選手は、スーパーゴールがあるから、後ろの選手が守備をタイトに行くこと。攻撃は、後ろからの持ち運びを意識して、前線に当てられる時と、運び出す時の判断を良くする。大宮は厳しい状況だが、相手をリスペクトする中で、大宮を上回る気持ちが大事。笛が鳴った瞬間からアグレッシブに行き、浦和のスタイルを出す」と攻守に渡り熱いハートを見せた。

柏木「監督に怒られた」

練習後、ミシャ監督から呼ばれた柏木陽介選手は「なんとなく、今日の練習が面白くなかったから・・・。つまんなそうな顔で練習していた。直ぐに顔に出るから・・・。『そんな顔でサッカーするんじゃない！』と怒られた」と反省。「今まで、大宮に勝って無かった印象が強い。今のチーム状況では、より勝たないといけない。アウェー（第13節５月10日ナック５スタジアム・大宮戦２－０）でやった時のように、前線からプレスをかけて、高い位置でボールを奪ったらチャンスになる。大宮の攻撃は、外国人選手２人と家長君だから、ディフェンスが退いて押し込まれるのではなく、前線からプレスをかけたら得点が生まれる」とハイプレスからショートカウンターを狙って行くようだ。

そして、日本代表については「代表の発表は、正直意識していなかった。自分がコンスタントに良いプレーをしていたら、呼ばれると思う。まだ、自分の中で高いレベルに達していない。今日の代表発表よりも、明後日の試合が大事」と大宮戦の勝利に向けて身を引き締めた。 ミニゲームでは、全体的にビブなし組みの攻守の切り替えが早く、マルシオ・リシャルデス選手のミドルシュートや山田直輝選手が矢島慎也選手とワンツゥーで抜け出したりと動きが良かったが、ビブ組みはＦＣ東京戦で露わとなった守備の課題を踏まえ、アグレッシブに闘う姿勢を見せていた。

今日のイチオシ！「李忠成選手」

ミニゲームでは、ビブなし組みであったが、１．５列目のような動きで攻守に渡り豊富な運動量を見せていた李忠成選手！ボールへの執着心を全面に出したプレーは、大宮戦に向けて気合が感じられた。李選手は「大宮との対戦についてサポーターから話を聞いたら、気持ちが盛り上がって来た。今年のナビスコカップの大宮戦で点を獲って、やっぱりダービーで点を獲りたい気持ちが強い。首位とか下位チームとか関係ない。ホームだし、負けられない。途中から入ってラッキーボーイ的な選手がいても良いと思う。何かをするためにピッチに入る訳だし、僕が点を獲る。ゴール前で仕事をする！」と意気込んだ。李選手は、練習後に30分ほど居残り、シュート練習と堀コーチとパス＆コントロールで汗をかいていた。練習の成果は、必ずピッチの中で現れる。