浦和フットボール通信

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『太鼓復活!も鬼門仙台で、勝利を勝ち取れず』Jリーグ第28節 vsベガルタ仙台 ゴール裏からの試合レビュー(2014/10/20)

ピッチがぬかるむ中で、先制を許すも、逆転勝利した徳島戦に続き、アウェイ仙台でのベガルタ戦を迎えた。ユアテックスタジアムは、サッカー専用スタジアムで、スタンドからピッチの距離が近く、さらに屋根が四方に設置されていることで、声が響きやすい構造となっており、サポーターの一体感、熱狂が作りやすいスタジアムとなっている。

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そして、この試合から差別的横断幕事案以降、使用をしていなかった太鼓を使用することをサポーターが決めた。試合前には「よりサポーターとしてチームに力を与えるサポートをするために太鼓の使用を今日からしたいと思います」という説明が太鼓を使用するサポーターグループの一人からなされた。使用を決めたサポーターもさまざまな意見がある中で、相当な重いを持って太鼓を使うという決断をしたと聞く。半年以上、太鼓の使用を止めて、レッズサポーターは声と手拍子の応援を続けてきた。太鼓の使用を聞いたサポーターは多くは『待ってました!』という反応で、涙ぐむサポーター、満面の笑みを見せるサポーターの表情があり、各々のサポーターが思いを秘めながらこの日まで闘ってきたことを感じた光景だった。

太鼓が打ち鳴らされて始まった、この日のファーストコールであった『浦和レッズコール』は、いつも以上に声が出ていたように思える。その大音量の『浦和レッズコール』の中で選手がウォーミングアップのためにピッチに現れた。興梠も「試合前のレッズサポーターの応援を聞いて、やってやろうという気持ちが昂ぶった」とコメントをしていた。選手にもサポーターの声、気持ちは伝わっていたと思う。

太鼓の使い方については、これからも考えていきながら使用するとのことで、この日も全てのサポートで使うわけではなく、走りやすい応援歌や、ここぞのタイミングでの太鼓の使用に限定をしていた。

その後、これも久しぶりのサポーターが肩を組んで飛び跳ねる「歌え浦和を愛するなら」が行われた。ゴール裏だけではなく、メイン、バックに座るサポーターにも「一緒にやりましょう」と声がかかり、仙台に集まったサポーターが試合前に一丸となった。

試合は、序盤から球際にも強さを見せる仙台にペースを握られる展開となった。仙台は、リスタートとカウンターが要注意と皆が分かっていたはずだが、その形でやられてしまった。1点目はリスタートから押し込まれて先制を許すと、立て続けにロングボールを裏に通されると、マークが完全にずれてウィルソンをフリーにして、中に折り返された所を矢沢に押し込まれた。ミシャ監督もコメントしていたように、2点とも“安い失点”だったように思う。しっかり守れば防げた失点。それを重ねてしまった。
去年の悪夢が蘇る展開となったが、レッズは成長した姿も見せる。30分と37分に、興梠がゴールを決めて一気に同点に追いついた。自分たちの形が作れればゴールは奪えるという自信をつけることが出来たと思う中で、前半が終了した。

後半に入り、仙台も勝ち越しを狙って圧力をさらにかけてくる。レッズはその勢いに押される形になってしまった。柏木をボランチに下げて、啓太に代えてマルシオを投入して、攻撃シフトに切り替えるが、それも逆に仙台の勢いを受ける形になってしまったように思う。その中で、後方でのビルドアップでミスが起きてしまった。那須のバックパスを受けた西川に対して、仙台の赤嶺がハイプレッシャーを掛けて、そのままゴールに押し込まれてしまった。全体の流れの中で起きた西川のミスだったと思う。

その後、勝ち越しを狙ってレッズも迫力ある攻撃を仕掛けるが、81分に宇賀神が2枚目のカードで退場となり、10人に。ロスタイムにダメ押しの4点目を仙台に決められて、鬼門仙台で、またも敗戦を喫してしまった。

鬼気迫る仙台の戦いに対して、少々受身の姿勢を見せてしまったこと、やるべき所で、しっかりプレーが出来なかったこと。この部分において、負けが妥当な内容の試合になってしまったと思う。試合後に挨拶に来る選手達に対してサポーターは、「切り替えて、次勝ってくれ」と大声援の浦和レッズコールが起きた。

昨年は仙台の敗戦から秋の大失速が始まってしまった。今一度、ここまでしっかりと闘ってきた記憶を思い出して、締める所は締める意識を強く持って、残り6試合を戦い抜いて欲しい。いよいよ、リーグ戦も終盤戦に入った。

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