浦和フットボール通信

MENU

『埼スタ最低入場者数で、スコアレスドロー』 Jリーグ第29節 ヴァンフォーレ甲府戦 ゴール裏からの試合レビュー(2014/10/23)

前節、敵地仙台で破れた、レッズはホームに戻り、ヴァンフォーレ甲府を迎え入れた。水曜日のナイトゲームとなるこの日は、一日雨がシトシト降り続け、寒さが増す環境となった。入場者数も19,977人。レッズリーグ戦ホームゲームでは、埼スタ開場以来、最低の記録になったそうだ。これが意味するものとは・・・。

kofu_h

リーグ終盤、ガンバ戦、名古屋戦は完売に迫るくらいのチケット売れ行きのようだ。その中で、この試合は最低入場者数を更新してしまうのは、どの試合でもスタジアムに行き、チームをサポートするという人が減っている現象の一つだと思う。ポテンシャルからすれば、埼スタを埋めるくらいのファン・サポーターの数がいるが、多くは試合を選んで入場する熱さに落ちてきているのが現実だ。

どの試合でもスタンドを赤く染めてきたレッズのスタジアムは、試合によって色合いが変わる、他のクラブと変わらない姿になり始めている。ガンバ戦、名古屋戦が売れているから、と危機感をクラブがもてないようであれば、この熱気が冷めていく感覚は進行していくだろう。

私も視点を変えてみようと、埼スタ開場以来始めて、ゴール裏以外での観戦を行った。バックスタンド自由席は、サッカー専用スタジアムの良さで、ピッチが近く、選手の息遣いも感じることが出来る席になっている。主観的になりすぎてしまうゴール裏に比べて、落ち着いて試合を見ることが出来るので、またゴール裏で見ている時は違う感覚を受けることもある。球際でのバトルや、トラップひとつひとつの技術の高さに唸る部分もある。この日の試合はゴール裏で見ていれば、この試合でなぜ勝ちきる気持ちをもっと見せられないんだと怒っていたかもしれない。バックスタンドで見える姿では、選手の頑張りも感じながら、ゴールへの圧力に物足りなさを感じる部分もあった。

仙台戦から始まった太鼓の使用は、手拍子中心のサポートにあわせて、新たな形を模索しながら使用が始まっている。強弱をつけるという意味では、太鼓を入れたり、入れなかったりという形は、新たな形になっていくのかもしれない。少ない人数ながら、選手を後押しする雰囲気は、外から見て感じることも出来た。

試合は0-0のスコアレスドロー。レッズ対策で守りを固めてくる甲府に対して、パス、パス、パスのリズムだけでは崩れない。原口がいた時のようなドリブルでアクションを仕掛けられる選手がいないと、窮屈な展開の時に打開する雰囲気が作れない弱さが見れてしまった。

しかし焦れずに守備が踏ん張れたのは収穫でもあるだろう。残り5試合、昨年のようにバランスを崩す形になれば、一気に崩壊してしまう。それを逃れたことは、昨年からの成長なのかもしれない。バランスを保ちながら、ゴールへの意識を強めていくこと、これからの試合で求められるポイントはそこになると思う。

ページ先頭へ