浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう番外編】レッズレディース、元日決勝へ!<吉田監督、堂園、清家、吉良、池田コメントあり>(2014/12/28)

いざ、元日決戦へ!

なでしこリーグ優勝を飾ったレッズレディースは、2冠を目指し皇后杯準決勝でジェフレディースと対戦した。今年最後の日曜日となった12月28日、味の素フィールド西が丘サッカー場にて14時キックオフで行なわれ、4315人の観客が見守っていた。

レッズレディースのスターティングイレブンは、GK池田、Df高畑、堂園、和田、乗松、MF斉藤、岸川、柴田、加藤、FW吉良、後藤。

リーグ戦で怪我した猶本光選手と藤田のぞみ選手の復帰が待たれる中、リーグ終盤と同じように2列目のワイドのポジションの柴田華選手をボランチで起用して挑んだ。対するジェフレディースは、リーグ戦とほぼ同じメンバーで、なでしこリーグ得点王となった菅澤優衣香選手中心に固い守備からの攻撃力を持っている。

前半の立ち上がりから、レッズレディースはボールをポゼッションするものの、シュートまで持ち込めずに苦戦をしいられることとなった。サイドに揺さぶりを掛けるが、ジェフレディースのDFラインが高く保ちコンパクトにしているために、バイタルエリアまでボールをなかなか運べず、相手DFの裏を狙うことも出来なかった。

激しい中盤の攻防の中、ジェフレディースはインターセプトしてから縦に早い攻めで、菅澤選手や深澤理沙選手に決定的なチャンスを作られてしまった。しかし、GKの池田咲子の好セーブやDF陣の踏ん張りでゴールを許さず0-0で前半を折り返した。

先制点が欲しいレッズレディースは、後半からスピードに定評がある清家貴子選手を斉藤あかね選手に代え、吉良千夏選手をワイドにポジションに配置して勝負にでた。トップに入った清家選手に相手DFの裏を狙らわせるが、なかなかリズムが変わらない。苦しい展開が続く中、64分に後藤三知選手が粘ってCKを獲得。和田奈央子選手が蹴った左CKを堂園彩乃選手が頭で合わせて、待望の先制点を手に入れた。

しかし、その直後の67分、安齋結花選手に右サイドをドリブル突破され、クロスを菅澤選手がファーサイドでヘディングシュート。決まったかと思いきや、池田選手がなんとかかき出してピンチを防いだ。このピンチを凌いだ69分、相手DFの零れ球を拾った清家選手がスピードに乗ったドリブルで持ち込み、右足でゴールに叩き込んで2点目を決め、73分にも相手GKが飛びだしを見逃さずに清家選手のシュートは、無人のゴールへと吸い込まれていった。3-0とリードしたレッズレディースは、84分に石井咲希選手を入れて5DFにして逃げ切りを図った。最後まで攻撃の手を緩めないジェフレディースは、試合終了間際に菅澤選手のシュートがクロスバーに当り、その跳ね返りを深澤選手に身体で押し込まれて、意地の1ゴールを決められてしまった。レッズレディースは無失点で勝利を収めたかったが、3-1でジェフレディースを下し、皇后杯決勝へと駒を進めた。

決勝の相手は、リーグ戦で優勝争いをしていた日テレベレーザだ。今シーズン、2勝1分け1敗の成績である。得失点差でリーグ優勝を決めたレッズレディースは、皇后杯を掲げることで、真の女王であることを示したい。そして、皇后杯の栄光で新年のスタートを飾りたい。元日決戦は、味の素スタジアムにて14時15分キックオフだ。

吉田監督「やるからには優勝しないと意味が無い」

試合後、吉田靖監督は「非常に厳しいゲームだった。前半はジェフのペースで、危ない場面を凌ぎ切った。セットプレーで点が入って落ち着きを取り戻した。ジェフは、高いDFラインで、コンパクトにしてくるので裏を狙わないといけない。清家を入れるのが勝敗のポイントだと思っていた。ジェフの(DFの)幅を広げることを狙ったが、そこから奪われて危ない場面を作られてしまった。清家には、チャンスがあったら、浅い裏を突いて行けと指示した」と安堵の表情を浮かべた。決勝の相手となる日テレベレーザについて「ベレーザが一番強い。我々よりも間違いなく力はある。得失点差でリーグは、うちが一番上になっただけだ。やるからには、優勝しないと意味が無い。粘って、粘って、我々の良さを出して勝利を獲得したい」と話した。

選手コメント「堂園、清家、吉良、池田」

堂園「ごめ~んって思いながら決めちゃいました」

先制点を決めた堂園彩乃選手は「シュートまで行くところまで辿り着けない中、セットプレーで点を獲るしかないと思っていた。三知が(後藤選手)粘ってCKを獲ってくれた。CKで、高畑も良い所に居て「OK」って声が掛かっていたけど、良い所にボールが来たから「ごめ~ん」って思いながらも決めちゃいました」と笑みが零れた。「最後、DFを5枚にしてゴール前のマークを徹底して守っていた。失点シーンは、私のマークだった。ゼロで押さえなければいけなかった。反省点です。最後は、全力を出し切って闘いたい」と話した。皇后杯決勝には、鹿児島から御両親も応援に来てくださるそうだ。

清家「勝って優勝したい」

自分の持ち味を生かしてゴールを決めた清家貴子選手は「前半、シュートを撃っていなくてジェフの流れだった。後半の頭から出場だと思っていなくて、慌てた。自分の強みは、背後の飛びだしだと思う。自分が入ったら、相手DFの裏を意識した。(1点目)自分でガンガン行きました。(2点目)あそこまでGKが、出て来るとは思わなかった。蹴ったら、入った」と嬉しそうに笑い、「元旦のサッカー公式戦は、初めての経験。ベレーザは強いチームだけど、自分のプレーをしたい。勝って優勝したい」と2冠を目指す。

吉良「チームがやろうとしていることは理解している」

前半は後藤選手と2トップを組み、後半は右の2列目のワイドのポジションでプレーした吉良千夏選手は「前半は、シュート本数も少なく、撃てなかったし、撃てるところまでボールを持って行けなかった。セットプレーがチャンスだと思っていた。CKも良く、競り勝って点が獲れ、そこからみんなのリズムが生まれた。(ワイドのポジション)なれないポジションだったけど、チームがやろうとしていることは、理解している。清家の個性を生かしたプレーを合わせようとして、結果に繋がった。上下運動や中に絞ったり、守備での動きとかまだまだ」と課題を口にしたが、決勝戦に向けて「ベレーザは、個人が上手いし、ボールを獲りに行くとワンタッチで交わされる。でも、高い位置でボールを奪うやり方を変えずに行く。1点目が獲れれば、リズムが作れる。先制点が勝負の分かれ目だ」と積極手にゴールを狙う構えを見せた。

タカネェの今日のイチオシ!!「池田咲紀子選手」

今シーズン、怪我で戦線離脱して復帰を果たしたが、試合出場のチャンスが巡って来なかった池田咲紀子選手。セカンドGKとして歯痒い日々が続いていた。それでも、「必ず、ゴールマウスに立って、ゴールを守る!」と強い気持ちで練習をしてきた。試合終了間際に、身体で押し込まれて失点をしてしまったが、強い気持ちで練習に取り組んで来た成果が、皇后杯準決勝ジェフレディース戦で出ていた。今日のイチオシは、池田選手!!池田選手は「自分たちのやりたいことが、上手く行かず大きなピンチがあったとしても、慌てずに集中することが出来た」と胸を張った。そして「1年間、やって来たことを信じてやる!」と決勝戦に向けて意気込んだ。リーグ優勝のゴールを守れなかった悔しさを胸の奥に刻んで、皇后杯優勝に向けてゴールを死守する。

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