浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「株価上昇中~武藤雄樹選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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厳しいポジション争いに勝つ!

移籍を決断するには、選手それぞれの思いがある。環境を変えてより厳しい状況下に身を置くことで更なるステップアップを目指す選手もいれば、試合出場の機会を求めて移籍をする選手もいる。

浦和に移籍をしてくる選手をみていると、どの選手も相当な覚悟を持って移籍してきていることを感じる。Jリーグの中で一番厳しい目を持つと言っても過言でない浦和のファン・サポーターに、フットボールで認めてもらうことは、並大抵なことではない。

その上、コンビネーションプレーに重きを置いているミシャ監督が求めるフットボールに、移籍して来た選手はみんな戸惑うだけでなく、どのポジションを見ても激しいポジション争いが待っている。

ミシャ監督のフットボールを理解し、浦和を取り巻く環境に馴染んでいる選手たちと比べると、移籍して来た選手たちにはハンディキャップがある。今シーズン、浦和に移籍してきた6選手たちを見ていても、その必死さが伝わって来る。

ハンディキャップといっても隣町の大宮から移籍してきたズラタン選手は、さいたまの街には馴染んでいる。広島から移籍した石川直樹選手は大宮に在籍経験があり「街並みとか懐かしいですね。どこに銀行があるとか、コンビニとか、買い物とか分かる。住み慣れた場所だから、どこに何があるか分かっているから、問題無くすんなり生活出来る。不自由なく出来ているからサッカーに集中出来る」と話していた。

石原選手の場合は浦和に馴染みがあるだけではない。湘南から始まり大宮、広島、浦和と3回目の移籍経験を生かしている。加賀健一選手も初めての移籍ではない。移籍経験がある選手は、どうすれば違う環境に適応して行くことが出来るか、やはり熟知している。そういった意味では、初めての移籍は大きなハンディキャプを背負っている。

初めての移籍となった選手たちは、戸惑いながらも必死に自分をアピールし、チームメイトとコミュニケーションをとりながら、食らい付いていく。

その中でも一際目に付くのは、武藤雄樹選手であった。流通経済大学時代に宇賀神友弥選手とチームメイトだったことを差し引いても、どんどんと自分から臆することなく飛び込んで行っている。人見知りをしない性格なのか、コミュニケーション能力に優れている。

宮崎キャンプ後に、武藤選手は「みんなとは、慣れたと思う」と自信たっぷりに笑顔を見せた。レッズフェスタでも紅組のキャプテンを務め、ずっと浦和の選手だったかのようにすっかりチームメイトに溶け込んでいた。

レッズフェスタ後、武藤選手は「期待している。頑張ってと言われた。今日で沢山の方々に名前は覚えてもらったと思う。次は、ピッチで頑張りたい」と身を引き締めて話した。

武藤選手にとって、一番大変なことは浦和を取り巻く環境に慣れることよりもミシャ監督の求めるフットボールの理解だ。「仙台とは違うサッカーと言うことは、一通り分かっていたが・・・。個人の動きに対して、攻撃のポジショニングや前のランニング、ボールの引き出し方とか取り組んでいきたい。シャドーのポジションは、要求されることが多いのでやり甲斐がある」と武藤選手は言っていた。

実際、大原での練習中にミシャ監督からポジショニングの修正を指摘されていた。コミュニケーション能力が高い武藤選手は、指摘を受けるとすぐに、前線のトライアングルでコンビを組んでいた梅崎司選手と李忠成選手と話し、指摘された修正ポイントをより正確に出来るようにしていた。

その後、3選手のリズムの良い、流れるような攻撃を見ることが出来たのだ。武藤選手は「レベルの高い環境に来れて良かった。まだ来て間もないが、早く自分のプレーをみんなに覚えて欲しい。縦パスを入れて、コンビネーションで崩すのは、対応出来る。どんどんボールが欲しい感じ!誰からのパスでも受けたい。周りからもどんどん前に行けって言われた。後ろの声を聞きながら、参考にしていきたい。ウメさん(梅崎選手)の動き方は、参考になった。まずは、ウメさんの動きを見て、盗んでいきたい。考えて走ることが、一番難しい。覚えないといけない。判断力と見る場所を変えていきたい」と高いモチベーションで意欲的にミシャ監督のフットボールに取り組んでいた。

武藤選手は、人とのコミュニケーションと同じように、フットボールにおいてもどんどんと自ら移籍して来たハンディキャプを打ち破っていく。それもそのはずである。武藤選手には「ポジション争いが厳しいことは、分かって浦和に来た。高いレベルの選手と争いたいと思ってここに来た。負けるつもりは無い!!」と強い思いがあったのだ。

生半可な根性の持ち主ではない。武藤選手は、各年代別の日本代表歴も無い。あるのは、関東大学選抜ぐらいだ。フットボール界のエリートではないが、まるで雑草のような力強さを感じた。その根性が、フットボールはもちろんのこと、レッズフェスタでも、練習後の取材対応にしても様々なところで垣間見ることが出来る。今、浦和では武藤選手の株が急上昇中である。あとは、ピッチでどんなプレーで示すことが出来るかだ。武藤選手から、目が離せない。

Q. ワールドカップで怪我をした後に、ネイマール選手の復帰が早かったですが、特別な治療があるのでしょうか?

A. ネイマール選手の骨折がどんな状況で、どんな治療をしたか分かりませんが、最近では折れた椎体に特殊な骨セメントを入れる方法があります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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