浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】「課題の多い敗戦となってしまった」FUJI XEROX SUPER CUP2015 vs G大阪戦レビュー<高木、李、森脇、関根コメントあり>(2015/2/28)

シャドーにボールが入らず、攻撃の形が作れず

FUJI XEROX SUPER CUPの舞台となった日産スタジアムには、北海道から沖縄までJ1・J2・J3の53クラブの旗が飾られてこの試合が意味することを物語っていた。昨シーズン、3冠に輝いた王者G大阪とJリーグタイトルを目前で逃した浦和の対決を4万7千666人のファン・サポーターが見守った。

両チームとも今シーズン初の公式戦となったACLに敗戦をしているだけに、連敗は避けたい。浦和は、選手たちの疲労を考慮して、ACLグループリーグ水原戦から、スターティングイレブンを5人も入れ替えて臨んだ。

前半、しっかりと守備ブロックを固めているG大阪に対し、浦和はボールポゼッションをするものの縦パスが入り辛く、サイドチェンジで揺さぶりをかけるが、早いスライドするG大阪を崩すのは難しい展開となってしまった。

練習では、前線の3人が良かったコンビネーションは、全くと言って良いほど影を潜め、シャドーにボールが入らなかった。

シャドーの一角を担った高木俊幸選手は「浦和にきてのデビュー戦だった。これだけ人が入って、最高のチャンスだと思い、かなりのモチベーションでいたのに…。緊張感やプレッシャーがあって、積極性が足りなかった。自分の持ち味が出せなかったし、55分が何となく過ぎてしまった。なかなか、楔のパスが入らず、楔のパスを引き出せなかった。フリックとか、FWの連携も無かった。サイドにボールが流れてからのクロスが多く、中央で何も出来なかった」と話した。

厳しい展開を打開しようと梅崎司選手や槙野智章選手がミドルシュートを狙うが、いずれも枠を捉えることが出来ず前半を0-0で折り返した。

攻撃の形が作れるようになるも失点を重ねて敗戦

後半も流れが変えられない浦和は、56分に高木選手からズラタン選手に代え、それまでワントップを務めていた李忠成選手をシャドーへポジションチェンジをさせると少しゴールに向かう攻撃の形が見られるようになった。

李選手は「ゲームコントロールは、出来ていたが、真ん中を崩すのが難しく、サイドにボールが出てもガンバの寄せが早かった。ボランチが前に出て来る機会が少なく、DFの裏に出るボールがあっても良かったと思う。足元足元ばかりに囚われてしまっていた。後半、シャドーにボールが入るようになったが・・・」と悔しそうに試合を振り返った。

63分には森脇良太選手のクロスに関根貴大選手がDFの裏に飛び出し決定的なシーンを作り出すも僅かに合わず。逆に、宇佐美貴史選手と後半途中出場したパトリック選手のワンツーで簡単に崩され右CKを与えてしまった。この右CKを中央でパトリック選手がヘッドで逸らすと、ファーサイドの宇佐美選手が右足で合わせて先制点を許した。

森脇良太選手は「前半は、無理して行く必要はないと話して、我慢強い闘いをしている中で、もったいない失点が続いてしまった。僕自身、セットプレーが課題だった」と責任を感じて下を向いた。

浦和は72分に梅崎選手に替えて武藤雄樹選手、87分には那須大亮選手に替えて鈴木啓太選手を投入するもG大阪の壁を破ることは出来なかった。終了間際には高い位置でパトリック選手にボールを奪われてしまい、パトリック選手が放ったドリブルシュートを西川周作選手がなんとか防ぐもこぼれ球をパトリック選手に押し込まれて0-2とされて試合終了。課題の多い敗戦となってしまった。

今日のワンポイント!!

ゴールに向かう姿勢がなかなか見られない中で、ひとりオーラを放っていたのは、関根選手であった。「上手くいかない時間帯を焦れずにやれていた。焦りは無かった。パスでなかなか崩せなかったから、ドリブルで積極的にやって行こうと思った。でも、最後の精度が今一つだった。中の動きを見て合わせられれば・・・」と関根選手は課題を口にした。

だが、DFの裏への飛び出しや、ドリブルで仕掛けるなど苦しい状況の中でも必死に闘っていた。関根選手は「自分がやらないと!!自分が試合を決めてやる!!という意識があった」と話していた。その思いがピッチの中で爆発していた。勇気を持って、強い気持ちでゴールに向かう姿勢が、大事だと感じさせてくれた。

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