浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】気迫のキャプテン阿部、満身創痍の中ゴールを決めた興梠。強い気持ちで開幕戦を勝利!Jリーグファーストステージ第1節 湘南ベルマーレ戦<興梠、高木、武藤、那須、宇賀神コメントあり>(2015/3/8)

今日のワンポイント「気迫のキャプテンがチームを引っ張る」

1ゴール1アシストをした宇賀神選手の活躍は褒めたい。だが、宇賀神選手が「1失点して、やべなぁ~と思った。チームとして流れが悪く、勝負所で点が獲れていなかった。やばいと思ったが、絶対に勝つ!とピッチの中で阿部ちゃんの気迫が伝わって来た。阿部ちゃん、気合が入っていて、普段はプレーで引っ張るタイプだが、『球際!』『セカンド!』と怒鳴り散らしていた。阿部ちゃんの顔が凄かった」と話すほど、阿部勇樹選手の勝利への気迫が、チーム全員を牽引する大きな要素となった。

満身創痍で闘った興梠が値千金の同点ゴールを決める

真冬に逆戻りしたように凍てつく寒さとなったJリーグ開幕・湘南戦。北風も強く、気温7.9℃で途中から雨も降り出しが、寒さを吹き飛ばす浦和の初勝利となった。

試合開始前、湘南のメンバー紹介で元浦和の坪井慶介選手と山田直輝選手の名前がスタジアムに響くと、浦和のファン・サポーターからは温かい拍手が巻き起こった。公式戦3連敗中と厳しい状況下におかれた浦和は、ハードスケジュールの疲労を考慮して、前日の練習を室内調整に切り替えた柏木陽介選手、李忠成選手、ズラタン選手はベンチ外となり、興梠慎三選手のワントップに武藤雄樹選手と石原直樹選手の2シャドウで始まった。

前半、風下にまわった浦和は、立ち上がりに武藤選手の折り返しを興梠選手がニアーで合わせようとするも決まらず、風と湘南の縦に早い攻撃で劣勢に立たされてしまった。24分には縦に早い攻撃から数的優位を作られ、大槻周平選手の決定的なシュートをゴール前で槙野智章選手が身体を張ってクリ―アーし難を逃れた。しかし、34分に古林将太選手のアーリークロスをペナルティーエリア内で受けようとした大槻選手を森脇良太選手が、ホールディングしてしまいPKを与えてしまった。(今シーズンからホールディングに対してのジャッジが厳しくなっている)PKを遠藤航選手が、冷静に決めて0-1。

1失点をしたものの、浦和は慌てずにボールポゼションしながら同点のチャンスを覗っていた。そして、41分宇賀神友弥選手のFKを興梠選手が頭で合わせて同点とし、1-1で前半を折り返した。

同点ゴールを決めた興梠選手は「前半、湘南の方が勢いがあって、ロングボールが多くなってしまった。体調が良ければ、身体を付けてキープ出来たが、体調がちょっと・・・。後半は、スペースがあったからもっとやれた感じがした。新加入の選手がやってくれるのは、進化した所だと思う。みんな、自信がついた」と試合を振り返った。

「とにかく、身体が痛い。実は、試合に入る前から鞭打ちで・・・。ブリスベン戦でやっちゃたみたい。首から肩にかけて痛いんだ。ブリスベン後、2日ぐらいで疲労が来て、リバウンドした。でも、ズラタンもチュン君もいないから、やれるところまでやろうと思った。ゴールを決めた時に、相手のGKが後ろから来て頭をぶつけ、その勢いで前かがみになったところに相手DFが来て、鼻をぶつけた。鼻血は出て無いが、陥没している」と右の鼻の脇を気にしていた。良く見ると指先で押したように興梠選手の鼻の右側は、凹んでいた。

宇賀神、那須のゴールで勝ち越し

その興梠選手に代わって後半は、高木俊幸選手が入り、石原選手のワントップになった。後半は、湘南の運動量も落ち、中盤にスペースが出来始めると浦和は、武藤選手と高木選手のシャドーにボールが入り、攻撃のリズムが生まれた。54分には、石原選手のポストプレーから高木選手が、ゴールを狙うも枠を捉えることが出来なかった。58分の高木選手のFKはクロスバーに直撃。

高木選手は「後半からだったが、ゲームの入りは良かった。周りも行け、行けと言ってくれたし、同点だったからモチベーションも上がった。FKの感触は良かったんだけどなぁ。スペースもあって仕掛けも生きた。フリーでボールを受けた時に前向きにドリブルが出来た。自分の得点は無かったが、勝利に貢献出来たと思う」と笑みが零れた。

75分には、森脇選手が左へグラウンダーのパスを送ると、武藤選手がスルーし、走り込んで来た宇賀神選手が豪快シュートを放ち逆転ゴールを決めた。

武藤選手は「後半、相手の運動量が落ちたときに、しっかりと点が獲れた。前半は、我慢だった。ウガさんが、スルーって叫んだし、モリさんもスルーって言っていたからウガさんに任せた。ウガさん、さすがです」と同点ゴールを決めた宇賀神選手を絶賛した。

続く77分には、青木拓矢選手のクロスをファーサイドで那須選手が上手く合わせて3-1と湘南を突き離した。

那須選手は「今日の開幕戦は、いろんな意味で大事であった。結果が全てだし、勝利出来て良かった。今まで、内容は悪く無かったからこの状況を楽しんで、成長しようって円陣を組んだ時に言っていた。ショートカウンターが出来ていたし、サイドに展開した時に、上がれば中の枚数が増えて合わせられると思った。青木がファーの動き出しを見てくれていた。阿部ちゃんと青が良いバランスで守ってくれていたから上がれた」と話した。

86分には、武藤選手に代えて加賀健一選手を入れて守備を固めて、3-1とJリーグ開幕戦を白星で飾った。

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