浦和フットボール通信

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ハイライト動画付き【河合貴子の試合レビュー】西川「無失点に拘っていたのに悔しい」勝って兜の緒を締めろ!2015Jリーグ1stステージ第7節vs名古屋<柏木、西川、森脇、関根、ズラタンコメントあり>(2015/4/26)

今日のワンポイント!

完封勝利目前の失点は、本当にもったいない失点だった。勝利したが、最後の失点に選手は悔しがり、ミシャ監督は怒った。

ミシャ監督は「最後の失点は、非常に怒りを感じる。昨シーズンの終盤に、G大阪、鳥栖、名古屋にも失点している。終盤における失点でリーグ優勝を逃している」と怒りを露わにした。

柏木陽介選手も「最後の失点以外は、良かったのに!」と悔しがり、西川選手も「悔しい。あんな悔しいことはない。無失点に拘っていたのに・・・。最後、DFラインが下がり気味になってしまった。1歩、2歩でもラインを上げれば違っていた。大ちゃんとマキをどっしりと真ん中に置いていても良かった。この失点を活かしていく」と話した。

勝利はしたが、誰もが納得出来るものでは無かった。「勝って、兜の緒を締めろ!!」スタジアムをあとにした選手たちの表情から、そんな思いが伝わって来た。

終盤失点の課題を残して名古屋を下す

ACLグループリーグ敗退を喫したが、リーグ戦では開幕戦から4勝2分けと好調を維持する浦和は、システムを変えて復活の兆しが見え始めた名古屋をホーム埼玉スタジアムに迎えた。穏やかな春の陽気に包まれた4月25日。2-1と逆転勝利を収めた横浜FM戦と同じスターティングイレブンが、西日が差し込むピッチへと送り込まれた。

浦和と同じシステムを採用した名古屋だが、浦和がクオリティーの質の高さを見せ付けた。試合後の記者会見で西野監督は「内容的に点差以上を感じた。システムがオートマチックに取れる差だと思う。浦和は、アクションを自分たちで起こして、攻守が機能していた」と言葉を噛みしめるように、ゆっくりと話した。試合終了間際に失点を許したが、2-1で名古屋を下し首位をキープした。

立ち上がりからレッズペース

名古屋の西野監督が語ったように、試合の立ち上がりから浦和のペースであった。5分、相手DFのこぼれ球を拾った槙野智章選手がファーストシュートを放つと、ズラタン選手から武藤雄樹選手が左サイドでパスを受けてクロスを上げたり、15分には梅崎司選手がドリブルで切れ込みシュートと積極的にゴールを狙う構えをみせた。浦和の攻撃に対し、名古屋は両ワイドが下がり5DFとし、ブロックを形成し守備を固めてカウンターを狙ってきた。

柏木陽介選手は「ゲームの入り方も良かった。名古屋はカウンターを狙っていた。浦和が得意な縦パスやコンビネーションも上手くいっていた。距離間も上手くいっていた。欲を言えば、もっとチャンスで点が獲れた状態だった」と話した。チャンスを作り続ける浦和であったが、ゴール前のタイミングやシュートの精度などでなかなかチャンスを活かすことが出来なかった。

18分、ダニルソン選手からのカウンターのパスに小川佳純選手が抜け出そうとするも、森脇良太選手が何とかクリア。森脇選手は「名古屋は、最近3DFで浦和に似ているシステムだが、浦和には3DFのプライドがある。負ける訳には、いかなかった。個のバトルだと思っていた。相手よりも走れば良いと意識していた。自分たちが攻めている時のリスクマネジメントが出来ていた」と話したが、小川選手とのバトルシーンを振り返り「最初は余裕だと思っていたら、横を見たら小川がいて・・・。ヨーイドンだった。あそこで抜かれたら、大ピンチになっていたかもしれない。なんとか、ボールに触れた」と冷や汗をかいていた。

西川「以前にも名古屋戦で頭を打ったことがあった」

名古屋がゴールを決めるとしたら、セットプレーかカウンターしかないと思われるほど、浦和は攻守の切り替えも早く、非常に全体のバランスも良く安定していた。28分には、ノバコビッチ選手のパスを川又堅碁選手がDFの裏に抜け出しゴールが決まったかと思いきや、オフサイドの判定。浦和のDF陣は非常に落ち着いていた。良いリズムのゲームの流れの中で、西川周作選手が矢田旭選手の左CKをキャッチングした際に、相手と接触して後頭部を打撲し場内は騒然とした。すぐに、大谷幸輝選手が準備を始めたが、ゆっくりと時間を掛けて西川選手は立ち上がった。

西川選手は「頭だったし、以前に名古屋戦で頭を打ったことがあった。その時よりは、痛くなかった。落ち着くまでは・・・って感じでゆっくり時間を使いました」と照れ笑い。

関根「落ち着いて決められた」

浦和は39分、ズラタン選手のクロスを関根貴大選手がヘディングで狙うも、闘莉王選手がクリア。しかし幸運にもクリアーボールが関根選手の目の前にこぼれ、落ち着いて相手DFの隙間を突いたドリブルシュートが決まった。

先制点を叩き出した関根選手は「20歳の最初の試合で決められて良かった。ちょうど、梅さんとポジションチェンジしていたんです。自分の前にこぼれて来たし、運が良かった。トゥー(闘莉王)さんを上手く交わして、密集していたが、リズムよくドリブル出来た。落ち着いてましたよね」と自画自賛していたが、前半終了間際のチャンスに決め切れず「ウガくんから貰ったボール・・・。ドフリー過ぎた。あそこで2点目が獲れていたら・・・」と悔しがった。

名古屋には、1本もシュートを打たさず、浦和は1点をリードして前半を折り返した。

武藤「狙い通りの形での得点だった」

1点を追い掛ける名古屋は、後半の最初から小屋松知哉選手を起用して、前線の活性化をはかるもリズムが変えられず、浦和から主導権を奪うことが出来なかった。だが、鋭いカウンターは健在であった。51分、カウンター攻撃で抜けだした小屋松選手へのパスを西川選手が勇気ある飛び出しでクリア。守備範囲の広さを見せ付けた。

西川選手は「ボールと相手の縦関係が難しく、一瞬迷い、下がりかけたが、行く!と判断で出た。余計なことを考えなくてよかった。中途半端で判断が遅れたら、相手を倒していたかも知れない。自分を信じた」と自信たっぷりに笑った。ピンチの後には、チャンスがやって来る。52分、関根選手が起点となって、ズラタン選手へとパスが通ると、ズラタン選手が右のバイタルエリアに走り込んだ梅崎選手へ、梅崎選手のクロスをニアーで阿部勇樹選手が逸らすと、中央で待ち構えていた武藤選手のシュートが決まり2-0と名古屋を突き離した。

ズラタン選手は「勝利して良かった。前半はチャンスを作る意味で難しかった。後半は、やり易くなると予想していた。得点は2ゴールだが、もっと決めることが出来た筈だ。武藤のゴールは、練習で自分たちがやっている理想通りだった」と話した。

武藤選手は「阿部ちゃんが、俺のアシストだって言っていたが、ウメちゃんだよね。狙い通りの得点だった。先制すれば、スペースが出来るから自分たちのペースだった」と話し、ニアで阿部選手がクロスのコースを変えたのは目に入っていなかったようだ。ただ、しっかりと合わせた見事な武藤選手のゴールであった。

2失点した名古屋は、前線に永井選手を上げてツゥートップにするものの、浦和は攻撃の手を緩めなかった。69分には、疲れが見え始めた梅崎選手に代えて李忠成選手を投入。72分には宇賀神選手のクロスをファーサイドで李選手がオーバーヘッドで狙うも追加点を奪えなかった。このまま試合が終了かと思われた90+3分、ゴール前の混戦から永井選手の折り返しを途中出場の田中輝希選手に押し込まれ2-1とされて試合終了。名古屋に勝利したものの、最後の失点で後味の悪い試合となってしまった。

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