浦和フットボール通信

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ハイライト動画付き【河合貴子の試合レビュー】「万全のFC東京対策で首位攻防戦を完勝!11戦負けなし」Jリーグ1stステージ第12節vsFC東京<阿部、李、興梠、宇賀神、関根、槙野、武藤、西川、那須、梅崎コメントあり>(2015/5/17)

今日のポイント!!「トレーニングの成果」

試合の入り方も良かった。流れの中からの得点も良かった。相手のフォーメーションが変わっても対応出来た。宇賀神選手が「FC東京は試合の中でころころシステムをチェンジする。5分刻みでシステムを変えて来る情報があった。嵌らなくなったら、焦らずに嵌めて行こうと思った」と話していた。練習のミニゲームでもシステムチェンジの対応策にも取り組んでいた。また、通常の練習のCKは高木選手が蹴っていたが、太田選手の左足を想定して、CKは橋本和選手が蹴っていた。精度が高い太田選手からのクロスで決められた1失点は、太田選手をフリーにしてしまった反省点はあるが、セットプレーからの失点が無かったことは、勝利を引き寄せた要因のひとつでもある。

阿部選手が「トレーニングでやってきたことが改めて確認出来た。試合に向けての準備が、どれだけ大事であるか!?」と練習の大切さを口にした。全てにおいて、練習が活かされた勝利であった。

FC東京の追撃許さず、リーグ戦11試合無敗

ACLの日程の影響で1試合少ない状況でも首位に立つ浦和は、勝ち点1差で2位に付けるFC東京をホームに迎えた。浦和にとってホーム埼玉スタジアムでのFC東京戦は、2004年から10戦負けなしと相性が良い。

浦和は、首位固めをするために、仙台戦での4失点を教訓に、攻守に渡り切り替えを早く、DFラインを高く、攻撃のバリエーションを増やしてFC東京戦に向けてあらゆる準備をして来た。

そして迎えた5月16日、完売となったアウェー席は赤と青の軍団に埋め尽くされていた。試合開始早々から主導権を握った浦和は、5分には縦パスを受けた興梠慎三選手が攻撃の起点となり、宇賀神友弥選手の相手GKとDFの間の絶妙なクロスに李忠成選手が飛び込み、浦和が先制!先制ゴールを決めた李選手は、弓矢を放つパフォーマンスで自らのゴールを祝福した。

先制点は李忠成「やっとゴールが獲れました」

李選手は「やっとゴールが獲れました。練習中からプレーもずっと良かった。『り ただなり』が戻って来た感じがした。弓矢のポーズは、自分は射手座なんでね」と照れ笑いをしていた。

先制点が決まっても浦和は、小気味の良いパス回しからゴールを狙っていった。11分、武藤雄樹選手が相手のパスミスを奪いドリブルで仕掛けてフリーの興梠選手へ、興梠選手のシュートは権田修一選手に阻まれてしまった。その興梠選手が相手選手と接触し顔面を押さえて倒れ込んでしまった。「良く分からなかったけど・・・。相手のスパイクが顔に入った」と興梠選手は鼻の左側を気にしていた。「結果として内容もパーフェクト!自分はまだまだ・・・。体力が戻って来ない感じだった。復帰戦は、無理しないで後半の15分ぐらいまでと監督と話していた。真ん中から崩せれば、サイドが空くし、自分の所でボールが収められれば、攻撃のスイッチが入る。パスを出した後に、ゴール前に絡めれれば良かった。中に入りきれない体力の限界を感じた。今日の自分は30点だ」と話し「怪我が多くなってきて、治ったと思ったら、違う場所を傷める。右足の骨折は問題ない。左足の中指は、脱臼だったけど、試合中はアドレナリンが出て痛みは感じなかった。問題は、体力面が心配。鹿島戦までには、良い状態にする」と体力面を課題に上げていた。

浦和の先制で、FC東京のゲームプランが狂った。中盤はダイヤモンドのシステムであったが、浦和の縦パスを封じるために、ダブルボランチとして4-4-2の中盤をボックスの形に変えてきた。すると試合の流れはFC東京へと傾いた。FC東京に押し込まれながらも、浦和はDFラインがズルズル下がらずに高い位置をキープして球際に激しい守備でFC東京にシュートチャンスを与えず追加点のチャンスを狙っていた。

貴重な追加点。宇賀神「練習通りだった」

そして42分、阿部勇樹選手の縦パスが興梠選手に入ると、先制点と同じ様に興梠選手が攻撃の起点となって左の宇賀神選手へ、宇賀神選手はファーサイドを狙ってクロスを上げると走り込んで来た関根貴大選手が冷静にゴールへと流し込んだ。

2アシストを決めた宇賀神選手は「練習通りだった。2点ともゴールに至るまでの過程が素晴らしかった。最後の所の精度が良ければ、簡単に点は取れる。1本目は、GKとDFの間に入れる意識で、チュン君も慎三君も走って来ると思っていた。2本目は、最初は自分がシュートを撃つイメージだったが、相手に追い付かれたので、シュートを撃つ振りをして、クロスを上げた。前線の3人がニアーに入ってくれたので、関根がファーに走ってくるイメージだった。チュン君もDFを釣るからファーに出してくれって感じで動いていた。これぞ浦和レッズと言うゴールだった」と嬉しそうに話した。

ゴールを決めた関根選手は「ウガさんが、ボールを受けた瞬間にファーを狙った。前線3人がDFを釣ってくれたから・・・。フリー過ぎて、トラップしていたら、あのゴールは無かった。枠に飛ばすことで、ゴールは生まれる」と照れながら話した。

前半、FC東京が放ったシュートは太田宏介選手の左CKを武藤嘉紀選手が頭で合わせたシュートのみ、1本であった。浦和は、FC東京に決定的なチャンスを作らせず、2-0で前半を折り返した。

武藤「チャントは最高だった。今日はやってやろうと思っていた」

浦和は前半の良い流れをそのまま後半へと持ち込んでいった。槙野智章選手は「2-0で折り返したが、後半の立ち上がりも0-0のつもりで行こうって言っていた」と後半の立ち上がりからも積極的に仕掛けていった。

「自分のチャントは最高だった。アップの時から歌ってもらって、今日はやって遣ろうと思っていた」と話した武藤選手が、3点目を決めた。47分、左のサイドの流れた柏木陽介選手の縦パスを受けた関根選手がエリアの中に折り返すと、走り込んで来た武藤選手が綺麗に合わせたゴールであった。

反撃を試みるFC東京は、59分レッズユース育ちの林容平選手に変えて、ベテランの前田遼一選手をピッチに送り込んで来た。FC東京は、激しいボディーコンタクトプレーで選手が熱くなるシーンがあった。64分には、カニーニ選手と興梠選手が小競り合いになってしまい、カニーニ選手にイエローカードが出された。

興梠選手は「俺にイエロー出ると思った。蹴ってしまったのは、悪質なプレーだったし、謝りたいと思う。そのあと、お互いに熱くなってしまった。いろんな面で闘っていた。逃げるよりも勝ちたいと思った」と試合後は冷静になり反省していた。試合が荒れそうな雰囲気になりかけたが、両チーム共に冷静さを取り戻した。

小競り合いがあった直後の65分には、興梠選手に代えて梅崎司選手を、68分には、疲れが見え始めた森脇良太選手に代えて青木拓矢選手を投入した。

失点に対して、西川「勝ったけど満足できない」

74分、試合前から警戒していた太田選手のピーポイントクロスを前田選手が合わせて、3-1とされたが、西川周作選手は「3-1になってもズルズルとDFラインが退かず良かった。高いDFラインだと守り易いし、みんながタイトな守備をしてくれた。仙台戦の悔しさが、大きかった。失点しても慌てない準備が出来ていた」と話し、「太田のクロスは、点で合わせられたゴールだった。勝ったけど、満足出来ない」と悔しそうだった。

那須大亮選手は「チーム全員が意識して、ハードワークで球際で負けず、攻守のバランスを考えて出来た。マキ、モリ、僕とボランチで相手のカウンターの目を摘めた。無失点に拘りたかったけど、ちょっとしたところをつめていかないといけない」と話していたが、「今週の練習でやってきたことが、そのまま出た試合だった。チームとして纏まりのある試合だった」とチームとして一丸の勝利に嬉しそうであった。

FC東京に1点返されたが、その2分後に梅崎選手が高い位置でインターセプトしてドリブルで切れ込みシュート!4-1とFC東京を突き離した。

梅崎選手は「リラックスしてシュートが撃てた。練習した甲斐が出せた」と笑ったが、「失点したシーンの太田のクロスは、僕が頑張ってプレスバックすればよかったんだ。判断ミスだった」と下を向いた。
試合は、4-1でFC東京の追撃を許さずに、しっかりと首位をキープした。

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