浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付き>【河合貴子の大原なう】初先発の岡本「森脇さんがいないから、負けたとか言われるのが嫌だった。」Jリーグ1stステージ第15節vs清水エスパルス<岡本、李、柏木、興梠、青木、阿部コメントあり>(2015/6/8)

今日のポイント!「初先発で勝利に貢献、岡本拓也選手」

もちろん、チームを勝利に導いた興梠慎三選手の値千金のゴールは、素晴らしいものであった。相手DFがいる中でこぼれ球を拾い、難しい体勢から良くゴールを決めたと思う。
しかし、ACLブリスベン戦(5月5日アゥエー)に初スタメンで起用され、清水戦で公式戦出場が2試合目である岡本拓也選手だ。

「森脇さんがいないから、負けたとか言われるのが嫌だった。この場面で監督が使ってくれた。監督のためにも勝ちたかった」と岡本選手は話した。試合勘の問題がある中、持ち味である対人の強さや危機察知で守備面においてチームに良く貢献していたと思う。

岡本選手と対峙する清水の左サイドには長身のミッチェル・デューク選手が厄介な存在でいた。関根貴大選手とミッチェル・デューク選手の身長差は10㎝もあった。関根選手は身長さを物とも言わずに果敢に競り、プレーを遅らせるファーストディフェンスをし、セカンドディフェンスを岡本選手が行く連動が良かった。

岡本選手は嬉しそうに「関根が頑張ってくれました」と話していたが、本当に2人とも良く頑張って守備をしていた。やはり、浦和ユース出身の選手の活躍は嬉しいものがある。今日のポイントとして、相手のストロングポイントであるミッチェル・デューク選手の左サイドを押さえたことをあげたい。

清水を下し王手!

コンディション的にハンディがあった。ナビスコカップ敗退をしている清水は水曜日に試合がなく、浦和はACL出場した関係で水曜日に未消化の柏戦を闘った。そのハンディをものともせずに厳しい試合内容であったが、浦和は清水を1-0で下し、夕闇に包まれた埼玉スタジアムに「WE ARE DIAMONDS」の歓喜の歌声が響き渡っていた。

6月7日、16時キックオフで行なわれた清水戦は、G大阪が神戸に敗れれば浦和のファーストステージが決まる。だが、選手たちは浮足立つことなく、とにかく目の前の清水に勝つことしか考えていなかった。

森脇に代わり岡本がスリーバックに「緊張しました」

浦和は、左ハムストリングに違和感があり離脱した森脇良太選手に代わり、岡本拓也選手をリーグ戦に初先発で起用。岡本選手は「緊張しました。右も久しぶりだった。最初から上手くいかないと思っていたが、焦りはなかった。試合前に監督から、清水の選手は良い選手だけど、うちの練習でやっているズラタンや慎三の方が良い。毎日練習でやっているんだから大丈夫って言われた」と自信を持ってピッチに立っていた。

清水のキックオフで始まった試合は、立ち上がりに李忠成選手が起点となり武藤雄樹選手の折り返しに興梠慎三選手に僅かに合わなかったが、ゴールに向かう積極的な姿勢を見せた。10分には、阿部勇樹選手から鋭い縦パスが李選手へ入るもタイミングがこちらも僅かに合わず清水のDF陣に潰された。12分には武藤選手がドリブルで切れ込みゴール中央の李選手へ、李選手は決定的なシーンを作るも決めることが出来ずにいた。

李選手は「ゲームの入りは良かったけど・・・。ゴールが獲れない。それが、結果だ。2週間試合が空くから修正したい」と決定機を生かせなかった悔しさを噛みしめていた。清水は、浦和の攻撃を警戒して両ワイドの選手が下がり5DFを形成しながら高いDFラインを保っていた。その高いDFラインの裏を浦和が狙う動きもあったが、ラストパスやシュート精度を欠いてしまった。

序盤は清水優勢。ミシャ「疲労からなのか、ラストパスの精度に欠けた」

ミシャ監督は「立ち上がりから、相手に余裕を与えずに前からプレスを掛けて時間とスペースを与えなかった。だが、疲労からなのか?ラストパスの精度に欠けたところがあった」と厳しい表情で話した。清水の守備の意識は、コンパクトな5DFだけでなく、浦和のCKの時には、全員が自陣に戻りゾーンで守る徹底した構えをみせていた。大榎監督は「浦和は、優勝が掛かったゲームで、14戦負けなし!自分たちは土を付けるつもりで闘った。前半は、浦和の良さを消す狙い通りの闘いが出来た。ただ、イージーなミスでボールロストが多かった」と試合を振り返っていた。イージーなミスは浦和にも生まれた。23分、西川周作選手からのビルドアップが浦和の自陣でピーター・ウタカ選手に渡りピンチを招くも、那須大亮選手が危険を察知して阻止するシーンもあった。前半はお互いの良さを消し合うゲーム展開となり、浦和が放ったシュートは2本、清水が放ったシュートは3本であった。

柏木「工夫が足りなかった」

柏木陽介選手は「相手がプレスに来ていたが、空いているところもあった。当てて、落として3人目の動きが出来れば良かった。工夫が足りなかった。相手のDFラインの裏を狙ったのが何本かあったが・・・。呼吸があってくればチャンスは出来る。前半は我慢だった」と話した。

興梠選手は「自分がやるプレーが読まれていて、ボールが収まらず、自分のところが大事だと思った。もっとシャドーがGKとDFラインの間に顔を出すとか出来れば良かった。相手のDFラインは高かったけど、柏戦でロングボールばかりだったから、その教訓を生かして止めようって言っていた」と繋ぐ意識をしていたが、後ろからのビルドアップも逆サイドに大きく展開するなど中と外の使い分けなど思うような攻撃の組み立てが出来なかった。前半を0-0で折り返すこととなった。

興梠が先制点「簡単なシュートを外して、難しいシュートが決まった」

後半、ミシャ監督は「相手に走り負けないこと。相手の一瞬の隙を見逃さないように」と選手をピッチに送り出した。一方、大榎監督は「相手の楔のパスに対してしっかり対応すること。思い切って、ボールにドンドン絡んで行こう」と指示を出していた。

後半、開始早々ゴールを狙って来たのは清水であった。ピーター・ウタカ選手の落としを大前元紀選手がシュートを放つも枠を捉えることが出来ず、石毛秀樹選手のヒールパスを受けたミッチェル・デューク選手がゴールを狙うが西川選手が冷静にキャッチング。立て続けに清水にゴールを脅かされたが、浦和の選手たちは落ち着いていた。

52分、興梠選手がエリア内に駆け上がって来た柏木選手にパスを送るが、相手DFがクリアー。そのこぼれ球を興梠選手が拾って、冷静にDFをかわして身体を反転させながら左足を豪快に振り抜いたシュートが決まり、浦和に待望の先制点が生まれた。

興梠選手は「右足でシュートを撃とうと思っていたら、相手のDFが2~3枚いて、1人がスライディングして来たから切り返した。ファーストタッチが後ろ目になってDFの間の2人が見えた。狙いは、陽介にあてて、チュンにスルーパス出して、チュンが撃つイメージだった」とまさか自分の所にボールが零れて来るとは思っていなかったようだ。少し照れ臭さそうに「簡単なシュートを外して、難しいシュートが決まった」と話していた。

柏木選手は「慎三からのパスのファーストタッチは良かったけど、チュン君にパスが出せたら良かったが、上手く慎三に零れてくれた」と安堵の表情を浮かべながら「自分が前に飛び出すことが出来たからね。リスクはあるけれども前に顔を出すことが大事だった」と話した。

柏木「腰痛は、酷い訳ではない」

追加点が欲しい浦和は、畳み掛ける様に攻撃を仕掛けていったが、55分の関根選手からの折り返しの李選手のシュートは又しても枠を捉えることが出来なかった。清水は水谷選手に代えて金子選手を投入。流れを引き寄せようと試みた。清水に流れが行きかけた時に、浦和は腰の痛みを訴えた柏木選手に代わって青木拓矢選手を投入。

柏木選手は「腰痛は、酷い訳ではないけど。あと15分ぐらいは出来たと思う。誰が出ても変わらないし、俺がやっているよりも違う奴がやった方が良いと思ったから・・・。ベンチで見ている方が、恐かった。清水のCKの時とか、びくびくしていた。負けたくないね。年間優勝を獲りたいし、今は負ける気はしない。ピッチで危ないなぁって思う試合は、集中してやりきれている」と腰痛は大丈夫そうだが、ベンチに下がってからは試合の成り行きをドキドキしながら見守っていたようだ。

代わって入った青木拓矢選手は「相手がセカンドを拾って来たし、自分のポジションで枚数が多く数的優位を作られてしまった。最後、相手が蹴って来たが、ゼロで押さえられたとは大きかった」とホッとしていた。

61分には武藤選手がドリブルで持ち込みアーリークロスを上げるが、興梠選手のヘディングシュートは決まらず、65分、宇賀神選手のFKのこぼれ球を拾った武藤選手が切り替えしからゴール前に送るも興梠選手のシュートはGKの正面。追加点を上げることが出来ずにいた。66分には、李選手に代えて梅崎司選手を投入。その直後、ゴール前の混戦から大前選手にシュートを撃たれるが、那須選手を中心としたDF陣が踏ん張りゴールを死守した。

浦和らしい攻撃が見られたのは、72分であった。宇賀神選手から退き気味に下りて来た興梠選手へパスが渡ると、逆サイドの梅崎選手へ。梅崎選手がドリブルで切れ込んで行くとフリーランニングで上がって来た阿部選手へ。阿部選手のシュートは、櫛引選手の好セーブに遭い、惜しくもゴールを決めることが出来なかった。

そして76分、守備で身体を張っていた岡本選手の足が釣り、鈴木啓太選手と交代。岡本選手は「自分にとっては、特別な場所。もっと、もっと、ピッチに立っていたかった」残念そうに話していた。何とか同点にしたい清水は、長身のミッチェル・デューク選手を左のワイドからトップにポジションを変えて、大前選手に代え高木善朗選手、枝村匠馬選手に代え北川航也選手を投入し反撃を試みるが、時既に遅し!5月2日のG大阪戦以来の6試合ぶりの無失点で勝利を収め、無敗記録更新とともにファーストステージ優勝に大きく近付いた。

阿部がJ1通算450試合出場を勝利で飾る

清水戦でJ1通算450試合出場を果たした阿部選手は「450だぁ~。勝って良かった。何勝何敗なのかなぁ?誰か調べて欲しいなぁ。勝ち越してて欲しい」と嬉しそうに話し「周りに恵まれていた。監督が代わっても続けて遣れている。幸せ。一生懸命やらないとね」と感謝の気持ちをプレーで返して行く。

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