浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう番外編】レッズレディースリーグ再開に向けて調整を重ねる<吉田監督コメントあり>(2015/6/12)

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なでしこリーグ再開に向けて

梅雨入りして、じめじめと蒸し暑さを感じる6月11日。レッズランドには涼しげな爽やかな風が吹いていた。レッズレディースの選手たちは、ワールドカップで中断中のなでしこリーグ再開に向けて準備に余念がない。今回の日本女子代表メンバーに残念ながらレッズレディースの選手は、ひとりもいない。そんな、悔しさをぶつけるように、選手たちはひたすら走り汗をかいていた。

夕闇せまるレッズランドの照明塔に灯りがともり始めると、若手を中心にゴールを運んだり、ボールに空気を入れたり練習の準備が始まった。そして、各自が自分のリズムでランニングやストレッチを織り交ぜながらアップを行ない、吉田靖監督の「集まろう!」と言う掛け声で18時から練習が始まった。

まずはじめは4人一組となり、パス&ゴーを繰り返し、ヘディングやロングボールなどの基本練習を行なった。その後、緑ビブ(清家・乗松・猶本・和田・南)ビブなし赤1(吉良・柴田・臼井・岸川・高畑)ビブなし赤2(長野・白木・栗島・石井・千葉)青ビブ(ユース5選手)と4グループに分かれて、5vs5のミニゲームが行なわれた。

ちなみに、加藤千佳選手は教育実習で不在、長期離脱中の長船加奈選手は、ひとり別メニュー、後藤三知選手は部分合流であった。

ミニゲームは、最初は縦に細長いグリットを用いて2タッチ行なわれ、コーチ陣から「しっかりとボールを動かすこと!」と指示が飛んでいた。対戦相手を替えながら4本×5分を行なうと、チーム変えが行なわれて、グリットは横長に変わった。細長グリットでも縦長グリットでも攻守の切り替えが早く、選手たちは軽快な動きを見せていた。

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そして、サッカーコート1周を1分30秒で3周するランニングが行なわれ、コーチ陣からの時を刻む声がグランドに響き渡っていた。

ランニングが終わると、約10m×10mの正方形のグリットでミニゲームが始まった。やはりツゥータッチ制限があり、どんな形のグリットでも正確なトラップから判断良くパスを出すためにオフザボールの動きの質を求められながら、守備は狭い方に相手を追い込みパスコースを消す意識が見られた。練習中に水の補給はあるが、本当に補給のみで直ぐに走りだす。選手たちは、決して足を止めない。

正方形のミニゲームが終わると2度目の時間制限ランニングが始まった。さすがにここまでくると、最初のころとは違い足どりが重い選手が出て来てランニングにバラつきがあった。すっかり暗闇に包まれた静かなレッズランドに「頑張れ~!」と吉田監督の励ます声が、選手たちの息遣いとリンクしていた。

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これで練習が終了と思いきや、更にグリットがハーフコートの大きさになり、ゴールライン際の左右に小さいゴールを置き、もう一方のゴールラインには通常のゴールを置いて5vs5のミニゲームが行なわれた。選手たちは、疲れを感じさせない動きで攻守の切り替えが早く、テンポの良いパスからゴールに向かう姿勢を見せた。しかし、疲れなのか最初のミニゲームでは「フリー」「中空いた」などと指示の声が飛び交っていたが、だんだんと選手たちの声が聞こえなくなり、激しい息遣いだけが聞こえて来た。

そして最後は、時間制限ランニングが逆回りで行なわれて、約1時間40分の練習が終わり、各自でクールダウンを行なっていた。90分の試合時間にはハーフタイムがあるが、練習にはハーフタイムは無い。ほんの数秒の給水時間はあったが、選手たちはずっと走り続けていた。真夏に向かって闘う身体作りのために、かなり身体に負荷を掛けていた。

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吉田監督「ベースのところは、運動量だ」

練習後、吉田監督は「そういう時も必要でしょ」とニヤリと笑った。「この中断期間に、もう一回チームを作り直す。ベースのところは、運動量だ。走れないとダメだ。夏に向けてもあるが、チームを作り直しの一番のベースだからね。1つでも順位をあげて行きたいし、エキサイティングシリーズを優位に進めたい。昨シーズンのエキサイティングシリーズは3位から逆転優勝した。戦術的なことはこれからだけど、2タッチでどんどんボールを回すのは、今までもやってきた彼女たちの良いところだ。勝つためには、結び付けないといけない。今日は、しんどくて途中から声が出なくなったけどね。普段は、もっと声が出てるんだけどね。今回のワールドカップには、残念ながら1人もメンバーに入らなかったが、リオオリンピックもあるし、その先のワールドカップもある。この中から確実にメンバーに入れると思う。それだけのスキルはある」と話した。厳しさの中に、その先にあるものを考えている吉田監督の真の優しさを感じた。

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なでしこリーグは、第9節を終了した時点で約2カ月の中断期間に入った。第9節を終了し、浦和は3勝2分け4敗勝ち点11で5位につけている。エキサイティングシリーズを優位に闘うためには、少しでも順位を上にあげたい。彼女たちは、決して足を止めない!闘い、勝利を得るために、走り続ける!

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