浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー/レディース編】2015なでしこリーグ1部レギュラーシリーズ第11節 vsASエルフェン埼玉 (2015/7/18)

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ゴール前の精度が課題となったが、埼玉ダービーを勝利

台風11号の影響で降り続いた雨も止み、吹き付ける風が涼を運んでくれた。前節、ジェフ市原・千葉に0-1と惜敗した浦和レッズレディースは、7月17日金曜日(19:04kick off)NACK5スタジアムでASエルフェン埼玉と対戦した。

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第10節を終了した段階で、1勝2分け7敗と波に乗れず9位のAS埼玉を相手に取りこぼすわけにはいかない。浦和は、前節の千葉戦で後半から出場し試合の流れを変えた長野風花選手を初スタメンで起用。長身の岸川奈津希選手をボランチからセンターバックへとコンバートした。

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また、吉田監督は「平尾は前節の千葉戦のあとに、腰痛が酷くなり休ませた」と話し、代わって池田咲紀子選手がゴールを守った。浦和は、GK池田、DF和田、岸川、高畑、北川、MF柴田、長野、猶本、吉良、FW清家、後藤がスターティングイレブンを飾った。対するASエルフェン埼玉は、高橋沙織選手をワントップにして、2列目を3枚として4-2-3-1の布陣で挑んできた。

ASエルフェン埼玉のキックオフで始まった試合は、立ち上がりASエルフェン埼玉の球際激しいプレスから積極的に攻め込まれてしまった。しかし、浦和レッズレディースは、守備陣が踏ん張り、我慢強く闘いながら試合の主導権を握り始めた。

12分には、清家貴子選手が、北川ひかる選手のクロスに飛び込むが僅かに合わず、13分には、和田奈央子選手のアーリークロスをファーサイドでフリーで受けた猶本光選手がシュートを放つも枠を捉えることが出来ず、攻撃の形は作れているもののチャンスをものに出来ずにいた。

19分、ASエルフェン埼玉のファン・サポーターが歓声をあげた。高野紗希選手の左CKからゴール前の混戦の中でゴールを狙ったASエルフェン埼玉であったが、ゴール前のポジション取りでファールがあり、決まったかと思った先制点はノーゴールであった。

浦和レッズレディースは、千葉戦の敗戦を生かしてシンプルにボールを回して両サイドを上手く使って揺さぶりを掛けて行った。30分、DFの裏に飛び出した後藤三知選手のシュートは、GK船田麻友選手に冷静にキャッチされてしまった。32分、吉良千夏選手が起点となって左のバイタルエリアに斜めに走り込んだ清家選手の折り返しを長野選手がゴール右隅を狙うが、これも僅かに枠の外。再三迎えた決定的なチャンスを生かせずに時間だけが経過していった。

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そして、待望の先制点が決まったのは、37分だった。猶本選手から右サイドの和田奈央子選手へパスが通ると、和田選手は狙い澄ましたようにゴール前の吉良選手にアーリークロスを送り、吉良選手がヘディングシュートを叩き込むがGK船田選手のファインセーブにあってしまった。しかし、零れ球にいち早く清家選手が反応し、思い切り右足を振り抜き、ボールはゴールへと吸い込まれて行った。

その後も追加点を奪おうと積極的に攻め込むが、北川ひかる選手のミドルシュートがクロスバーに直撃するなどチャンスが生かせずに1-0で前半を折り返した。

浦和レッズレディースが前半に放ったシュートは10本、ASエルフェン埼玉は3本であった。浦和レッズレディースが、前半に2~3点ゴールを決めていてもおかしくない展開であった。

浦和レッズレディースに1点リードを許したASエルフェン埼玉は、堅い守備から縦に早い攻撃を仕掛けてきたが、浦和レッズレディースの連携の良い守備に苦戦を強いられていた。

ASエルフェン埼玉は、攻撃を活性化するために60分に中野里乃選手に代えて荻原愛海選手を投入。すると、その4分後に吉田靖監督も動いた。疲れが見えてきた長野選手に代えて臼井理恵選手を入れ、センターバックに臼井選手を起用し、岸川選手をボランチ上げて縦ラインの守備の強化を図った。

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攻守の切り替えが更に早くなった浦和レッズレディースは、69分に猶本選手が自陣からドリブルで駆け上がり、ゴール前の清家選手へ、清家選手はDFと競りながらもシュート!71分には和田選手の縦パスを受けた清家選手がゴール前に走り込んだ猶本選手へ、フリーで受けた猶本選手がシュート!しかし、いずれも枠を捉えることが出来なかった。

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すると、ASエルフェン埼玉の吉田弘監督が動き、高橋沙織選手に代えてスピードのある杉原遥波選手を投入してきた。すると、またその4分後に吉田靖監督が動き、吉良選手に代えて栗島朱里選手を入れ、清家選手のワントップにし後藤選手を左の2列目へ、猶本選手をトップ下に置き、栗島選手をボランチで起用して、完全にASエルフェン埼玉の布陣である4-2-3-1へとシステム変更をして対応した。

何とか1点を返したいASエルフェン埼玉は、77分に高野紗希選手に代えて下川沙織選手を投入して交代枠を使い切った。一進一退の攻防が続く中、試合終了間際の90分、薊理絵選手が左のバイタルエリアへドリブルで進入してクロスを上げると、サラ・グレゴリアス選手がDFと競りながらヘディングシュート!しかし、上手く合わすことが出来ずにシュートミスとなった。アディショナルタイムは2分。吉田監督は、最後に和田選手に代えて千葉望愛選手を入れて時間を使い、1-0と浦和レッズレディースが逃げ切りASエルフェン埼玉を下した。

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