浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】2015プレナスなでしこリーグ1部レギュラーシリーズ第15節 vs 岡山湯郷Belle(2015/9/14)

「浦和駒場デー」にレッズレディース、勝利の花を添える

一日中、浦和レッズの各年代別の試合が楽しめる「浦和駒場デー」が13日に開催された。浦和駒場スタジアムの歴史が分かる写真展をはじめ、午前9時キックオフで行なわれた浦和レッズJr(U-11)対三菱養和調布SC Jr(2-2)の試合を皮切りに、浦和レッズユース対ヴァンフォーレ甲府U-18(3-2)、浦和レッズJrユース対三菱養和(0-2)、浦和レッズレディースJrユース対ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ・アヴェニーレ(0-0)、浦和レッズJr(U-12)対三菱養和調布SCJr(5―0)戦が行われた。レッズレディースJrユースの試合では、レッズJrの男の子たちが、浦和のチャントを歌い続け、元気いっぱいの力強い声がレッズハートフルフィィールドに響き渡っていた。

そして、「浦和駒場デー」の締めくくりの試合に浦和レッズレディース対岡山湯郷Belle戦が行われた。13時キックオフで行なわれたジェフ市原・千葉対新潟レディース戦は、1-2で新潟が勝利を収めて暫定で5位に浮上した。そのため、浦和は暫定で6位に後退し、勝ち点2差で浦和を追いかける岡山湯郷とエキサイティングリーグ上位進出を掛けて、両チーム共に譲れない大一番の一戦となった。

試合開始4分、岡山のキープレーヤーである宮間あや選手が、中央から気迫の籠ったミドルシュートを挨拶代わりに撃ち、攻撃的な姿勢を見せて来た。しかし、浦和は全く慌てることもなく、落ち着いてゲームを支配して行った。

6分には、猶本光選手がFKを直接狙うふりから、グランダーでエリア内の柴田華絵選手へと相手の意表を突くサインプレーを見せた。9分、DFラインでの横パスを松岡実希選手に奪われてシュートまで持ち込まれるが、池田咲紀子選手がしっかりと押さえた。前半、岡山が放ったシュートは、6分の宮間選手のミドルと9分の松岡選手の2本だけであった。宮間選手が攻撃の起点になれないほど、浦和は攻守に渡り主導権を握っていたのだ。

前線から追い込みインターセプトすると、2列目の加藤千佳選手と柴田選手が上手くバランスを取りながら、中へとポジションを取り両サイドバックの乗松瑠華選手と臼井理恵選手がオーバーラップを掛けサイドから揺さぶりを掛け、猶本選手が見事なタイミングでボールを散らし外と中を上手く使いながら攻撃を組み立てて行った。守備面でもしっかりとしたリスクマネージメントをボランチの岸川奈津希選手とセンターバックの長船加奈選手と高畑志帆選手が取り、浦和の流れを断ち切ろうとポジションチェンジする宮間選手へボールが渡る前に岡山の攻撃の芽を摘み、セカンドボールの意識も高く持っていた。

31分、右のワイドのポジションから中央に流れた柴田選手が、岸川選手から縦パスを受けるとゴールに向かってドリブルで切れ込み、相手DFを2枚引き付けたところで、清家貴子選手へちょこんとパスを出すと、DFの裏へ抜け出した清家選手がGKの動きを冷静に見てゴール右隅へと流し込み浦和が先制!!

その後も、猶本選手がミドルシュートを放ったり、猶本選手のスルーパスに抜け出した清家選手がシュートを放ち、岡山ゴールへと襲いかかるが決定的なチャンスを生かすことが出来ず、前半を1-0で折り返した。

後半も立ち上がりから、攻守に渡り浦和の運動量が落ちることはなかった。パス&ゴーが徹底されており、オフザボールの動きも鋭いものがあった。立ち上がりから主導権を浦和に握られた岡山は、流れを引き寄せるために50分に葛間理代選手に代えて大久保舞選手を投入し、早めに打開策を打ち出して来た。しかし、波に乗る浦和のペースを変えることは出来なかった。浦和は追加点を狙い攻め続けた。

53分、猶本選手が直接狙ったFKは、福元美穂選手の好セーブに阻まれ惜しくも決まらず、69分にはDF2枚を交わした清家選手のドリブルシュートも枠を捉えることが出来なかった。追加点を奪えないまま時間だけが過ぎて行き、残り時間が約10分になったところで吉田靖監督が、満を持して加藤選手に代えて石井咲希選手を投入し、5DFで逃げ切る体勢をとった。すると、1点を追う岡山は、小林真規子選手に代え細川元代選手を投入しパワープレーで押し込んで来た。

浦和は、守備の意識が高く前に行く推進力が無くなったが、しっかりと堪え90+3分には柴田選手から栗島朱里選手を入れて時間を使い、手堅く虎の子の1点を守り切り1-0で岡山湯郷を征した。

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