浦和フットボール通信

MENU

河合貴子のレッズ魂ここにあり!「浦和の将であるのなら~ミハイロ・ペトロヴィッチ監督」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

TAK_3373

浦和を率いる将であるならば、ドンと構えて居て欲しい。

監督は、選手たちを育てながらチームを勝利に導くために戦略を立て、練習メニューや戦術を練られる豊富な知識と経験だけでなく、選手の持っている力を最大限に引き出すために選手とコミュニケーションを図るマネジメント能力にも優れていなければならない。

もちろん、プロである以上は、結果を求められる。浦和は、森孝慈氏が初代監督に就任して以降、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が19代目となる。成績不振によりシーズンの途中で監督が交代したこともあったし、ホルガー・オジェック氏のようにその手腕を買われて2度にわたりチームを率いた監督もいた。

それぞれの監督の個性があり、監督が変われば戦略も戦術も変わり、もちろん練習メニューも変わっていった。どの監督も浦和を勝利に導くために、監督としてのフィロソフィーを持っていたと思う。結果が出ずに志し半ばで、チームを後にした監督もいた。また、森氏や横山謙三氏のように立場を代えてチームを支えた時代もあった。

歴代監督の中で監督としてタイトルを手に入れることが出来たのは、ナビスコ杯で優勝したハンス・オフト氏と天皇杯を連覇に導き初のリーグ優勝を果たしたギド・ブッフバルト氏。そしてアジアチャンピオンの栄光にチームを輝かせたオジェック氏だけである。

しかし、長期政権を握ることは出来なかった。だが、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は浦和の中では一番長く監督を務めている。タイトルに手が届きそうで届かないジレンマを抱えて今シーズンで4年目となった。就任して4年目で1stステージ無敗優勝をチームにもたらしたミハイロ・ペトロヴィッチ監督だが、浦和を愛する人々にしたら、それはタイトルとは言い難いものである。

ミハイロ・ペトロヴィッチ監督もそのことを充分に理解している。2ndステージが始まった時にミハイロ・ペトロヴィッチ監督は「2位に入れば良いと言ったら、浦和の感じではない。2ndも優勝する。昨シーズンを上回ることが目標だ。毎年、優勝を目標に掲げて来て、出来ずに来ている。目標を現実に見て、闘うことだ。現実的に見られるチームになって来ている」と話した。

3試合を残し、勝ち点は昨シーズンよりも上回っているが、2ndステージは首位の広島とは勝ち点7差で6位と後退し、年間首位の座を得失点差で広島に明け渡してしまった。

浦和を愛する人々の願いは、勝ち点が上回ることでは決して無いのだ。2ndステージ優勝を諦めたとしても年間首位の座を譲りたくない思いが強い。

ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が浦和を率いてから、毎年のように繰り返されるリーグ終盤にかけての成績不振から『終盤の失速』と言う言葉が頭の中を駆け回る。『終盤の失速』が、まるで浦和の代名詞のようになってしまった。槙野智章選手は「失速の浦和を払拭するために、今年の闘うベースになっているものをG大阪戦で見せないといけない」と話して大阪へと乗り込んで行った。しかし、結果は『終盤の失速』に加速を掛けることとなってしまった。

浦和がリーグ終盤に失速する大きな要因は、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督にあるのではないかと思ってしまう。一番メンタル的に追い込まれているのは、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督ではないだろうか?!鳥栖戦に引き分けた時も「浦和の失速が始まったと書かれるとミシャが言っていたが、気にし過ぎだと思う」と選手たちの間から声が上がるほどだった。

G大阪戦の前日も練習が始まる前に15分の予定のミーティングが、異例と言えるほど約1時間に渡って行なわれていた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の置かれた立場を考えると、少々神経質になってしまうのは致し方ないと思う。

メンタル的に追い込まれると、逆風をバネにして「何くそ!」と火事場の馬鹿力で跳ね返せるタイプやピリピリと神経を逆立ててしまい周りが見えなくなるタイプ、萎縮して何も出来なくなるタイプなど様々である。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、良い意味でも悪い意味でも非常に人間味溢れる監督である。だが、残念なことに火事場の馬鹿力で逆風を跳ね返せるタイプで無いようにこの4シーズンの終盤の闘い方を見て思えてならない。浦和を率いる将であるならば、ドンと構えて居て欲しい。

孫子の兵法に「将たるものは、智・信・仁・勇・厳なり」と書かれている。将たるものは、状況を読む力の『智』、周囲の信頼を得られることが出来る『信』、人の心を捉えることが出来る思いやりの『仁』、勇気ある決断力の『勇』、威厳ある『厳』の5条件を満たすことだそうだ。紀元前513年の中国春秋時代に思想家の孫武によって書かれたものであるが、移ろう時の中でも大切なことは変わらないと思う。

さぁ~泣いても笑っても残り3試合。厳しい状況には変わりはないが、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督には『智・信・仁・勇・厳』全てを持って孫子の兵法に基づき、浦和を栄光へと導いてくれることを願う。真の浦和の将であるならば今年こそは、天下を獲る!

追記
10月18日は、ミシャ監督の58歳のお誕生日です。お誕生日おめでとうございます。ミシャ監督の今後のご活躍を祈って、敢えて孫子の兵法の言葉を引用させて頂きました。どうか、浦和が真の日本一に輝きますようにご武運をお祈り申し上げます。

 

Q.止血の基本はなんでしょうか?

A.基本は、圧迫です。直接圧迫法と間接圧迫法があります。顔などは、直接圧迫法で対処します。圧迫すれば、血は絶対に止まります。出血した箇所に綺麗なガーゼを当てますが、試合中の現場でガーゼが無い場合など綺麗なハンカチやタオルで圧迫します。ただし、動脈出血の場合は、圧迫だけでは出血が止まらないことがあります。動脈の付け根を縛り、血の流れを止めて止血する間接圧迫法で対処します。押さえ方を失敗すると血が溜まり鬱血(うっ血)してしまいますので気を付けましょう。基本は、清潔にして押さえて圧迫することです。血液の中には、血を固める作用の物質があります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

パートナーサイト

ページ先頭へ