浦和フットボール通信

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【無料記事/河合貴子の大原なう】レッズ退団を発表した鈴木啓太「僕の中で最重要事項は、今シーズンタイトルを獲ること」<鈴木選手、山道強化本部長コメントあり>(2015/10/21)

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今日のイチオシ!!「昨日、レッズ退団を発表した鈴木啓太選手」

昨シーズンの終盤から不整脈によりにコンディションに問題を抱えていた鈴木啓太選手が、浦和を退団することを昨夜、自身のフェイスブックで明らかにした。鈴木選手のことが気にならないと言ったらウソになる。鈴木選手は、普段と何も変わらず練習に取り組んでいたが、何か吹っ切れたような清々しさが感じられた。

一夜明けた21日、練習が終了すると鈴木選手は「自分が決断したことなので、自分の口から16年間お世話になったサポーターに伝えたかった」と話し、「16年間、このクラブでやって来て、体調の部分でトップコンディションで出来ず、今シーズン入る前から今年で最後という思いでやってきた。僕自身が発表させてもらったことが、今話せる全てだ。タイミングもあるが、残りリーグ3試合、チャンピオンシップ、天皇杯があるので集中するためにもこのタイミングで発表した。チームメイトには、その前に伝えた。このことでチームが変わることはない。タイトルを取らなきゃいけない。優勝出来るのであれば、サッカー出来なくなっても喜んでこの身体を差し出す」とタイトルに掛ける思いを口にした。

ただ、鈴木選手は「自分は、このクラブしか知らない。選手として離れることを決めなければいけない。非常に踏ん切りは、難しかった。身体が本当に・・・。レッズと言うクラブで闘うためには、100%じゃなきゃいけないクラブだ。レッズは、トップを争うチーム。アジアを闘うチームですので、トップコンディションで出来ないのは、チームのためにならない。レッズの選手として、闘うレベルではない。フィジカル的問題が、この決断だ。僕はこのクラブにいて、この姿勢でずっとやって来て、出来ないもどかしい中で難しいと思っていた。日々のトレーニングの中で、自分が感じていったもので、違うなぁ~って日々積み重なって来たことだ。選手としては、いろんな思いがある。聞き分けが良い選手ではない。悔しい気持ちはある。悔しい気持ちを受け入れて、チームが勝つために何が出来るかだと思う」と退団を決断した経緯を気持ちの整理が付いているのか、サバサバとした口調で話した。

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そして「感傷的な部分もあるが、個々との関係、浦和との関係は今まで積み重ねてきたものがある」と今まで一緒に闘ってきた仲間との深い絆があることを話した。「僕自身が、集中しないといけないことは、シーズンが終わるまでしっかりと闘う。今後のことは、その後に考えても充分に時間がある。僕の中で最重要事項は、今シーズンタイトルを獲ることであって、次の試合のFC東京戦をチームとしてしっかり闘うことだ。僕の将来ではない」と今後の去就については、シーズン終了まで考えずに残りの試合に向けて全力を傾ける姿勢を示した。

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山道強化本部長は「彼とは、昨年末にコンディションの問題があるが今年も頑張ろうと契約をした。彼がコメントした通り、自分のレベルが生かし切れないと悩んでいた。ミシャや私と相談して、お互い誠実に話し合った。新しいチャレンジをしてみたいとあったので、彼に対して、気持ちを尊重することが16年間の敬意だ」と話した。

「ベテランの役割はあり、プレーやディシプリン、精神的な大きな支柱を失うことになるが、それを補っていかないといけない。『チームが沢山の試練を乗り越えて歴史を作って来たように、私自身もこのことを受け入れて、前に進まなくてはいけない』と彼の言葉を胸に刻んでチームを安定させないといけない」と厳しい表情を浮かべた。

そして、鈴木選手の入団当初を思い出し「18歳のころに東農大のグランドでサテライトとして長谷部と走っていた。16年間やっていて、考え深いものがある。凄く成長してくれた選手。感謝している」と話した。

これまで、日本代表通算28試合、J1通算379試合10得点、浦和でチームキャプテンまで務めた鈴木選手は、残り試合にタイトル奪還を誓って今シーズン限りで赤いユニホームを脱ぐ決意をした。

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