浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう】興梠が首を痛めるアクシデントで練習離脱(2015/11/21)

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年間首位に望みをかけて、最後の笛が鳴るまで闘う。

澄み切った青空にうろこ雲が浮かび、のどかな秋を感じる11月21日。Jリーグ最終節の神戸戦に向けて最終調整が行なわれた。年間首位の広島とは、僅かに勝ち点2差で追いかける浦和にとって、広島対湘南の結果にもよるが、最終節の神戸戦に勝つことで望みを繋げることが出来る。大原の練習場には、「THE PRIDE OF URAWA」の横断幕の上に「真の王者へ突き進もう 浦和レッズ」が選手たちを鼓舞するように重ねられていた。

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ミニゲームが始まる前のアップでは、GKの4選手が前線の2枚にハイプレスを掛けられた想定で、ボール回しをするシーンがあった。また、ロングパスの練習でミスキックした興梠慎三選手のボールが、観客席に飛び込みそうになり「危ない!危ない!」と森脇良太選手が声を上げると、練習場に訪れていたファン・サポーターから笑いが巻き起こった。

リラックスムード漂うアップが終わると雰囲気は一転。選手たちの引き締まった顔が、頼もしく感じられ、ミニゲームが始まった。ビブ組、GK西川、DF槙野、永田、加賀、MF宇賀神、阿部、柏木、関根、高木、李、FW興梠。ビブなし組は、GK大谷、DF橋本、那須、森脇、MF石原、鈴木、青木、平川、武藤、梅崎、FWズラタン。

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なお、斎藤翔太選手と茂木力也選手、岩舘直選手、福島春樹選手は、天野コーチの下でトレーニングを行なっていた。

1本目、立ち上がりから前に積極的に仕掛けて行ったのは、ビブ組であった。シャドーの李忠成選手に楔のパスが入った瞬間に、興梠慎三選手がDFの裏を突く動きをしてシュートを放った。

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主導権を握ったビブ組であったが、先制点を叩き込んだのはビブなし組みの石原直樹選手であった。エリア内で石原選手がドリブルでビブ組みのDFを撹乱して、個人技で見事なゴールを決めた。

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攻守の切り替えがお互い早い中、選手同志の接触から突然、興梠選手が左首筋を押さえて倒れ込んだのだ。すぐに、ミニゲームは中断されて興梠選手の下にスタッフが駆け寄り、ピッチの脇へと連れ出したが、興梠選手は再びピッチに戻ることは無かった。興梠選手は、左肩から首筋を気にしながら、無言でロッカールームへと引き上げて行った。興梠選手は、今シーズンの開幕戦でも首筋を傷めて、日本代表を辞退したことがあった。

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思わぬ浦和のエースのハプニングにミシャ監督は「以前、怪我した首のところだ。状態は、良いとは言えない。起用に関しては、明日の状況で判断する」と眉をひそめた。

離脱した興梠選手に代わり、ズラタン選手がワントップを務め、ビブなし組のワントップを石原選手、左のワイドに茂木選手を起用してミニゲームを続けた。ビブ組は、ズラタン選手のポストプレーからサイドへと展開したり、落としのボールに対して柏木陽介選手がゴールを狙うなど良い攻撃のシーンを作り出していた。

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2本目は、ビブ組とビブなし組のシャドーを入れ替えて行なわれた。やはり、立ち上がりから主導権を握っていたのは、ビブ組であった。西川周作選手から「ラインを上げろ!」「ミツ!絞れ」などと檄が飛び、ビブ組はDFラインを高く保ちながらコンパクトに良い守備から、良い攻撃へと繋げていた。

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DFラインに落ちた阿部勇樹選手から、右のバイタルエリアに流れたズラタン選手へとタイミング良くロングボールが通り、ズラタン選手がクロスを入れるが僅かに中と合わず、良い形は作るがシュートまでいかない展開が続いた。

また、ビブなし組のCKで守備に回ったビブ組に対し、ミシャ監督はポジショニングなど細かい指示を出していた。DFラインから永田充選手が中盤にスペースを見つけてドリブルで持ち上がり、左にポジションチェンジしていた梅崎司選手へのチャレンジするロングフィードに対して「ブラボー!!」とミシャ監督は声を上げた。

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ビブ組は、シャドーの武藤選手と梅崎選手がズラタン選手の動きに合わせるように、ポジションチェンジをするシーンが多くみられた。そして、ラストゴールは梅崎選手のクロスをズラタン選手がポストプレーで柏木選手に落とし、柏木選手が大谷選手の頭上を越えるゴール左隅へとシュートを放った。

 

狙い澄ましたゴールが決まった瞬間、柏木選手は嬉しそうに何度も拳を握り締めガッツポーズをして、天を見上げた。

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興梠選手のハプニングや怪我明けの那須選手、森脇選手など不安な要素はある。だが、今まで一緒に闘って来た仲間がいる。神戸戦後には、鈴木選手の退団セレモニーも行われる予定だ。しっかりと神戸戦に勝利を収めて、あとは朗報が届くのを待ちたい。そして、浦和在籍16年間のレジェンドである鈴木選手の花道を飾りたいところだ。

 

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