浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう】オフ明け初のゲーム形式練習を行う(2015/12/8)

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オフ明け3日目、初のゲーム形式練習

朝晩と冷え込みが厳しくなって来た12月8日。10時から始まった浦和の練習のピッチには、穏やかな太陽の光が降り注いでいた。

昨日の午前練習後に体調不良を訴えて午後の練習に参加しなかった武藤雄樹選手は、今日はゆっくりと身体を休めるために練習は不参加となった。また、関根貴大選手はU-22中東合宿のために不在であった。

3グループに分かれて行なわれた通称”鳥かご”のボール回しのアップでは、「触った」「いや、触っていない」とボールに対して拘りを阿部勇樹選手が見せるシーンもあったが、選手たちからは笑みが零れてリラックスした雰囲気で行なわれていた。

30分ほど鳥かごやショートパス、ストレッチなどのアップを行なった後、フルコートでゲーム形式の練習が行なわれた。ビブ組は、GK西川・大谷、DF槙野、阿部、森脇、MF宇賀神、青木、柏木、平川、高木、李、FW興梠。ビブなし組は、GK岩舘・福島、DF永田、那須、加賀、MF橋本、斎藤、茂木、岡本、石原、梅崎、FWズラタン。

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今シーズン限りで退団が決まっている鈴木啓太選手は、ゲーム形式に参加せずにランニングのみで練習を終えた。ゲーム形式を横目で気にしながら走る鈴木選手の背中は寂しげであった。

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1本目、立ち上がりから前プレスを掛けて積極的に仕掛けていったのはビブ組であった。ペナルティーエリア手前で青木拓矢選手がDFのこぼれ球を拾って柏木陽介選手に落とし、DFの裏を狙う柏木選手のパスに反応した興梠慎三選手のシュートは惜しくもクロスバー直撃!コンパクトにして2次、3次攻撃を仕掛け、ビブ組が主導権を握っていた。

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しかし、ビブなし組の那須大亮選手が「押し上げろ!」「下がるな!」「前から!」と檄を飛ばすと、ビブなし組のDFラインが高くなっていき、徐々にビブなし組みのペースへと変わっていった。

タッチライン沿いでゲームを観ていたミシャ監督や杉浦コーチから「加賀!今のタイミングで行って良いんだ」と加賀健一選手に声が掛かると、加賀選手がバイタルエリア右へとオーバーラップし、那須選手からパスを受けてゴール前へとクロスを入れた。加賀選手のクロスを岡本拓也選手が合わせたが、惜しくもシュートはゴール上へと外れてしまった。

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ビブなし組に押し込まれる時間が続いた。流れを引き戻そうと柏木陽介選手が「中を切りながら行け!」と前線の選手たちに守備に要求するシーンがあった。

2本目が始まる前に、ミシャ監督からGKから始まる攻撃の組み立ての細かい動きの指示があった。例えば、シャドーの梅崎選手が退いてボールを受ける。梅崎選手が退いて出来たスペースにワイドの岡本拓也選手が入り、ワイドの空いたスペースを加賀選手が使うイメージである。

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ミシャ監督からは「ボールを奪われたら、下がったウメがそのままボランチの位置から守備しろ!」「マキがステイしたら、ウガの前を使え」「動いたところのポジションで、その選手の役割がある」などと具体的な指示が出ていた。

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そして、2本目は前線の3選手を入れ替えて行なわれた。ビブ組は、柏木選手から高いポジションを取った森脇良太選手へ、森脇選手から平川選手へと縦パスが入り、平川選手のクロスをズラタン選手が落として、梅崎選手がシュートを狙うなどリズミカルなパス回しからゴールを狙う展開を見せて主導権を握った。

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一方、ビブなし組には「5-4-1」の指示が出て守備的な布陣となり、ビブなし組がボールを奪った後に、GKへとボールを戻し、5DFには素早い攻守の切り替えを要求された。ミシャ監督が「スプリント!!」と叫ぶ声が練習場に響いていた。

3本目は、1本目と同じ組み合わせとなった。3本目が始まる目に、ミシャ監督から相手DFに前に入られないように半身になり、相手DFとコンタクトを取りながらフリーでパスが受けられるような駆け引きが要求されていた。

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「味方が、何処にパスを出せるのかを予測しろ!」「身体の向きは大事だ!」とミシャ監督は、自らパスの受け手となって身ぶり手ぶりで力説をしていた。

3本目のファーストプレーで、ビブ組のゴールが決まった。ビブなし組の一瞬の隙を突くような柏木選手のパスに、興梠選手が抜け出してゴールへと叩き込んだ鋭い攻撃であった。

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良いリズムを掴んだビブ組であったが「モリ~!何してるんだ!!」と槙野智章選手が思わずぼやいてしまうほどの森脇選手のミスからズラタン選手がボールを奪ってゴールを決めた。ズラタン選手がゴールライン際を粘って入れたマイナスのクロスを梅崎選手が冷静に合わせて、ラストゴールが決まった。

ビブ組は、主導権を握りながらもちょっとしたミスから失点して崩れてしまった。今シーズンの終盤に見られた本当に勿体無い失点と同じであった。

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約1時間半で練習が終わった。しかし、クールダウンが終わると監督を中心として選手たちが輪になって青空ミーティングが始まったのだ。5分ほどで終わると思いきや、余りの長さに途中でスタッフが選手の身体が冷えることを心配して、上着を用意するほどであった。なんとその長さは、異例とも言える約40分であった。ミシャ監督が身ぶり手ぶりで熱く選手たちに語りかけていた。穏やかな小春日和であったが、ミシャ監督の周りは真夏のように熱かった。2部練習を予定していたが、午後の練習は中止となり、室内でのミーティングに切り替わった。

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