山道強化本部長「この4年間で足りなかったものを補完してくれる4人」

朝晩の冷え込みが厳しくなった１月13日、新入団記者会見が埼玉スタジアムにて行なわれた。

2016シーズン浦和の新加入となる選手は、FCアスタナ（カザフスタン）からスロベニア代表DFブランコ・イリッチ選手。湘南からDF遠藤航選手。京都からMF駒井喜成選手。作陽高校からMF伊藤涼太郎選手。専修大学からGK福島春樹選手（昨シーズンは特定指定選手として浦和に所属）。水戸から完全移籍となったGK岩舘直選手（昨シーズンは水戸からレンタル移籍）の６選手となった。

遠藤選手はリオデジャネイロオリンピック最終予選のU-23日本代表の為に、伊藤選手もU-18日本代表ロシア遠征の為に不在となり、後日改めて入団会見を行うこととなっている。

山道守彦強化本部長を先頭に、イリッチ選手、駒井選手、福島選手、岩舘選手は少し緊張気味に記者会見場に姿をみせた。そして、山道強化本部長より「ミシャ体制（ペトロビッチ監督体制）４年でタイトルが獲れない事実を重く感じている。過去２回ACL予選敗退、昨シーズンは72ポイントで４敗と、良くやってくれた成績だったが、タイトルの結果がついて来なかった。今シーズンはACL予選突破して、上までいきたい。リーグは72ポイント以上の勝ち点を獲らないといけない。新しいパワーをつけないと、今年は厳しい」と昨シーズンを振り返り身を引き締めて話した。

そして、「イリッチは、ズラタンとチームメイトでもあり、長身で運べる選手。駒井は、左サイドのドリブルと裏に抜けるパスが出せる感性を持っていて、左も右も出来る。春樹（福島）と直（岩舘）は力になる。この４年間で足りなかったことを補完してくれる」と紹介があった。

即戦力として守備面で期待が掛かるイリッチ選手は「レッズの一員になれたのは、名誉なことだ。ビッククラブの一員になれて大きな喜びを感じる。オファーがあって迷いは無かった。喜びを隠しきれない。レッズは、常にトップを争っている。攻撃サッカーが一番合っている。下がって守備をするだけでなく、攻撃的に出て１、２点獲って早く試合を決める。基本的なポジションはセンターバックだが、右サイドバックもボランチでもプレーすることもある。勝利のために闘いたい」と話した。そして「オリンピア（スロベニア）のユースの時に、トップで練習をしたきっかけを与えてくれたのがミシャだった。彼は、常に新しいサッカーを要求する。僕も期待に応えられるように頑張る」とユース時代の恩師との再会を喜んでいた。

また、「家族は、スロベニアにいるがビザとか子供たちの学校を準備している。いろんな国を回ってきたが、いつもそばに家族がいないとダメだ」と話した。

サイドからのドリブル突破に期待が掛かる駒井選手は「浦和のような日本でもビッククラブに来れてとても嬉しい。認めてもらえるように頑張る。応援宜しくお願い致します」と頭を下げた。そして「浦和は、日本代表選手が多く在籍し、１人々のレベルが高い。高いレベルでプレーして、自分のレベルアップに繋げたい。浦和は、サッカーに対して情熱を持っている。サッカーが根付いている。ピッチに立つ以上、責任と闘う姿勢、得意のドリブルを観て、楽しんでもらいたい。ここで活躍することが、日本代表に繋がる近道だ。良い経験を摘んで、選手として飛躍していく」と意気込んだ。

また、駒井選手はG大阪の宇佐美貴史選手を意識していて「背番号は空いてる中から選んだ。宇佐美が39番だから37番にしようと思ったけど、２種登録の選手みたいだから18番にしました」と話した。

福島選手は「特別指定選手として帯同した経験を生かし、より一層頑張る」と気持ちを引き締めていた。また「一昨年（大学３年生の時）最初にオファーを下さったクラブ。評価されたことと、周作さん（西川周作）のプレーに憧れて、近くで勉強したかった。浦和は、クラブ全体を通して熱気が感じられる。ファン・サポーターの胸を打つプレーを最後尾からしていきたい」と抱負を語った。

写真撮影では、言葉が通じないイリッチ選手を気遣うシーンがあり「人と関わるのが好きだし、コミュニケーションは日常でも大事。GKは、ひとりひとりと携わっていくことが大事だから」と照れ笑いしながら「イリッチ、スマイル」「イリッチ、足は前」などとコミュニケーションを取っていた。

今シーズン、水戸から完全移籍となった岩舘選手は「１年半のレンタルを終えて完全移籍させて頂くこととなった。昨シーズンは、アキレス腱断裂でチームに迷惑を掛けたのに、チャンスをもらった。チームのために、自分のために、より一層成長していく。水戸に帰るにしても中途半端で帰りたくなかった。怪我から復帰して中途半端。だったらもう一度、土田さん（土田尚史GKコーチ）の下でいろんなことを学んでいきたい。水戸と浦和では違う環境でスタートして、ここまで這い上がって来た。やるべきことをやっていればチャンスは巡ってくる。チャンスを掴む！！」と力強く話した。

記者会見終了後、新ユニホームを身に纏った４選手は、埼玉スタジアムのピッチに姿を現した。平日にも拘らず集まったファン・サポーター420名と共に記念撮影を行なった。

浦和に加わった新戦力６人と共に、悲願のタイトルを狙っていく。