浦和フットボール通信

MENU

【河合貴子の大原なう番外編】極寒の中、レッズレディース始動(2016/1/21)

IMG_0007

大雪の影響で2日遅れての始動

関東地方が大雪に見舞われた1月18日、本来であればレッズレディースが始動するはずであった。大雪のために送電線が切断したり、ピッチコンディションの影響のために2日遅れの20日、レッズレディースが始動した。

照明塔が点灯する前の暗闇の中、午後6時前にレッズレディースの選手たちは人工芝のコートに姿を見せた。雪かきをしてある人工芝のコートを見て「あっ!雪がない」「緑が見える」と選手たちは嬉しそうであった。

レッズランドに積もった雪の表面は凍りつき足を入れるとザックと音がするほど冷え込み、気温1℃の中で練習が始まった。軽くランニングをしたあとに、ストレッチをして本格的なランニングが始まった。選手たちの吐く息は白く、雪かきがしてある人工芝のコートでも凍っているのか、シャリ、ジャリと選手たちの足音が、暗闇に包まれるレッズランドの静寂を打ち消していた。

1対1となり、ボールを持っている選手がステップワークで相手にタッチされずに交わして抜く動きの激しいステップワークが行なわれた。激しい動きを伴う練習が始まると腰痛のために平尾知佳選手と昨シーズンU-23日本代表で左足首骨座礁をした加藤千佳選手は、別メニューとなった。

IMG_20160120_182649

激しいステップワークの後は動的ストレッチを行った。その後、じゃんけんで5人1組の4グループに分かれ、ラクビーのルールを単純化したタグラクビーのローカルルールでリーグ戦を行なった。(トライしなくて良い。ラインを通過したら1点。パスは後方のみ。ボールを持った人にタッチしたら攻守が切り替わる。1試合7分)

吉田靖監督から「ボールを蹴るのはなしだぞぉ~!タッチしてないのにタッチって言うなよ!!」と声が掛かり、試合が始まった。選手たちは、初めての模倣タグラクビーに戸惑いながらもボールを持つとゴールに向かって走って行った。しかし、直ぐに守備側に捕まるため何とかパスを繋いでゴールを目指すが、急ぐあまりにルールを忘れて前方の選手にパスをしてしまったり、後方にパスを送り、自分たちのゴール前まで相手の守備に追い込まれてしまうシーンもあった。

また、ピッチが凍っているためにランニングシューズでは滑り、転んでしまう選手の姿もあった。そんな中、1人華麗なステップワークで相手の守備を交わして、早さを生かして突破したのはジェフから移籍してきた新加入の筏井りさ選手であった。華麗なステップワークを見せた筏井選手であったが、実は新しいナイキのスパイクに慣れるために1人だけスパイクを履いていたのだ。スパイクを履いていたにしても、相手の守備の間を抜けて行く筏井選手の鋭い動きは鮮やかで見事であった。

また、ボールを手で扱うことに慣れている池田咲紀子選手の視野の広さやパスの正確性は、一際輝いていた。さすがGKであった。勝負事となるとアスリート魂に火が点き段々とプレーが激しくなり、タッチした、しないの微妙な判定に異議が飛び出すと吉田監督は「文句と嘘は、マイナス1点!」と厳しく諌めていたが、選手たちは模倣タグラクビーを楽しそうに行ない寒さを吹き飛ばし笑顔を見せていた。

模倣タグラクビーを楽しんだ後は、脈拍140を目標とした20分のランニング、クールダウンを行ない初日の練習は、約1時間半で終了した。

なお、長船加奈選手と乗松瑠華選手、柴田華絵選手は、日本代表合宿のため不在。清家貴子選手はリハビリ、北川ひかる選手は学校とアカデミーの関係で不参加となった。

ラスト20分のランニングを選手と一緒に走っていた吉田監督は、練習後「何人か加わり、新たな競争が起こる。チームにとっては、成長のチャンス。良いチームを作っていきたい。最初なんで、走る、動くことが目的だった。下が(ピッチが)凍っていたので、楽しみながらやりました。昨シーズンは、最初のところでトレーニングの負荷を上げたら怪我人が出たので、少し押さえ気味にしてこれから徐々に上げていきます」とニヤリと笑った。そして、「優勝を目指す。能力はある。前年は、勢いがあるとは言えなかった。優勝する力はある。だが、昨年と同じ成績の可能性もある。運動量と攻守の切り替えを上回らないと勝てない。運動量と攻守の切り替えがポイントだ。我々は、若いんで勢いに乗れたら勝てる。経験と勢いとどちらが勝つかだ。経験は無いが、積み重ねで年々良くなる。繰り返しでやって行くことで、上手く行く回数が増えて連覇出来るようになる」と話した。

また経験豊富な選手を抱えるINACや日テレを意識して話し「ジェフ、新潟、仙台はまた違う特徴がある。対戦するチームによって変えられる力が無いとダメだ。やろうとすることを徹底し、練習試合をやって課題が出て、勝つパーセンテージを開幕までに上げていく。良い準備をすれば、勝つパーセンテージは上がる」と力強く話した。

なでしこリーグの中で平均年齢が若いレッズレディースであるが、昨シーズン流した悔しさ涙の経験を糧に、今シーズンは再び女王の座に返り咲くための練習が始まった。

ページ先頭へ