浦和フットボール通信

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ハイライト動画付き【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ 1st第1節 vs柏レイソル 槙野、西川、興梠、柏木、武藤、宇賀神、李、阿部、ペトロヴィッチ監督コメントあり>(2016/2/28)

今日のポイント!!

李選手のシュートのこぼれ球を狙って走り込み先制点を叩き出し、また苦しい時間帯にズラタン選手にドンピシャ合わせたCKも武藤選手であった。1ゴール1アシストの武藤選手の活躍を褒めたい。

また、守備面では遠藤選手を加えた新たな布陣で挑み槇野選手の統率力と遠藤選手の力強いDF力とポジショニングの良さが光っていた。

槇野選手は「今シーズンのテーマの1つは、1対1の強さ、球際、攻守の切り替えだ。昨シーズンの反省点で、DFラインが下がるとか、60分以降のバランスが崩れた点があった。リベロに入って声がけすることだった」と高い意識のもとでプレーをしていた。

西川選手は「マキがバランスでも声を掛けてリスクマネジメントをしてくれた。遠藤は、ボールを獲るところの能力、強さが優れている。ワンプレーで獲ってくれる頼もしさがある。空中戦も信頼している」と好評価していた。

疲れ切った表情を浮かべて興梠選手は「内容は良くなかった。前に行く力が弱くなってしまった。柏のカウンターの恐さは無かったが、点が入る雰囲気が無かった中で追加点は良かった」と話した。

柏木選手も「めちゃきつかった。もう少しボール触りたかったのに、シンプルに動けなかった。みんなの頑張りで勝った」と話していたように、上手くいかない時でもお互いをフォローしあって勝利を収めることが出来た。

祝Jリーグ開幕白星発進!

穏やかな日差しが差し込み気温12.1℃と好天に恵まれJリーグ開幕戦となった2月27日、浦和はアウェイの日立柏サッカー場に乗り込んだ。両チームのファン・サポーターの開幕戦に掛ける思いでチケットは完売。柏スタジアムは、満開の菜の花畑のように柏色に染められていたが、浦和のゴール裏も熱く燃え高ぶる気持ちをコールに乗せていた。

ACLシドニーFC戦から中2日の対戦を考慮して、シドニー戦に温存していた柏木陽介選手と興梠慎三選手をスタメンで起用。インフルエンザA型のために離脱していた李忠成選手も戻ってきた。また、指宿キャンプで試した3DFの真ん中を槇野智章選手に任せる形を採用し、新加入の遠藤航選手を右に森脇良太選手を左ストッパーに起用して新たな3DFで挑んだ。

浦和のキックオフで始まった試合は、立ち上がりから浦和から積極的に仕掛けていった。3分には、遠藤航選手のインターセプトから素早く前線の武藤雄樹選手に渡り相手GKが飛び出し決定的なチャンスを作るも決めきることが出来なかった。

武藤選手は「航がボールを出したが、遅れてしまい決めきれなかった。しっかり(マーク)を着かせなければ問題ない。絶対に決めてやろうと思った」と最初のチャンスを生かせずに悔しそうであった。

ミシャ監督は試合後の記者会見で「前半は、積極的に前線から相手にプレッシャーを掛けて良い流れを作った前半であった。相手にほぼ攻撃のチャンスを与えること無く、逆に得点してもおかしくないシーンをいくつもつくれた」と話したように、試合の主導権を握った浦和は、両ワイドが高い位置にポジションを取り柏のゴール前を固めた守備に揺さぶりを掛けた。

一方、柏は攻守の切り替えを早く新加入のディエゴ・オリヴェイラ選手にボールを集めてカウンターを狙ってきた。

槇野選手は「今日の試合を迎えるに当たって、彼の(ディエゴ・オリヴェイラ選手)映像を見て、彼が嫌がることをしようと思って彼の弱点を叩き込んだ。前に出るプレーでスペースを与えないようにした」とニヤリと笑った。

12分には、ペナルティーエリア内にディエゴ・オリヴェイラ選手が切れ込みゴールを狙って来たが、槇野選手が身体を上手く入れて対応していた。

興梠慎三選手は「相手の守備がガッチリと守っていてスペースの無い中、張っていてもボールがもらえないから、退いてやろうと思った。柏は、4DFでボランチも下がっていて前からプレスを掛ければ、後ろの守備は嵌めやすいと思った」と退き気味にボールをもらいながら、失うと前線からプレスを掛けていった。

ビックチャンスが訪れたのは31分、関根貴大選手がドリブルで突破したクロスがDFに当たりコースが変わってところをファーサイドで武藤選手が胸でゴールへと押し込んだ。決まったと思ったゴールは、ギリギリのGKが掻き出してノーゴールの判定。

武藤選手は「僕は、目の前で見てゴールだと思った。試合に負けてあれがゴールだと言いたくなかった」とゴールへの執着心を煮えたぎらせていた。浦和は、チャンスを生かすことが出来ずに0-0で前半を折り返すこととなった。

先制点が欲しい浦和は、後半も立ち上がりから積極的に仕掛けていった。

50分、槇野選手からのロングフィードを受けた宇賀神友弥選手が相手DFと競り合いながらゴールライン際で粘ったクロスを李選手が決めたと思ったが、ハンドの判定でこれもノーゴール。

「チュン君に仕掛けろってハーフタイムに言われた。早い段階でゴールに絡むプレーが出来た」と宇賀神選手は話した。

ハンドになってしまった李選手は「あのシュートが入っていたら、もっと乗れたのに・・・」と悔しがり「ふわふわした感じだったけど、監督が使ってくれたからなんとか答えたかった」とインフルエンザの影響で休んでいた分、万全なコンディションでは無かったようだ。

しかし、52分には、阿部勇樹選手のクロスに李選手が上手く合わせてシュート!相手GKの好セイブに阻まれるが、こぼれ球にいち早く反応した武藤選手がゴールへと流し込んで浦和が、待望の先制点を物にした。

李選手は「コースも良かった。GKも上手かった」と悔しがり、武藤選手は「チュンさんがターンして撃つ瞬間にこぼれて来た絵が見えた。あとは、落ち着いて決めるだけだった」と嬉しそうに話した。

先制された柏は、59分にエデルソン選手に代わって田中順也選手を投入。浦和も追加点を狙い62分に李選手に代わってズラタン選手を入れ攻撃の活性化を図った。

しかし、伊藤純也選手がスピードのあるドリブルで持ち上がりディエゴ・オリヴェイラ選手へ、ディエゴ・オリヴェイラ選手が森脇選手と柏木選手を交わし角度の無いところからシュート!

西川選手が止めるもこぼれ球を茨田陽生選手がシュート!これも身体を投げ出した西川選手が止めるもこぼれ球を大谷秀和選手に押し込まれて同点にされてしまった。

西川選手は「自分のところで何とか出来た防げる失点だった。当たりところが悪かった」と話した。

ミシャ監督は「前半、かなり飛ばしてそのテンポを90分続けるのは難しいと思っていた。後半に入って良い形で得点したあと、少し相手に押し込まれる時間帯が出来てしまった。ドリブルしている選手に二人に対応に行って、中に上げたクロスがGKに当たり、それが前に転がりそれを撃ったシュートがGKに当たり、あとは相手に詰められてしまった。1-1に追いつかれた後、必ず残りの時間の中で得点して勝利する確信があった。選手たちもそうであった。自信と勝利への気持ちがあったと思う。それが勝利に繋がった」と振り返っていた。

追いつかれた浦和は、73分に柏木選手に代えて那須大亮選手を投入し中盤の守備力を強化。浦和を脅かしていたディエゴ・オリヴェイラ選手が足を攣り、武富孝介選手を投入。

浦和は80分、最後の交代枠を関根選手に代えて駒井善成選手を投入し右からの崩しにかかった。一進一退の攻防が続く中、84分武藤選手の右CKをズラタン選手がニアーで頭で合わせて2-1とした。

このまま逃げ切りたい浦和であったが、アディショナルタイムは6分。阿部選手が大津祐樹選手と接触して唇の上と中を切り出血し10人で凌いだ。

阿部選手は、口を塞ぐようにテーピングで止め、出血で汚れたパンツを水で洗い流し再び闘いの場へと戻って行った。西川選手は「6分、長かった。自分のところにボールが着たら時間を作り、前線も退いて守ってくれたので安心した。でも、試合でしか味わえないドキドキでしたね」と笑みを見せた。

最後まで気が抜けない展開となった試合は、2-1で浦和が逃げ切り柏を下してリーグ戦白星スタートを飾った。

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