浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう】判断力と運動量が求められる練習をこなす(2016/3/25)

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判断よく、コンビネーションを高めて

少し風が冷たさは感じるものの、穏やかな春の日差しが降り注ぐ午前10時から練習が始まった。代表ウィークに伴い、西川周作選手、槙野智章選手、柏木陽介選手がA代表。遠藤航選手、関根貴大選手がU-23日本代表。伊藤遼太郎選手がU-19日本代表の活動のためにチームを離れているが、昨日からコンディション不良で離脱していたイリッチ選手がチーム合流して怪我で離脱している選手がいない状況で中断期間を迎えた。

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ストレッチを入れた軽めのランニングでアップが始まり、3グループに分かれて通称“鳥かご”のボール回しが始まった。加賀健一選手と宇賀神友弥選手、武藤雄樹選手たちのグループでは、一番ボールに対する執着心が強く、「タッチしてない」「タッチしたよ」「俺じゃない」と揉めるシーンが多くかなり熱くなっていた。判定を下すレフリーがいないため、公平を喫すためにジャンケンで鬼を決める回数が、3グループの中で一番多かった。

その後、基本のパス練習が行われて、恒例のミニゲームが10対10で始まった。ビブ組はGK大谷、DF永田、加賀、MF宇賀神、青木、那須、梅崎、武藤、李、FW興梠。ビブなし組はGK岩舘・福島、DF森脇、イリッチ、MF橋本、阿部、駒井、平川、高木、石原、FWズラタン。

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10対10のために、ハーフコートの幅を10mほど短くして、両チーム共に守備のときはワイドの選手が下がり4DFを形成するシステムであった。

1本目が始まる前に、ミシャ監督から「奪った後は早く、しっかりとボールホルダーにサポートに行くこと、お互いの動きだしを意識しろ。しっかりと判断良く」など指示が飛んでいた。

1本目の立ち上がりから主導権を握ったのは、ビブ組であった。湘南戦の好調を維持しているように興梠慎三選手、李忠成選手、武藤選手のコンビネーションは抜群であった。高い位置で興梠選手がボールを奪い、青木選手へと落とした瞬間に李選手がDFを釣る動きをして、空けたスペースに武藤選手が飛び出してゴールを決めた。

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一方、ビブなし組は、左のDFラインを任せられた森脇良太選手からビブ組の宇賀神選手が攻撃参加した裏のスペースを突き逆サイドの平川忠亮選手へとピッチの幅を生かした展開しかけてきた。しかし、宇賀神選手の攻守の切り替えがよくシュートまで持ち込めないシーンがあった。1本目は、ビブ組が圧倒的に優位な展開を見せていた。

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2本目は、ビブ組の興梠選手、武藤選手、李選手が、ビブなし組のズラタン選手、高木俊幸選手、石原直樹選手と入れ替えて行われた。

前線の3選手が代わっただけなのに、立ち上がりから攻勢をしかけたのは、ビブなし組であった。李選手が左から斜めにドリブルで切れ込みシュートを放ったり、逆サイドからクロスに興梠選手が上手く合わせてボレーシュートを決めた。

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劣性となったビブ組であったが、永田充選手が「下がるなぁ」と檄を飛ばすと少しずつビブ組がリズムを取り戻していった。ズラタン選手に楔の縦パスが入り梅崎選手へ、梅崎選手から逆サイドの宇賀神選手へと大きく展開し、宇賀神選手の折り返しのクロスを高木選手が冷静にゴールへと流し込んでいった。

3本目は、前線3選手を1本目と同じ組み合わせに戻し、ダイレクトプレーで、パスを出した選手に戻すリターンをしない制限が掛けられて行われた。

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3本目が始まる前にミシャ監督から「パスを出して止まっていたら駄目だ。出して、動いて、サポート」が要求されていた。パスを出したあとに、味方の選手がどの動きを選択するのか予測して動く、オフザボールの動きのクオリティーを求められていたのだ。

全体的に、オフ・ザ・ボールの動きがよく、息のあったコンビネーションやイマジネーションの共有が図れていたのは、攻守に渡ってビブ組であった。

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宇賀神選手から逆サイドのバイタルエリアに流れた興梠選手へと展開し、興梠選手のマイナスのクロスに武藤選手がシュートを放つも決まらず、こぼれ球を梅崎選手が狙ってシュートを放つなど厚みのある攻撃を見せていた。

また、DFラインにまで戻った梅崎選手がボールを奪うと素早く前線の興梠選手へ、ゴールを背にしていた興梠選手はボールをキープするかと思いきや、いきなりバックヘッドでゴールを狙った。

しかし、惜しくも左ポストに直撃!跳ね返りのボールを興梠選手は落ち着いてゴールへと流し込んでいた。

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ビブなし組も高木選手が良い形を作るも決まらず、阿部選手から楔の縦パスを受けたズラタン選手の落としを石原選手が右足を振り抜くもゴールネットを揺らせなかった。惜しいチャンスで決められないビブなし組に対し、引き気味にポジションを取った李選手から武藤選手、梅崎選手へと流れるパスワークから前線を青木選手が追い越す動きで華麗にDFを崩してゴールを決めた。

攻守に渡り、切り替えを早く連動したコンビネーションのクオリティーを上げるために選手たちは、判断力と運動量が求められる練習であった。

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チーム合流したばかりイリッチ選手の動きは、まだぎこちない感じであった。練習後、梅崎選手、石原選手、高木選手、武藤選手たちが居残りシュート練習を行っていた。また、青木選手と武藤選手が、最後まで居残って20分のランニングをしていたのが印象的であった。

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