浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付き>【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ2ndステージ第4節 vs大宮アルディージャ

粘り強い大宮を突き放すことが出来ず、痛恨の引き分け

仲間を信じ、愛するチーム、愛する街のプライドを掛けた熱き闘いに終止符を打つ笛が高らかに夜空に鳴り響いた。死闘を尽くした選手たちは、立ち上がる気力も体力も無かった。大宮側からはまるで勝利したようなチャントが沸き起こり、浦和側からは健闘を讃える拍手と勝ちきれなかった悔しさのブーイングが入り交じり何とも言えない微妙な雰囲気に包まれていた

浦和のキックオフで始まった試合は、立ち上がり4分に李忠成選手の落としから興梠慎三選手がミドルシュートを勢い良く放っていった。しかし、右ポストに直撃!決めきることが出来ずにいた。

興梠選手は「ゴールという結果が欲しくて、積極的に撃っていこうと思った」とゴールを狙っていった。浦和は、ロングボールを多用しながら攻撃を仕掛けて主導権を握っていた。

DFの裏を突いた武藤雄樹選手のヘディングシュートや興梠選手の横パスに走り込んだ柏木陽介選手のシュートなど攻撃的な姿勢を貫くも決まらずにいた。28分、大宮はテクニックとスピードを生かしたマテウス選手の仕掛けからのクロスをファーサイドで泉澤仁選手の折り返したところをネイツ・ペチュニック選手が狙ってきたが、遠藤航選手が身体を張ってシュートブロック!決定的な仕事をさせなかった。

そして36分、阿部勇樹選手から前線の興梠選手へとロングフィードしたところを、山越康平選手が後ろからユニホームを引っ張り、ペナルティーアーク右付近でFKを獲得。「我ながら完璧だった」と柏木陽介選手が、自信たっぷり話した直接FKが37分に決まり浦和が先制!

柏木選手は「集中していた。絶対自分が蹴ると決めていた。誰も立たなくて良いと思っていた。ノブ(加藤順大選手)が、全然ボールを放さないのでイライラしないように、ウガ(宇賀神友弥選手)がずっと声を掛けて来てイライラしそうになった。一番決められる位置だったし、苛つきを押えて集中、集中、集中。ここは、絶対に決められる」と集中力を高めていた。

そして「ノブの位置が、真ん中だったので蹴り辛いなぁと言うのはあったけど、壁超してコースが完璧なところへ行けば絶対入る。ファーに蹴ろうかと少し迷った。ノブは、俺の癖を掴んでいる筈だからニアで壁を越して来ると思っていたと思う。でも、ブレたくなかったし、自分のキックの質を信じたかった。まぁ、そう言うところで自分に勝ったかなぁ」と誇らしげに話していた。

先制点を奪いこのまま勢い良く波に乗りたい浦和であったが、間延びして徐々にセカンドボールが拾えなくなってしまった。そして45+4分、横谷繁選手の右CKを江坂任選手がヘッドで合わせて同点とされてしまった。江坂選手のマークに付いていた遠藤選手は「最後は自分がしっかりと付いていないといけなかった。1回ニアに行って、相手もいたので躓きながら前に走って、その後に裏に走られて付いて行こうとしたけど、結局は前にボールが来た。自分がしっかり付くしかない」と悔しさを噛み締めた。

前半、主導権を握りながらも追加点が奪えず、アディショナルタイムに追いつかれ、勝負は後半へと縺れていった。

後半立ち上がりからマテウス選手がドリブル突破から攻撃の起点を作り、大宮が良い流れを掴んでいった。57分浦和は、腰に痛みを抱える興梠選手と李忠成選手に代えてズラタン選手と青木拓矢選手を投入し、柏木選手にシャドーの一角を任せて攻撃を活性化していった。

興梠選手は「前半の早いうちにピキっとした。走るのは問題ないが、急に痛くなった。腰を痛めて痛いから交代枠を残して欲しいといったけど、個人的には早い交代で納得出来ない」と話していたが、悪化させる前の交代であった。

そして59分、交代して入った青木選手から右の関根選手へと展開し、関根選手のドリブルからのクロスに武藤選手がタイミング良く走り込んでヘディングシュートをゴールへと叩き込んだ。

武藤選手のリーグ戦12試合ぶりのゴールが決まり2-1と突き放した。武藤選手は「なかなかゴールが決められず、少し気持ちが楽になった。関根が良いボールをくれたし、しっかりと逆サイドに流し込めて良かった。関根に感謝したい」と話した。

アシストした関根選手は「前半も後半もちょっとクロスが合っていなかった。ゴールラインを割ってしまったりした。そこで、上げた瞬間に感覚的に良かったので、上げたところに武藤君が入って来てくれて久しぶりに武藤・関根ラインで決められた。自分的にも仕掛けからのクロスの精度も良かった。1試合でもっともっと増やせれば良い」と手応えを感じていた。

その直後、阿部選手から絶妙なタイミングで逆サイドの関根選手へと展開し、ゴールに向かうトラップからドリブルで相手DFを翻弄するも関根選手は決めきれず「チャンスが来たのに、決めきれなかった」と悔しそうに話した。

追いつきたい大宮は、64分に横谷選手の左CKをニアで山越選手がヘッドで逸らしたボールが河本裕之選手に当たり左ポスト直撃!跳ね返りを再び河本選手が狙うもゴール上へ外れて行った。

そして68分、宇賀神選手が足を痛めている隙にフリーになったマテウス選手がカットインして豪快なシュートをゴール右隅へと叩き込み同点にされてしまった。

宇賀神選手は「マテウスは個の力が非常にある。左にしか来ないことを頭に入れてスペースを与えないイメージプレーしていた。失点の場面で痛んでいた中で着いて行けなかった。悔やまれる」と唇を噛んだ。西川周作選手は「人はいたので対応出来た。彼の良さは警戒していたが、切り込まれてやられてしまった」と悔しさを滲ませていた。

2-2の同点にされた浦和は、宇賀神選手に代えて駒井善成選手を投入。オープンなゲーム展開となった中で、84分には武藤選手、90分にはゴール前へと飛びだした柏木選手のヘディングシュートも決まらず、大宮も81分のペチュニック選手のシュート。90+5分の途中出場した清水慎太郎選手のシュートも決まらず、お互い決定機を活かせないまま2-2の引き分けでタイムアップ。大宮に対して負けはしなかったが、勝ちきれない悔しさが残るゲームとなってしまった。

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