阿部「苦しい時間帯、声を掛け合って堪えられたのは良かった。我慢して賢くやれるかだった」

年間首位争いのためには、絶対に鹿島にここで負けたくない試合であった。

ミシャ監督は「今日は、両チームにとって重要なゲームであった。特に浦和にとっては、年間順位の勝ち点を考えれば、非常に重要な闘いだった。負ければ、ポイント差が開く。内容に関しては、両チームの思いがぶつかる激しいゲームであった。試合全体を通して見れば、引き分けと言う結果が妥当だったのではないかと思っている」と険しい表情で話した。

確かに引き分けてもおかしくない試合だったし、前半の内容を考えたら負けていてもおかしくない試合であった。だが、勝ったのは、浦和だ！！

ワントップで先発したズラタン選手は、退いてボールをもらう動きの中で相手DFの厳しいマークを受けてボールを収めることが出来ず、浦和の攻撃のリズムが作れずにいた。

鹿島は浦和のシャドーに対してボランチが見る形で、ハイプレスで浦和のパスコースを限定した守備をして、攻守の切り替えも早く主導権を握っていった。苦しい展開の前半を身体を張った守備で良く無失点で鹿島の攻撃を抑えることが出来たと思う。

そして、後半からワントップを務めた李忠成選手は、DFの裏を突く動きやマークを外して退くタイミングも良く、オフザボールの動きが良かった。後半、グッと試合の流れを引き寄せることが出来た。

李選手は「途中からでしたけど、監督の読み通りだった」と笑った。先制点を鹿島に決められてしまったが、すぐに同点に追いつけたことは、本当に良かった。また、途中出場した青木拓矢選手の攻守に渡る貢献も勝利を浦和に呼び込んでくれた。

阿部勇樹選手は「鹿島が前から来ることもあると思っていた。奪ってからカウンターのチャンスが多かった。押し込まれている時に、我慢することが大事だし、奪ったあとにどれだけ早く攻められるかだと思っていた。苦しい時間帯、声を掛け合って堪えられたのは良かった。我慢して賢くやれるかだった。先に、得点を決められたが諦めずにやれたことが２得点に繋がった」と安堵の表情を浮かべていた。

試合の流れが悪い時間帯を堪え、流れを引き寄せたのにもかかわらず失点した。だが、焦らずにすぐに追いつき、決定的なチャンスを見逃さずにゴールへと走り続けた結果が見事な逆転劇へと繋がった。

この１勝は、勝ち点６に匹敵する大きな勝利であった。この勝利を２ndステージ優勝、年間首位へと繋げていきたい。