浦和フットボール通信

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ハイライト動画付き【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ2ndステージ第6節 vsヴァンフォーレ甲府<関根、武藤、李、石原、監督コメントあり>

甲府に完封勝利を飾る

浦和とは明らかに違った暑さが襲って来た。日が西に傾向き夕闇がスタジアムを包み始めていたが、灼熱の太陽に照らされた甲府盆地の気温は下がらなかった。

甲府の堅守の前に、浦和は暑さと勝負となった。「ウォーミングアップしているときが、一番暑かった。久しぶりの暑さだったので、多少、不安な部分があったが、そんなに関係なくやれたと思う」と関根貴大選手は話していたが、試合後の記者会見でミシャ監督は「今日のゲームは、非常に気温が上がった。立っているだけも簡単ではない中で最後まで力を出し切って闘った」と過酷な暑さ中での試合をした両チームの選手を讃えた。

蒸し風呂のようなピッチの中、甲府のキックオフで始まった。甲府は予想した通り、5-4-1のシステムで挑んで来たが、立ち上がりから積極的に仕掛けて来た。

3分、ドゥドゥ選手がドリブルで持ち上がり松橋優選手へ、松橋選手のシュート気味のクロスを宇賀神友弥選手がクリア。柏木陽介選手は「ゲームの入りが悪かったから、どうなるのかと思ったが、そこから集中出来た」と話した。前半の10分過ぎぐらいまでは、甲府に押し込まれる展開となったが、浦和に流れを呼び込んだのは11分李忠成選手のドリブル突破からのシュートであった。

そして14分、森脇良太選手から大きく逆サイドの宇賀神友弥選手へ、宇賀神選手がドリブルで1枚DFを剥がしたクロスにファーサイドで武藤雄樹選手がピタリと合わせたヘディングシュートをゴールへと叩き込んで浦和が先制!

武藤選手は「先制点を早い時間に獲れたことで、ゲームとしては自分たちのやりやすい展開になった。本当に、宇賀神さんが良いボールをくれたので、僕は合わせるだけでした。何日か前にあの形を練習していて、その通りになって嬉しかった」と練習の成果で生まれたゴールであった。

1点を追いかけることとなった甲府であるが、ワントップのドゥドゥ選手がプレスを掛けてDFラインを押し上げてコンパクトにしようと試みるが、基本の5DFとブロックは崩さずにカウンターのチャンスを狙っていた。浦和は、さらに追加点を狙いボールポゼッションしながら攻撃のリズムを作り、主導権を握ってサイドから揺さぶりを掛けていった。

追加点が生まれたのは、前半終了間際の45分。宇賀神選手が高木俊幸選手の動きを見ながらタイミング良くDFの裏へとスルーパスを出し、高木選手のクロスに李選手の左足のボレーシュートが炸裂!!

李選手は「ウガ(宇賀神選手)とトシ(高木選手)が上手かった。彼らのところで90%決まった」と2人のコンビネーションを褒めた。そして「今日の自分のプレーはよくなかったけど、ゴールを決めたことが全てだと思う。1-0でずっといくよりも、2-0でほぼ試合が決まった感じだった。凄く大きなゴールだったと思う」と笑顔を見せた。

浦和が前半に放ったシュートは4本で、そのうち2本が良い時間帯に決まった。一方の甲府が放ったシュートは、1本だけで決定的なチャンスも作らせなかった。

ミシャ監督は「やるべきことは出来ている。バランスを崩さずにゲームを進めること。後半の立ち上がり集中すること」と選手をピッチへと送り出した。

2点を追う甲府の佐久間悟監督は「もう一回守備を修正しよう。奪ったボールを大事にしよう。後半、もっと意地を見せよう!」と話し、後半の頭から畑尾大翔選手に代えて福田健介選手、黒木聖仁選手に代えて保坂一成選手を投入し、一気に2枚の交代枠を使って修正を図ってきた。

だが、後半の立ち上がりから浦和が主導権を握り追加点を狙っていった。49分には、武藤選手が李選手とのワンツーで中央を抜け出して決定的なシーンを迎えるも河田晃兵選手の好セーブに阻まれて3点目を奪えずにいた。

主導権を握られた甲府は、58分に森晃太選手を投入してツートップへと変え反撃してきた。60分、森選手からドゥドゥ選手へとチャンスを作るが、浦和のDF陣が踏ん張りを見せてシュートまで持ち込まさせなかった。

69分には、「ケツ打撲」と話した柏木選手に代えて青木拓矢選手。72分には武藤選手に代え石原選手、77分には李選手に代えてズラタン選手と代えて、攻撃的な姿勢は崩さずに落ち着いたゲーム運びをした。

甲府の唯一の決定機と言えるのは、85分に福田選手のクロスを森選手がファーサイドでゴール前に折り返し、田中佑昌選手が飛び込みシュートを放つも枠を捉えることが出来なかった。

試合終了間際、高木選手からオフサイドギリギリに石原直樹選手が抜け出してゴールを狙うも決め切れず。石原選手は「残念でした。ラインを見ていたのでバッチリだった。シュートまで持っていくイメージは出来ていた。ファーストタッチだけ気をつけていた。上手くいったが、シュートを浮かしても良かった。最低限、枠に入れないと・・・」と悔しがった。

猛暑の中、ゲームの入りは悪かったが見事なゲームコントロールをして2-0で甲府を下し、勝ち点49ポイントで年間2位に浮上した。

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