浦和フットボール通信

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【選手ミニコラム】那須大亮が駆け引きに勝つ秘訣!

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(Report by 河合貴子)
残り5試合。2ndステージを首位に立ち、年間首位の座を目指して川崎を勝ち点2差で追う浦和にとって、正念場を迎える。選手たちの顔付きも、引き締まって逞しく感じられる。緊迫したゲーム展開の中で、セットプレーで得点が効率良く決まれば、ゲーム運びは本当に楽になる。

浦和で、セットプレーのゴールゲッターは那須大亮選手だと言っても過言ではない。

セットプレーでは、相手との駆け引きが重要なポイントとなってくる。空中戦に強い那須選手は、見事な駆け引きを魅せてヘディングシュートをゴールへと叩き込んで来た。CKの時など、浦和のゴール裏からは期待を込めて那須選手のチャントが響き渡るほどである。

雨の中を広島戦に向けて、居残り練習でフィジカルを追い込む那須選手の姿があった。ただひたすらに、まっすぐ前を向き無心になったように身体を追い込んでいたのだ。一通りフィジカルトレーニングを終えた那須選手の居残り練習は、これで終わりではなかった。息を整えながら、ロングフィードの練習をしている青木拓矢選手と石原直樹選手に近づき声を掛けると、石原選手に浮き球を要求して、青木選手を相手にセットプレーをイメージした駆け引き練習を始めたのだ。

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那須選手は「拓矢は、強いからね」と青木選手を練習相手に選んだのだ。

最初は、お付き合い程度の守備をしていた青木選手の表情が変わった。真剣勝負の那須選手にマークを外されると、悔しそうな表情をして真剣勝負の世界へとなっていった。青木選手と那須選手はお互いにファールすれすれに身体を寄せ合いながら掴み合っていた。その瞬間、那須選手は青木選手の脇の下をスル~と抜けてフリーになってヘディングをしたのだ。一瞬の出来事であった。

練習相手となった青木選手は「お互い、バチバチだった。マークの外し方凄いと思った。那須さんから学ぶことは大きい。那須さんは、積み重ねて来ているからね」と感服していた。

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何度も、何度も繰り返される二人の駆け引きは、見ている方も面白くて心が躍った。駆け引きに勝つために、相手との間合いやタイミング、一瞬の判断力の凄さに那須選手は優れていた。確かに、那須選手は百戦錬磨で培って来たものがある。だが、それだけではない。那須選手は「自分で、どのタイミングなのか体感したかった」と練習に取り組む心意気が、試合でのセットプレーで強さを発揮するのだ。練習は嘘をつかない。必ず、試合のピッチの中で結果として現れる。那須選手が、セットプレーの駆け引きに勝つ秘訣がそこにあった。

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