浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】勝負所を見極めた選手交代が勝敗を分けた。

今日のポイント!

浦和は、仙台に公式戦12試合未勝利となってしまった。

試合後、吉田靖監督は「内容は、今までよりもパスも通っていた」と手応えを感じていた。

前半の良い入りから先制したのは、浦和であった。その後、しっかりとブロックを作りボールを奪ってから追加点のチャンスを狙っていた。仙台にも崩されずチャンスも与えない守備が出来ていた。だが、前半終了間際にセットプレーの流れから同点にされてしまった。本当にもったいない失点であった。

後半の立ち上がりも良いリズムでだった。仙台を突き放すビックチャンスもあった。PKを決められなかったのは、致し方ないと思う。

浦和のリズムだったのに、一気に流れが変わったのは仙台が選手交代により前線を活性化してきてからであった。

長船加奈選手は「追加点が欲しいから勢いをもって前に行こうとみんなで話していたが、結構相手にもたれている時間帯が多く、相手に持たすのか、自分たちが持つのか、切り替えが上手く出来たら良かった」

後藤三知選手も「もう少しボールを後ろで動かせるならば、自分たちがボールを持っている時間を増やしたかった。相手のプレッシャーで蹴るのならば、はっきりと蹴らして、もう少し自分たちの陣地を守る我慢の時間帯を作っても良かったかも知れない。自分たちで何を選んで時間を使うのか。その中で2点目を獲れるチャンスをどうやって見出していくのか出来なかった」

選手たちは、戦いながらもピッチの中で悩んでいたのだ。

それは、指揮官である吉田監督の悩みであった。選手交代は、攻撃的に勝ち点3を狙いに行くのか、守備的に勝ち点1を積み重ねるのかがはっきりとするメッセージだ。残留争いに巻き込まれているからだ。勝ち点1が喉から手が出るほど欲しい。

吉田監督は「引き分けの中で、ホームなので勝ち点3を獲ることを考えた。エミリーを入れて攻撃を活性化しようと思ったが上手くいかなかった。結果論だがDFを入れても良かった。5バックして後ろを固めることも出来た。勝ち点3を獲ることを考え、エミリーを入れた。運動量が落ちた時にどうするかだ。今後の状況によって勝ち点3が必要だったり、勝ち点1が必要だったり使い分けていかないといけない」と話した。

仙台は、後半の頭から攻撃的な小野瞳選手を投入して勝負をかけてきた。浦和は、76分にエミリー・ギルニック選手を投入した。その直後の失点でゲームをさらに難しくしてしまったのは否めない。勝敗を分けたのは、勝負所を見極めた選手交代であった。

確かに、勝ち点3を狙うのであれば、もっと早く攻撃的な姿勢を見せた選手交代をしても良かったと思ってしまう。引き分け狙いで勝ち点1を獲って9位のコノミヤとの勝ち点差を3にすることも出来た。残留争いによって吉田監督の決断を鈍らせたように思えてならない。

吉田監督は「アウェイの2戦が重要だ。日テレと当たる前に残留を決めたい。勝ち点3差を付ければ、得失点差は優位だ」と話した。

残り3試合、浦和の女の意地を見せて残留を決める。

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