浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付>【河合貴子の試合レビュー】FC東京を下し3年ぶりの決勝へ<高木、遠藤、興梠、駒井、森脇、那須コメントあり>

FC東京を下して、3年ぶりに決勝へ

雨も上がり、肌寒が深まる秋の気配を感じさせる10月9日。浦和を愛する人々の心は、天高く秋晴れとなった。FC東京を第1戦のアウェイで2-1、第2戦のホームで3-1と下し3年ぶりに決勝進出を決めた。決勝の舞台が国立競技場から埼玉スタジアムに移行してから、初めての決勝進出となった。

YBCルヴァンカップ準決勝第1戦、アウェイの地でFC東京を2-1で逆転勝利を収めて、優位な状況でホームへと戻って来た。15日に開催されるYBCルヴァンカップ決勝戦を考慮して、阿部勇樹選手を3月2日浦項戦以来となる今シーズン2度目のベンチスタートとした。ボランチは、準決勝第1戦の前に練習していた遠藤航選手と青木拓矢選手のコンビとなった。

FC東京のキックオフで始まった試合は、開始2分、高木俊幸選手が狙った直接FKが右ポスト直撃した。

高木選手は「少し可能性が見出せたと思った。GKが取り辛いボールだったりとか、ズレて入れば良いかなと言うぐらいの気持ちで、思い切って蹴った。昨日の居残り練習でも感触が良かったから、思い切って狙って見た」と恥ずかしそうに話していた。

立ち上がりから浦和が積極的な姿勢を見せていった。遠藤選手は「アウェイでは、先制されて逆転出来てアウェイゴールが2つ獲れたことは、自分たちにとっては優位な状況にありながらも、ホームでの失点する重みを自分たちは分かっていた。立ち上がりの入り方だったり、如何にゲームをゼロで抑えて進めていくかが今日のポイントになると思っていた」と話した。

ミシャ監督は「今日のゲームは非常に立ち上がりが良かった。第1戦では、2-1と勝利しましたが、アドバンテージを考えてプレーするのではなく、『今日のゲームも勝って勝ち上がるんだ』と言う姿勢を選手たちは魅せてくれた」と満足そうに話していた。 FC東京は、第1戦と同じように前線からプレスを掛けて来たが、浦和は落ち着いて交わし試合の主導権を握っていった。浦和に主導権を握られたFC東京は、16分には中島選手がドリブルで駆け上がるカウンターから、平山選手がエリア内で仕掛けてゴール前へとグランダーのクロスを入れて来たが、ゴール前に走り込むFC東京の選手は居なかった。

東京の篠田監督は「2点をどうしても獲らないといけない状況でしたけど、やはり失点の時間帯ややられ方、そういったものが色々なものをちょっとづつ狂わせて行った。もちろん、ゲームで前から獲りに行く状況を作ったのですが、少し後ろとのギャップが開きすぎて、どうしても入れ代わるシーンが多く見られた。」と悔しそうに話していた。

24分、興梠選手の落としを青木選手が高木選手へと縦パスを入れると、高木選手がダイレクトで右足アウトサイドパスをエリア内に走り込んだ興梠選手へ、興梠選手が冷静にゴールへと流し込み浦和が先制!

興梠選手は「前半、良い流れも出来ていた。今までは、前で収めるミスがちょっと多かったけど、今回は収まって、自分自身でもコンディションが良かったから、今日は点が獲れると思った。1人で打開出来るタイプでは無いので、周りが繋いで最後に僕が決めると言う形じゃないとゴールは獲れない。みんなに感謝したい。トシが持って中にタッチした時は、絶対俺が斜めに走るから見て欲しいとずっと言って来た。あいつ、最初は外に出そうと思っていたと思う。俺が声出して「出せ~」て言って、こっちに振り向いた時にフリーだったことに気が付いてくれたと思う。何秒かの判断で変えたのは、凄い!彼は、勢い乗っている選手なんでね」と笑った。

アシストした高木選手は「欲しかった先制点の起点になれたのは、良かった。良いところに動き出してくれて、その動きもしっかり見えていた。イメージ通りのパスが出せたので、決めてくれて良かった。慎三君の声は、聞こえてないです。確かに外もあったけど、慎三君の方がゴールに直接行くような感じだったから、可能性を感じてそっちに出した」と興梠選手の声は届いて居なかったが、ゴールを決める可能性を信じてパスを出していた。

先制点を決めた浦和は、攻撃の手を緩めることなく追加点を狙って行った。そして、38分には、森脇選手から武藤選手、駒井選手と展開し、駒井選手がFC東京のDFラインとGKの間を狙ったグランダーのクロスを興梠選手が左足先で合わせて倒れ込みながらゴール!2-0と突き放した。

「良いボールが入って来たし、触るだけだった。足を伸ばしたら、たまたま当たった。それが、良いコースに飛んでくれた」とホットした感じで笑顔を見せた。

駒井善成選手は「ミスも多く、あんまり納得出来ない。パスミスが多かった。結果だけがついたゲームだった」と自身のプレーに納得出来ていなかったが、「慎三さんは、チームを勝たせる1点に拘っている。勝負強さを持っている選手だ。2点目のクロスは、練習通りの形が出せた。GKとDFラインのスペースにしっかり流し込めた」と話した。

前半終了間際には、梶山選手のロングボールに飛び出した大谷幸輝選手が、ハンドの判定でイエローカードを貰うシーンもあったが、攻撃的な姿勢を貫いた浦和が無失点で2-0と折り返した。

第1戦のアウェイゴール2失点と前半の2失点で、苦しい状況に追い込まれたFC東京は、ボランチの田邊選手に代えて得点力のあるネイサン・バーンズ選手を投入し、東選手をトップ下に起用して挑んで来た。

だが、53分に駒井選手がエリア内で倒されて獲得したPKを興梠選手が、しっかりとゴール左隅へと叩き込み3-0。興梠選手は、プロになって初めてのハットトリック。また、ミシャ体制で、初のハットトリックを決めた選手となった。

興梠選手は「PKは基本、阿部ちゃん。今日は、たまたま阿部ちゃんが出場していなかったから。みんなもハットトリック獲って欲しい見たいな感じで譲ってくれた。ラッキーでした」とニヤリ。

PKのきっかけになった駒井選手は「PKは、蹴ろうとなって全く思っていなかったと言うか、痛いなってずっと思っていたら、慎三さんが「蹴るぞ」って言っていたので、あぁそうや!PKや!って感じで、チームとしてキッカーは決まっているし、あそこで俺が出て外してしまったら・・・。中島君にも1点返されたし、2-0では危険だから僕は違う形で狙っていく」と浦和での初ゴールはお預けとなった。

3-0とリードした直後、中島選手がドリブルシュートを放つも大谷選手が落ち着いて抑えてゴールを死守。 60分には、攻撃を活性化するためにFC東京は、平山選手に代えて前田選手を用意していたが、浦和のベンチの動きを見て、足に疲れが来ていた吉本選手に代えて高橋選手を投入。

浦和は、武藤選手と興梠選手に代えて李忠成選手とズラタン選手を投入し、攻撃的姿勢を魅せた。

そして、67分には森脇選手に代えて加賀健一選手を投入。森脇選手は「足首も痛いし、背中の張りが出て来て、無理せず。交代枠を1枚もらいました」と申し訳なさそうに話した。

その後も主導権を握り続けた浦和であったが、徐々に足が止まりだし81分に、左バイタルエリアに流れた東選手が平山選手から縦パスを受けると、DFの裏に抜け出した中島選手へと絶妙なクロスを送り、中島選手に1点を返されてしまった。

那須大亮選手は「1失点は余計だった。でも、その後は崩れることなくGK含めて粘り強く守れてた。本当に良かった。平山はデカい選手だし、ポストプレーも上手い。起点を作らせないことを意識していた。あとは、2列目から中島や河野とかアタッカーが飛び出してくることを注意していた」と安堵の表情を浮かべた。

しかし、FC東京の反撃もここまで。浦和が第2戦を3-1でFC東京を下して決勝の舞台へと勝ち上がった。

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