浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付>【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ2ndステージ第15節 vsアルビレックス新潟<青木、興梠、武藤、森脇、那須、西川、関根コメントあり>

興梠100ゴール弾で勝ち越し。首位をキープ

神戸と川崎の結果次第では、浦和の2ndステージ優勝が決まる。山々の紅葉が深まる中、デンカビックスワンスタジアムは、試合開始前から浦和を愛する人々の真っ赤な高揚に包まれていた。

ルヴァンカップ決勝で負傷した宇賀神友弥選手に代わり関根貴大選手が左ワイドを務めて、駒井善成選手が右ワイドを務めた。また、コンディションを考慮して柏木陽介選手がベンチスタートとなり、阿部勇樹選手と青木拓矢選手のダブルボランチで新潟に挑んだ。

今シーズン、リーグ戦初スタメンとなった青木選手は「試合始まる前にロッカーで言われた。少し気を抜いていたところをあった。(柏木選手が)練習をやれていたし、半々で行くのかな」と思っていた。柏木選手も「スタメンは、ただ外れただけ。青木がコンディションが良いから。誰が出ても大丈夫。監督がギリギリまで悩みたかったのかな」と苦笑いしていた。

ミシャ監督は「私にとって簡単な判断では無かった。彼は怪我を抱えている中で、今日の試合を回避することを決断した。柏木がベンチにいると言うことだけでも、彼の存在感がチームに良い影響を与えると思っている。起用するかどうかは、もちろんギリギリまでの判断となった」と試合後の記者会見で話していた。

浦和のキックオフで始まった試合は、守備の意識が高い新潟が5-3-2とブロックを作りカウンターを狙って来た。

試合が動いたのは、7分。遠藤航選手のロングーパスに興梠慎三選手がDFの裏に抜けだして冷静にゴールへと流し込み浦和が先制した。

興梠選手は「オフサイドかと思ったが、良いボールが来た。ワンタッチしてDFが来てないのが見えた。持ち替えて、GKを見て冷静に決められた」と話した。

新潟のDF陣の意表を突くロングパスをだした遠藤選手は「裏を狙おうと意識してやっと出た。前半、フィーリングが良かったのでシンプルにやった方が良いと思った」と思った通りのプレーでゴールが生まれた。

武藤雄樹選手も「固いブロックを退いて楔も入らず、新潟は良い守備をしてきた。試合前から無理に入れてカウンターを避けよう。相手が食いついて来たら裏を取る。シャドーが落ちて慎三さんが裏を取ってゴールが生まれた」と笑った。

浦和は追加点を目指してDFラインを押し上げて主導権を握っていった。しかし、15分に森脇良太選手のミスパスがラファエル・シルバ選手へのプレゼントパスとなり、得意なスピードを生かしたドリブルからゴールへと叩き込み1-1の同点にされてしまった。

プレゼントパスwpした森脇選手は「ボールが弱かった。拓矢(青木選手)か航(遠藤選手)のどちらかに出そうと悩んで航に出した。ボールのスピードが弱すぎて芝生に食われた。同点は、本当に申し訳ない」と下を向いた。

武藤選手は「森脇さんが挑発されていて、落ち着かせられなかった。ミスもあったが、後ろが繋げないのは、前のポジションが悪かった」と責任を感じていた。

新潟は、同点にすると更に守備の意識を高めて、ゴール前を固めてセカンドボールを狙いレオ・シルバ選手を中心としてカウンターを仕掛けてきた。レオ・シルバ選手の動きを意識してプレーしていた青木選手は「完全に負けました。とにかく早い。最初の1歩、セカンドボールを拾いに行く1歩、切り替えしたあとの1歩、レオ・シルバは早かった。相手の外国人選手は脅威だった。行くとき(プレス)とステイをもう少し考えてやれば良かった。後ろが付いて来ないと行く意味がないし・・・。相手が1点獲って、退いて難しいねとハーフタイムにみんなで話していた」と悔しそうに話していた。

浦和は、攻め続けるものの決定的なチャンスが作れず、逆に新潟は虎視眈々とカウンターチャンスを狙う中でも我慢強く闘い1-1で折り返した。

そして、前半に熱くなって異議でイエローカードをもらった森脇選手に代えて那須大亮選手を投入。

森脇選手は「熱くなってしまった。自分の中で明らかにファールだろうと思うところをレフリーが流したり、ファールを取ったり判断基準に納得がいかなかった。「レフリー、判定基準が全く分からないよ」と僕もしつこい人間なので言っていたらイエローカードが出た。1枚は覚悟した。ファールをするためにレオシルバ選手にアプローチした訳じゃない。監督も相手が挑発して来ているから交代だと言われた。悔しかったけど、自分が招いた結果。納得いかない部分と自分の幼い部分が交差するハーフタイムだった」と複雑な心境を話していた。

代わって入った那須選手は「相手の狙いはカウンターだった。攻めさせて、ラファエルを使ってと相手の狙いを感じた。そこだけは警戒しようと思った。球離れを良くしようと心掛けた。ボールを持ち運びも無理に打ち込まず、慌てずに我慢しよう。1-1でも我慢出来た」と話していた。

後半も浦和が主導権を握るが、新潟は更に守備意識とカウンター狙いを強め5-4-1としてブロックを形成し中盤を厚くしてきた。浦和はボールを保持するものの決定機を作れずにいた。

すると新潟は、59分に成岡翔選手に代えて鈴木武蔵選手を投入して攻撃にアクセントをつけて来た。浦和も63分に武藤選手に代えてズラタン選手、69分に高木選手に代えて李忠成選手を投入し攻撃を活性化していった。浦和は攻め続けるも崩し切れず厳しい状況に追い込まれていった。新潟も浦和の猛攻を身体を張って堪え、76分にラファエル・シルバ選手選手に代え野津田岳人選手を投入。

78分には、小泉選手とのワンツーで抜け出した松原選手のクロスに鈴木選手がヘディングシュート!決められたと思いきやオフサイドの判定だった。

西川周作選手は「僕の感覚では、武蔵選手(鈴木選手)が出ている感じがした。良いDFラインだった」と至って冷静であった。

87分には、小泉選手に代えて195㎝の指宿選手を投入しパワープレーを狙い最後のワンチャンスに掛けて来たのだ。アディショナルタイムに入る直前の89分、レオ・シルバ選手がドリブルで持ち上がり松原選手へ、松原選手のアーリークロスに合わせたのはまたも鈴木選手のヘディングシュートが炸裂!間一髪を西川選手が右手でファインセーブを魅せてゴールを死守!後半に新潟に撃たれたシュートは、この1本だけであった。

その直後の90分、浦和に待望の勝ち越しゴールが生まれたのだ。退き気味の興梠選手からパスを受けた関根選手が、相手DFと駆け引きをしながらエリア内へとドリブルで切れ込みクロスを入れると、李選手がタイミング良くDFを引きつけてスルーし、興梠選手が自身100ゴール目となる見事な左足ダイレクトシュートでゴールへと流し込んだ。

右足の親指の爪を負傷していて試合前日にウォーキングだけの調整であった関根選手は「明日試合出て闘えよ!と言われていて、プレッシャーがあった。痛みはまだある」と話したが「相手との駆け引きの中で、正直、戻るか戻らないか迷った。あそこは、周りを信じて残ってたので前に、そこからそれが良い方向になった。あとは、チュン君が美味くスルーしてくれた。イメージは自分がワンツーで撃とうかなぁと思っていた。結果、ゴールに繋がって良かった」と安堵の表情を浮かべた。
李選手は「いるのが分かったから、俺が潰れて慎三だと思った。黒子だよ」と笑った。

興梠選手は「関根が良いボールを入れてくれて、ニアでチュンが潰れてくれてフリーになれた。100ゴールは(決めた選手が)少なくないので、名前を刻めたのが嬉しい。そこを目標にしてきた。達成出来て、ハットトリックも達成出来て、気持ち良く引退出来る」と冗談まで飛び出す嬉しいゴールであった。

苦しい展開の中でも最後の笛が鳴るまで闘い抜いた結果、2-1で新潟を下しリーグ5連勝で年間首位の座を守った。

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