浦和フットボール通信

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レッズレディース最終戦、女王日テレ相手に終了間際に2失点で惜敗<乗松、筏井、猶本、白木、エミリー、後藤コメントあり>

(Report by 河合貴子)

プレナスなでしこリーグ1部第18節 vs日テレ・ベレーザ

秋の空を印象づけるうろこ雲が、浦和駒場スタジアムの上空に広がり少し汗ばむ天気となった10月23日。残り1試合で自力でなでしこリーグ1部残留を決めた浦和レッズレディースは、女王に輝いた日テレ・ベレーザを最終節でホームに迎えた。左足の太腿に張りがあり違和感を感じて試合前日も別メニューで調整していた北川ひかる選手はベンチ外、左サイドバックを塩越柚歩選手が起用された。

浦和のキックオフで試合が始まった。日テレには、なでしこリーグカップ準決勝で0-4と大敗を喫しているだけに、浦和は守備意識が高く身体を張った粘り強い守備を魅せていった。

3分、長谷川唯選手がカットインからシュートを乗松瑠華選手が身体を張ってシュートブロック!

10分、有吉選手が左サイドから切れ込みクロスを入れて来たが池田咲紀子選手がニアでクリアー!続く日テレのCKのチャンスもゴール前の混戦の中から凌いでいった。

乗松選手は「ベレーザと特徴してどんどんポゼッションしながらなので、いつもみたいに前から行くと言うよりは、ある程度DFラインを設定してそこに侵入してきそうになったら限定することを意識していた。蹴られて拾われるのが、一番嫌だった。前半から、コンパクトにすることが徹底出来た」と守備面で手応えを感じていた。

浦和は、日テレに主導権を握られながらも粘り強くシュートを撃たさない守備を魅せた。前半、日テレに撃たれたシュートはわずかに2本であった。しかし攻撃面になると、ボールサイドにスライドして数的優位を作る日テレのポジショニングの良さに決定的なチャンスが作れずにいた。

筏井りさ選手は「相手の裏へのボールとかセカンドも拾えていたが、チャンスになりきったか?そこまで攻撃の形を作れなかった」と悔しそうに話していた。

30分過ぎぐらいから、浦和のリズムになりかけるも決定機は作れずに0-0で前半を折り返した。

吉田靖監督は「今のままで良い。疲れてくると守備の運動量が減って来る。続けることとコンパクトにしてチャレンジ&カバーだ」とハーフタイムに話して選手をピッチに送り出した。

後半も立ち上がりから主導権を握った日テレであったが、61分浦和にビッグチャンスがやって来た。猶本光選手が起点となって加藤千佳選手とのワンツーで抜け出した塩越選手が、ドリブルで切れ込みシュート性のクロスからGK山下選手が思わずファンブル!しかし、詰め切る選手がいなくて決定機を生かせなかった。

そして64分には、栗島朱里選手が負傷交代を余儀なくされて臼井理恵選手が左サイドバックに入り、塩越選手が右サイドバックを任されることとなった。

72分には、FKの崩れから零れ球を拾った柴田華絵選手からパスを受けた猶本光選手が相手DFの意表を突くミドルシュートを放つも決めきることが出来ずにいた。

猶本選手は「奪ったあと、相手がボールサイドに人数を掛けてくるので1個剥がせれば・・・。前半は2本ぐらい運びが出来ていた。後半、もう少し出来れば良かった。合わせていかないといけない。自分の中では、イメージ通りのパスは出せていた」と話していた。

浦和は、リーグ戦限りで退団が決まっているエミリー・ギルニック選手を後藤三知選手に代えて投入。高さとパワーでゴールを狙っていった。すると、78分に乗松選手からロングフィードを受けたエミリー選手がドリブル突破で持ち上がるもゴール前に飛び込み選手に合わず。79分にも乗松選手からエミリー選手をターゲットにボールを入れ込み、有吉選手と村松選手に挟み込まれながらもエミリー選手が抜け出しシュートを放つも決まらず。

白木星選手は「エミリーが入ってロングボールに勝っていたので、その周りにいようと思った。けど、DFラインを合わなかった」と悔しそうに話していた。

お互いに決定機が作れない膠着した展開の中で、試合はこのまま引き分けかと思った瞬間の86分、有吉選手のクロスをゴール前で田中選手にヘッドでファーに逸らされてしまい、そこにフリーで走り込んだ途中出場の鳥海選手が放ったシュートがゴール右ポストに直撃!

その跳ね返りを阪口選手が豪快に左足を振り抜き、日テレが待望の先制点を叩きだした。

試合終盤に1失点した浦和は、リスクを冒して前掛かりになったところを長谷川選手がドリブルでゴール前まで運び隅田選手へ、隅田選手が冷静にゴールへと流し込み、90+2分に0-2となってしまった。アディショナルタイムは、3分。わずかな残り時間で日テレに2ゴールを奪われてしまい0-2と惜敗。最終戦を有終の美で飾ることは出来なかった。

試合後には、エミリー選手の退団セレモニーが行われた。

エミリー選手は「心から私たちのことをサポートして下さった方々に感謝したい。私のキャリアの中で、このチームのサポーターは印象に残るものだった。あなた達のことは、忘れません」と話し「浦和の一員であったことを誇りに思う」と浦和を愛する人々に心を込めてお別れの挨拶をした。

また、今シーズンのリーグ戦の締めくくりとして吉田靖監督は「本当に今シーズンは、厳しい、苦しいシーズンだった。良いシーズンが送れずに申し訳ありませんでした。熱い応援を送り続けてくれたファン・サポーターに感謝しています。皇后杯もある。引き続き応援をよろしくお願い致します」と深々と頭を下げた。

キャプテンの後藤三知選手は「今シーズン、たくさんの負けを経験しました。苦しい闘いを続けている中で、チームを良くしようと思ってくれた方々、どんな時でも支えてくれた方々がいて、今がある」と話して感謝の意を表した。

そして、チーム全員で浦和駒場スタジアムに足を運んで下さったファン・サポーターの方々を感謝の気持ちと皇后杯優勝を目指す思い込めてお見送りをして苦しいシーズンとなったリーグ戦を締めくくった。今季は8位、6勝1分け11敗。勝ち点19ポイント。得点18点、失点24点だった。

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