浦和フットボール通信

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【レッズ磐田戦前日練習レポート】あくまで年間首位にこだわって。ペトロヴィッチ監督「今季の目標はタイトルを獲ること」

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(Report by 河合貴子)

あくまでも年間首位にこだわって、磐田に勝利するのみ!

昨日の晴れ渡る秋空とは打って変わって小雨混じりの肌寒い10月28日、磐田戦の前日練習が始まった。

磐田に引き分け以上であれば、浦和の2ndステージ優勝が決まる。だが、選手たちからは緊迫した雰囲気も感じられずリラックスした和やかな雰囲気で練習が始まった。

アップの通称”鳥かご”のボール回しでは、実に楽しそうに笑い声が聞こえてきた。特に目を引いたのは、ミスをニヤリと笑って誤魔化そうとした武藤雄樹選手であったが、見破られてしまい思わず頭を抱える姿にチームメイトは「甘くないよ」と大爆笑していたシーンであった。

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また、グッと冷え込んだ寒さで、さすがに半袖の選手はいなかったが、帽子に手袋と重装備で練習に挑んでいたのは興梠慎三選手だけであった。その興梠選手だけが、アップ後は別メニューでコンディション調整を行った。

恒例のミニゲームは、人数が足りないために10対10と変則的な形で行われた。

ビブ組は、GK西川、DF槙野、阿部、遠藤、森脇、MF阿部、青木、高木、武藤、FWズラタン。ビブなし組は、GK大谷・岩舘、DF平川、永田、イリッチ、加賀、MF那須、駒井、関根、石原、FW李。両チーム共にワイドの選手を置かず、4DFのサイドバックが縦のスペースを活用して上下運動激しく動いていた。

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立ち上がり行き成り積極的な姿勢を見せたのは、ビブ組であった。DFラインを遠藤航選手と阿部勇樹選手が息を合わせてコントロールして押し上げると、槙野智章選手が高いポジションを取り高木俊幸選手へとスルーパスを狙っていった。

主導権を握ったビブ組であったが、先制点はビブなし組であった。攻守の切り替え早くワントップ李忠成選手へとボールが収まり、李選手のマイナスのクロスを那須大亮選手が豪快に右足を振り抜きゴールを決めた。

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すると、主導権を握っていたビブ組が圧力を強め、武藤選手の横パスをズラタン選手が、阿部選手から左のスペースに顔を出した柏木選手のクロスを高木選手が決め、さらに青木拓矢選手からDFの裏を狙った武藤選手へとパスが通り、武藤選手がGKの動きをしっかりと見てゴールへと流し込んだ。

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主導権を握られて押し込まれたビブなし組は、「DFライン!上げよう!」とボランチを任されていた那須選手が声をかけてDFラインを押し上げると、前線からのプレスが激しくなり西川周作選手へ李選手と石原選手が挟み込むようにプレスを掛けて行った。

二人に挟まれた西川選手は立ち往生。結局、石原選手が競り勝ってボールがゴール前へと零れて行ったが、そこはリスクマネジメントをしっかりしていた遠藤選手の見事なカバーで事なきを得た。

ミニゲームは、お互いに球際に厳しく激しいバトルを繰り返した。特に槙野選手と加賀健一選手の男の意地のぶつかり合いが面白かった。二人とも譲らずに、ミニゲームにレフリーがいたらファールで止めていたシーンもあった。

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一進一退の攻防の中で、確実にゴールを仕留めたのは、ビブ組であった。阿部選手からの縦パスを受けた武藤選手が決め、ラストゴールはインターセプトした遠藤選手が素早く縦パスをズラタン選手へと送り、ズラタン選手を追い越す動きで高木選手がズラタン選手からパスをもらって最後を締めた。

結局、変則的な形で行われたミニゲームは、ビブ組の前線のズラタン選手1ゴール、高木選手2ゴール、武藤選手2ゴールの計5ゴールに対し、ビブなし組は那須選手の1ゴールだけの結果となった。

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練習が終わるころには、雨足が激しくなり選手たちは居残り練習もそこそこに足早にロッカールームへと引き上げていった。

ペトロヴィッチ監督「今季の目標はタイトルを獲ること」

練習後、ミシャ監督は「磐田は残留を争いしていてポイントが欲しい。我々も優勝争いしていて重要なゲームだ。チームの状態は良い。全てを出して全力で闘い勝利を獲る」と話し「昨年、1st、2nd、チャンピオンシップと変わった。1st優勝を手にして喜びましたが、最終的にチャンピオンシップ、年間を獲ることに価値がある。1st、2nd優勝は大きな意味も持たない。その先があることを見据えていかないといけない。今シーズンの目標は、タイトルを獲ること、年間を獲ること。その目標に向かって闘っていかないといけない」と気持ちを引き締めていた。

また、前節の新潟戦を回避した柏木選手は「明日になってみないと、分からん」と一言だけ言い残してロッカールームへと向かった。だが、今日のミニゲームの動きを見ていれば大丈夫そうな感じであった。

磐田に引き分け以上で2ndステージ優勝が決まる。そして、鹿島対川崎戦で川崎が敗戦すれば年間首位も決まる。対する磐田もJ1残留を確実なものにしたい。1stステージの磐田戦では、名波監督の徹底した浦和対策にやられた苦い思いがある。名波監督率いる磐田を侮っては絶対にいけない。

2ndステージ優勝に王手を掛けた浦和は、明日の磐田戦に向けて静岡へと向かった。

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