浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命チャンピオンシップ決勝第2戦vs鹿島<武藤、宇賀神、遠藤、阿部、西川コメントあり>

チャンピオンシップ決勝第2戦で逆転負け。アウェイゴール数でチャンピオンになれず

日中は、穏やかな秋空が広がった12月3日。決戦を前に静かに夜の帳が下りていった。だが、埼玉スタジアムは浦和を愛する人々の熱気に試合前から包まれていた。

チャンピオンシップ決勝第2戦、浦和は第1戦フル出場した李忠成選手に代えて高木俊幸選手を、駒井善成選手に代えて関根貴大選手をスタメンで起用。浦和に2点以上で勝たないといけない鹿島は、負傷明けで第1戦を途中出場した柴崎岳選手をスタメンで起用してきた。

鹿島のキックオフで試合が始まった。鹿島は予想通りDFラインを押し上げて前掛かりにやって来た。それを逆手に取るようにゲームの入りから浦和は攻守の切り替え早く鹿島ゴールへと襲い掛かった。

5分には、関根貴大選手のドリブルの仕掛けから送り込んだクロスを武藤雄樹選手がスルーして高木俊幸選手がタイミング良くシュートを放つも、身体を張った昌子選手に阻まれてしまった。

そして7分、関根選手のスローインをバイタルエリアで受けた高木選手がダイレクトでクロスを上げると、興梠慎三選手の右足ボレーシュートが綺麗に決まり浦和が先制!!

さらに浦和は、攻撃の手を緩めることなく鹿島ゴールへと襲い掛かっていった。

10分、武藤選手が右サイドからドリブルで相手DFを交わしてシュート!しかし、クロスバーに直撃!

27分には、相手がトラップした瞬間を宇賀神友弥選手が狙いインターセプトして素早く武藤選手へ、武藤選手のシュートは昌子選手のブロックされてしまった。

武藤選手は「先制出来たのは、良かった。鹿島にしたら、どっちみち2点決めないといけない。そんなに試合事態に影響は無かったと思う。僕たちが2点目を獲れば、明らかに優位な展開になった。前半に、チャンスをものに出来なかったのは悔しい」と話した。

浦和が決定的なチャンスを決めきれずにいると、30分過ぎから鹿島が主導権を握り始めた。ミシャ監督は「自分たちがボールをつなげない、あるいは前に蹴り出すだけになってしまった。リードして、少し相手が攻勢に出てくる中で受けに回ってしまった感が否めない。試合前に選手たちに伝えていたのは、守るだけになるなと。必ずボールを後ろからつなぐこと、相手の守備を剥がしていくこと、そういうことをやるように求めたが、なかなか前半の途中から自分たちがボールを持つことができなくなってしまった」と流れが悪くなった前半終盤を振り返った。

40分、ファン・ソッコ選手のロングフィードを遠藤選手が宇賀神選手に身体を預けながら抜け出し、遠藤選手のクロスをファーサイドで合わせた金崎選手のヘディングシュートが決まり1-1。

宇賀神選手は「1失点目・・・。難しかった。一発勝負の試合で失点に絡んでしまうのは軽率だった。何でもないロングボール1本だった。攻め残っている選手をしっかりと掴まなきゃダメだった」と自責の念に駆られていた。

遠藤航選手は「みんな守備の意識は持っていたが、あのシーンだけは、ウガ君(宇賀神選手)の競り合いをふっと見る人が多かった。みんながポジショニングを取って、最悪な事態を想定した守備が出来たと思うともったい無かった」と失点シーンを振り返った。

同点にされて阿部勇樹選手は「先に1点取った後、いつもとはちょっと違った。その中でもやっていかなければいけなかった中で、うまく自分たちのプレーを出せなかった。その中で同点に追いつかれてしまった。結果がすべてを物語っている」淡々と話した。

前半を1-1で折り返した。引き分け以上で浦和の優勝が決まる状況であったが、鹿島は2点目を獲って勝つと言うメンタル的に優位に立ったのだ。

ハーフタイムにミシャ監督は「もう少し後ろからボールを繋いで行こう」と後方からの攻撃の組み立てで攻撃のリズムを作りゲームをコントロールしていくようにと選手たちをピッチへと送り出した。

後半の立ち上がり、浦和が積極的に仕掛けていった。

遠藤選手は「3枚回してやる形で、前半は自分が開いて受けるシーンが無かった。後半は、阿部さんと4枚回しにしてある程度ボールを動かすシーンはあった」と後方から攻撃のリズムを作り出していった。

だが、鹿島の勢いは止まらなかった。そこで、ミシャ監督は59分に高木選手に代えて青木拓矢選手を投入。柏木選手をシャドーへのポジションへと変更した。61分には、関根選手に代えて駒井善成選手を投入し右サイドを活性。しかし、浦和は前線に溜が作れずに苦戦を強いられてしまった。そして、71分に興梠選手に代えてズラタン選手を投入し、交代枠を全て使い切ったのだ。

しかし、鹿島は柴崎選手から浮き球に槙野選手の後方から途中出場した鈴木が抜け出してエリア内へ。思わず槙野選手が倒してしまいPK。

宇賀神選手は「なかなか前に収まらず、堪える時間がほとんどの中で、2点目も奪われ方から少し抜け出されたのは、事故的なパスだった。自分の目の前から先に動かれたので、あそこも着いていけたかなと思う」と悔しそうに話した。

キッカーの金崎選手がキッチリと決めて1-2にされてしまった。

西川周作選手は「自分自身も準備して良い間合いで詰められていた。相手も左足で自分の間合いに持って行けそうだった。ただ、PKになってしまったのは受け入れないとって切り替えた。PKを止められれば結果は変わってきた」とPKのシーンを振り返った。

これで、アウェイゴール2点目を獲った鹿島が、優位になってしまった。逆に浦和は、とにかく1点を獲るしかない状況に追い込まれたてしまったのだ。そこで、ミシャ監督は槙野選手を前線にあげて4-4-2とシステム変更しパワープレーを仕掛けた。

武藤選手は「マキとズラが競ったあとのセカンドボールを意識した。何回かチャンスは来ると思った」と森脇選手のクロスをヘッド槙野選手が落とし、武藤選手がシュートを放つも決めきれず・・・。最後の笛が鳴るまで浦和は猛攻を仕掛けるが、固い鹿島の守備を崩せず。逆転負けを告げる無情の試合終了の笛が埼玉スタジアムに鳴り響いた。

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