浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「時薬~元気出して行こう!」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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来シーズンは、優勝を狙いつつも上乗せする体制を是が非でも整えたい。

言葉には表現出来ないほどの何とも言い難い、とてつもない虚脱感と倦怠感が襲った。あれから1週間以上も過ぎたのに・・・。今シーズンの最後にこんな結末が待ち受けているとは、予想だにしなかった。

今年の浦和は、例年と違い大人の闘いが出来るチームに成長したと、取材を通して感じる日々であった。しっかりと前からプレスを掛けてDFラインを押し上げコンパクトにして主導権を握る。無闇に焦って縦パスを打ち込まず、後方からの攻撃の組み立てでボールを保持して攻撃のスイッチを入れる。また、ブロックを形成してしっかりとした守備から攻守の切り替え早く攻撃も出来た。ゲームの流れを読んで、素早く判断をする。それが出来たからこそ、勝ち点74ポイント獲得し年間首位に輝いたのだ。

プレッシャーの掛かる試合で負け続けて毎年「リーグ終盤の失速」と言われたが、ルヴァンカップの優勝によりメンタル的にも一段階上に行けたと思えた。チャンピオンシップ決勝第1戦のアウェイ鹿島で1-0で手堅く勝利を収めた。優位な状況でチャンピオンシップ第2戦を迎えた。今年の浦和は、違うと信じていた。絶対にチャンピオンシップ決勝で浦和の強さを魅せ付けて「真の日本一」の栄光を掴み、シャーレを堂々と掲げてクラブワールドカップに出場して、決勝でレアルマドリッドと対戦すると思っていた。

しかし、実際はチャンピオンシップを勝ち抜きクラブワールドカップでレアルと対戦するのは鹿島だ。期待し、信じていた故になかなか気持ちの整理が出来ずにいる。ブラックボックスの中に心が迷い込んで抜け出せない。

知り合いからは「浦和、残念だったね」と声を掛けられたり、浦和を愛する人に出会うと「なんでこうなるんですか?」と尋ねられたり、家では84歳になる母親から選手を責める愚痴を聞かされて耳を塞ぎたくなる。現実逃避に陥りながらもがいている。

クラブワールドカップでの鹿島の快進撃を観ると、浦和だったらどう闘っていただろうかと想像してしまう。何とも情けない。だが、浦和には無い鹿島のしたたかな強さを見ると、認めたくないが「真の日本一」は、やはり鹿島なのだと思うと錆び付いた溜め息が出てしまう。実際にピッチで闘った選手たちは、オフになって気持ちを切り替えようとしているだろうがそう簡単では無いはずだ。オリンピック後に興梠慎三選手が燃え尽き症候群になったように恐らく燃え尽きていると思う。選手たちのことを思うと、いたたまれなくなってしまう。

天皇杯も敗退し、オフになり心が立ち直らないまま無駄な時間だけが過ぎて行く。このままでは、ダメだと何度も自分に言い聞かせる。そして、ふっと頭を過ぎることがある。好調だったチームが、様々な面で信頼を失い翌年はガタガタと崩れてしまったことがあったのだ。

2007年、ACLは優勝を果たしたのに、Jリーグは優勝を目前にして最後に2連敗を喫し勝ち点1差で鹿島に逆転優勝されてしまった。その翌年、開幕戦から3連敗して、オジェック監督をいきなり解任してからは、チームは一気に崩壊しJ2降格の危機にまで晒されてペトロビッチ監督が就任するまで暗黒の時代を彷徨うことになってしまった。

ペトロビッチ監督となりチームは、優勝争いが出来るところまで成長した。1人の監督が5年も掛けて作り上げたチームには、デメリットもあるのは確かだ。継承して、そこに上乗せする体制が無ければチームは崩壊し始めるだろう。

鹿島は、監督が代わっても一貫した伝統がある。それが鹿島の強みだ。しかし、浦和には一貫した伝統がない。来年は、ペトロビッチ監督体制6シーズン目を迎える。来シーズンは、優勝を狙いつつも上乗せする体制を是が非でも整えたい。

今シーズン共に闘い、勝ち点74ポイント積み上げた自信を失ってはいけない。疑心暗鬼になると前へは進めない。ブラックボックスの中に迷い込んだ心が少しだけ明るくなった。時間の経過と共に少し前向きに今シーズンを考えられるようになった。時が薬となっている。時薬が、ブラックボックスの中に迷い込んだ心に効いてきた。元気出して行こう!

Q.精神的な疲労について教えて下さい。

A.運動をし過ぎることにより精神的に疲れると、身体の中のホルモンのバランスが崩れて筋肉の回復を遅らせてしまいます。オーバーユース症候群中には、精神的疲労もあります。意欲が落ちれば、ホルモンの分泌が悪くなりパフォーマンスが落ちてしまいます。軽いトレーニングをしながら、リフレッシュすることが大切です。トレーナーさんたちが、メニューを作り食事管理し、乳酸値を図ったりケアーをしていきます。40℃ぐらいのお風呂にゆっくりと浸かりリラックスして疲れを取ると良いでしょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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