浦和フットボール通信

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クラブ純資産は10億を越える。淵田代表「我々がチャレンジしていくベースが整った」【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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安定した経営で、強くて魅力あるクラブ作りを。

経営が安定していなければ選手の補強ももちろんだが、長期を見据えた育成もクラブハウスなどのハード面の環境整備もできない。

4月28日にさいたま市内で定時株主総会が開かれ、2016年度の事業収支が承認された。開示された浦和の経営状態は、クラブ史上初の10億円を越える(11億8千7百万円)純資産となった。

淵田敬三代表取締役社長は「非常に良い決算だった。全ての収入項目が増収で、利益が出せたし、良い形で終わった」と嬉しそうに話した。

そして「昨年、三菱自動車が日産との提携問題があって資本の問題で苦労したが、結果として三菱重工に目をかけて頂いて、増資ができた。我々の1つの大きな目標は、クラブライセンス制度もあるし、これから世界に向かって羽ばたいていくにあたり、財務が安定していないといけない。まずは、純資産を10億にもっていきたいことが達成できた。問題が起きても3年ぐらい堪えられる。さらに15億ぐらい純資産を増やしていきたい」と話し「単純に利益を積み上げるのではなく、バランス良く考えていくことが必要だ。これから我々がチャレンジしていくベースが整った」と長期的にみた時のしっかりとした投資を視野に入れていた。

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16年ぶりとなった第三者割当増資によって、2億2,560万円の資本増強が行われた。チーム強化のためのラファエル・シルバ選手をはじめとする選手補強や練習トレーニング環境改善への投資(今年の秋に完成予定のクラブハウス増築)など行うことができたのだ。

また、今シーズンは、下部組織の各カテゴリーでの海外遠征やオンラインチケットサイトとREX CLUBを接続させるなど全てにおいてバージョンアップを図る。さらに2020年東京オリンピックに向けてサッカーの会場に指定されている埼玉スタジアムの改修やアクセス問題などを行政と一緒に取り組んでいく。

昨シーズン増収になったのは、浦和の3本柱と言われる入場料収入と広告料収入、グッズの売り上げが伸びたことであった。昨シーズンのリーグ戦は、平日開催が増えたことが入場者数の減少した要因の1つでもあったが、チャンピオンシップ、ルヴァンカップ、ACLの試合数が多くなったことで、総入場者数は2015シーズンの75万7,279人に対し、2016シーズンは83万7,237人で約8万人増えることとなった。

それに伴い、グッズ収入も増え、さらにルヴァンカップ優勝記念グッズや阿部勇樹選手500試合達成記念グッズなどで売り上げに拍車をかけることになった。

また、広告料となるパートナー収入も新規パートナー獲得などがあり、25億9,300万円となり5年連続増加となった。

チャンピオンシップ優勝、ACL優勝は果たせなかったが、ルヴァンカップ優勝と年間勝ち点1位を獲得したことが大きい。

再び1ステージ制に戻った今シーズン、淵田社長は「本来、サッカーはホーム&アウェイで1シーズンを闘い、その結果を観ていくものだ。本来の形に戻って良かったと思う。ただ心配なのは、チャンピオンシップの闘い方に慣れてしまったファン・サポーターの方々がいらっしゃるので、頭を切り換えて頂き、毎試合1年間チームや選手の状況を観てもらいながら、喜怒哀楽を共にして楽しんでいくことをもう一度みなさんに分かってもらえるようにやっていかないといけない。ラファエル・シルバが加入したりして活性化した。何があっても勝つから、試合を観て感動して帰ってもらうことが、少しずつ出来上がってきている。毎試合、毎試合、選手の調子をみながらあの選手怪我しちゃったとか、今日は疲れているとか・・・。楽しみながら1シーズンを満喫してもらえたら有り難い」と話し、「Jリーグのリーディングクラブとして、基板が出来つつある。ブレずにしっかりとやっていくが大事だ。選手たちもハツラツとサッカーをやっている。それが、ファン・サポーターの方々にも伝わっていると思う。もう一度原点を見つめ直して、来てくださる方々に楽しんで感動してもらうことをやっていく。ただ、過去のこともあるので油断は禁物だ。選手たちは、私以上に考えてやっていると思う」と身を引き締めて話していた。

また役員人事で山道守彦取締役強化本部長が新任されたことについて「クラブ運営のオペレーションは、プロパーでしっかりとやる体勢が必要だ。その1つのきっかけでクラブスタッフにも意識を持ってもらいたい意味から、山道さんに役員になってもらった」と淵田社長は話した。

無借金経営で純資産を約11億円に伸ばし業績をあげた。世界に羽ばたくための基盤はできたのだ。浦和は、安定した経営で強くて魅力あるチーム作りをしていく。

それには、今シーズンもチームはしっかりとした成績を結果として残していかなければならない。そして、サッカーを通して地域社会に貢献し、もっと愛されるクラブに成長していく。

Q.精神的な疲労について教えて下さい。

A.運動をし過ぎることにより精神的に疲れると、身体の中のホルモンのバランスが崩れて筋肉の回復を遅らせてしまいます。オーバーユース症候群中には、精神的疲労もあります。意欲が落ちれば、ホルモンの分泌が悪くなりパフォーマンスが落ちてしまいます。軽いトレーニングをしながら、リフレッシュすることが大切です。トレーナーさんたちが、メニューを作り食事管理し、乳酸値を図ったりケアーをしていきます。40℃ぐらいのお風呂にゆっくりと浸かりリラックスして疲れを取ると良いでしょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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