浦和フットボール通信

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西川周作が代表落ちを受け止め、誓った思いとは【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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自分が目指す道と代表で求められていることは違いはある

ロシアへと繋がるワールドカップアジア最終予選。グループリーグ上位2チームが、無条件でワールドカップ出場権を獲得する。グループBは、日本、サウジアラビア、オーストラリアの三つ巴と言っても過言ではない状況だ。

日本は、6月13日アウェイでのイラク戦を征して、勝ち点19として首位通過を狙いたい。8月31日に開催されるホームのオーストラリア戦を少しでも優位な状況で迎えたいし、さらにグループリーグ最終節となる9月5日アウェイでのサウジアラビア戦の前に自力でワールドカップ出場を決めたい。

イラク戦を目前にしてハリルホジッチ監督が、招集したメンバーの中に西川周作選手の名前はなかった。

アウェイでの済州戦を終えた翌日のホテルで、マネージャーから「バックアップメンバー」だと西川選手に伝えられた。「代表は、一回外れただけで落ち込む必要はない。自分の中でブレずに続けるだけだ。あとは、結果で示していけば必ずチャンスはある」と西川選手は、サバサバとした口調で話した。

ハリルホジッチ監督が招集したGKは、「安定したパフォーマンスみせている」と評価した川島永嗣選手(FCメス)と東口順昭選手(G大阪)、そして「最近、素晴らしいクオリティーを魅せている」と中村航輔選手(柏)であった。

日本代表に呼ばれ続けていた西川選手と林彰洋選手(FC東京)はメンバー外となり、「長い間、彼らを追跡してきたが、現在の彼らのパフォーマンスは満足していない」とハリルホジッチ監督は記者会見で話していた。

ハリルホジッチ監督がGKに求める安定したパフォーマンスとは、シュートストップのクオリティーであった。シュートストップのクオリティーは、もちろんシュートを止めるだけでなく、相手にシュートを撃たさない的確なコーチングや守備範囲の広い飛び出しの判断なども含まれている。

身びいきなのかも知れないが、正直な所、西川選手のクオリティーが他のGKと比べて低いとは到底思えない。ただ、今シーズンの浦和はDFラインを昨シーズンよりも約5m高く設定したためにカウンターの脅威に晒されて失点するシーンが多くなったのは否めない。

13試合消化したリーグ戦では、13失点もしているのだ。開幕戦から失点が続き、無失点で押えたのは、仙台戦とFC東京戦の2試合のみである。相手のシュートを褒めざるを得ない失点も確かにあったが、それにしても失点が多い。

失点は、GKだけの責任ではない。ボールの失い方やファーストDFの掛け方、攻守の切り替えなどさまざまな要素が絡み合っているのだ。だが、最後の砦と言った意味でハリルホジッチ監督は、西川選手のパフォーマンスを評価して代表から外したのだろう。

西川選手は「代表のコーチともコミュニケーションをずっと取りながらやっている。当然、自分のことを見てくれているので凄く有り難い。代表監督に、無失点で押える姿を見せることができれば・・・。本当に単純だが、それに尽きると僕は思う」と少し切ない表情を浮かべた。

そして、西川選手はすぐに気持ちを切り替えて、自信たっぷりに「でも、僕自身やろうとしていることは、代表とはまた違うことを求められている。ただ、GKとしてゴールをどうやって守るかの違いだと思う。自分がやろうとしているプレーを追求しながら、いつか代表に自分のプレーが活かされる日が来ると信じながら、チームでしっかりと結果を残す。今は、リーグ戦も6位なのでここから這い上がって、次の代表のときには自分たちが上位争いしていること、結果を残せれば下から這い上がってきているインパクトも残せる。そういった意味でもチャンスだと思う」と話した。

そして「チームで結果を残し続けることに集中して」と一呼吸入れて「集中できると思う」と心を奮い立たせていたのだ。

西川選手のプレーの一番の魅力は、シュートストップではなく足技だ。西川選手からの正確なロングフィードは、他のGKとは一線を画するほど秀でている。実際にGKからのアシストでゴールへと導いたGKは、西川選手以外に日本で存在するのだろうか・・・。

しかも、利き足は左だ。西川選手には、他のGKにない武器を持っている。現在の浦和の守備が構築されたら、西川選手は守りやすくなるはずだ。そして、この武器と共に無失点で浦和は、最強のチームになる。そうなれば、ハリルホジッチ監督も西川選手が欲しくなるはずである。

西川選手は「無失点を意識して、守備だけでなく攻撃参加の所の良さをドンドンだしていく。観ている人たちが、楽しんでもらえるような選手になっていけたらなぁという思いが自分の中で凄くある。他のGKがない物を自分は持っていると自信はある。それをとにかく結果で示して自分たちが連勝していけばインパクトは残せる」と目を輝かせた。

そして、ピッチに立てなかったワールドカップブラジル大会と思い出しながら「前回ベンチから見ていたが、あの独特な緊張感・・・。サッカー人生でそうそう経験できないものだ。今後の財産になると確実に思えた大会ですし、出る、出ないでは出ている選手のプレッシャーだったり緊張感はさらに凄いと思う。まずはチームとして予選突破したい。そのために、次のイラク戦は応援しながら観ていきたい」とロシアへと思いを馳せた。

「まだ、チャンスはありますね。確実に!!」

西川選手は、笑顔を浮かべて気合いを入れた。本来、西川選手が持っている武器に安定した守備力が備われば、自ずとロシアへの道が開かれるだろう。

浦和から世界へと闘うために、無失点の結果に拘り、しかも自分らしく西川選手はゴールマウスに立つ。

Q. 疲労を溜めないためのストレッチを教えてください。

A. ストレッチには、静的と動的があります。例えば、運動前に行うストレッチは筋肉を起こしてあげて怪我の予防になります。しかし、運動前に静的なストレッチを行うと筋肉がダランとしてパフォーマンスが上がらなくなります。運動直前のストレッチは動的ストレッチ、運動直後のストレッチは筋肉をほぐして緩める静的なストレッチで疲労を溜めないようにしましょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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