浦和フットボール通信

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勝利への道筋は何かを教えてくれた関根貴大のゴール【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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連敗を止めた広島戦でのスーパーゴール

浦和に勝利を呼び込んだのは、最後まで諦めない闘う気持ちでゴールを目指した関根貴大選手であった。

前節の鳥栖戦で敗戦して3連敗。先制するも2点のリードをひっくり返されて逆転。途中出場のズラタン選手のゴールが決まり同点になったのは85分。勢いづく浦和であったが、無情にも刻々とタイムアップの時が近づく。チーム状況が悪い中で、連敗は止めたが勝ちきれない引き分けか・・・。何とかこの状況を打破したい。アディショナルタイムは、5分。5分あれば1点獲れるはずだ。浦和を愛する人々の思いを背負い、関根選手は自陣でパスを受けると皆川選手が猛ダッシュで奪い来たのをあざ笑うかのように、広島ゴールへと向かいドリブルを始めた。

当然、広島は関根にプレスを掛けて来たが、ミドルシュートの可能性があるためにドリブルのコースを上手く切ることができずに、逆に関根選手は自分のタイミングでドリブルのリズムを掴みスピードに乗ってペナルティーエリアへと侵入しゴールへと向かった。

関根選手は「自分は最初、行く気はなかったんですが、皆川選手が結構な勢いで来てパスコースが無くなって、ドリブルを始めた。そのあと、2人の間を抜いたときにスピードに乗れた。相手がスライディングに来ていたのも、シュートブロックに来ていたのも見えた。それを上手く交わしながらドリブルできた。パスの選択肢はなかった。ただ、キーパーがニアに寄っていたのが見えたのでそこしかないと思った」とゴールシーンを振り返った。

「何人抜き?」の問いに、自分のプレーを思い出しながら「1、2~6かな。最初の皆川選手のやつを入れたら6!最高ですよ」と恥ずかしそうに笑い「小学校の6年生の時に11人抜きはあった。市内大会でGKをやらせてもらって、「点を決めたらラーメン奢ってくれる」ってコーチに言われて」と笑った。

関根選手のドリブルは、力強くもあり、しなやかでもあった。そして、渾身の一撃で振り抜いた右足は、浦和を勝利へと導いたのだ。関根選手にとって、「今まで一番嬉しい」ゴールであった。

ゴールを決めた関根選手に、真っ先に駆け寄り抱きついたのは李忠成選手であった。広島戦の2日前の練習中に、ボールに対する執着心から揉めた関根選手と李忠成選手。試合だったらイエローカードが関根選手に出されてもおかしくないファールであった。

李選手は「やっぱり遊びでやってないんでね。上手い、下手関係なく練習中から気持ちでぶつかっていかないとね。悪い意味で切れたんじゃないんですよ。当たり前だと思う。あのようなのがあるのは。別に殴り合ったとかじゃないし、これがサッカーだと思う。2人で、これがサッカーだよねって話した」と笑顔を見せていたのだ。

だから李選手は、最後の笛が鳴るまで諦めずに勝利への強い気持ちを魅せた関根選手のゴールが本当に嬉しかったのだ。

関根選手は「チュン君(李選手)も思っていたと思うし、俺もチュン君にアシストして」と二人で勝利への貪欲さを魅せたかったのだ。そして、「あの一件があったから、(ゴールを)決められたなっていうのを思っていた。あれが、今日の試合に生きた。チームの闘うところだったり・・・。行動は良かったと思わないが、あれが良い方向に繋がったんだと思う」とはにかんだ。

プロとしてピッチに立つ以上は、決して遊びではない。結果が求められる。そのために、何をしないといけないのか・・・。今、一番浦和に欠けているものを関根選手は、決勝弾だけでなく攻守に渡り広島戦で示してくれたと思う。

ヒーローインタビューで関根貴大選手は「本当に厳しい闘いでしたけれど、自分がこのチームを変えてやるんだという強い気持ちで臨みました。ラストあと一歩、あと一歩と思いながら最後振り抜いてゴールに入ったので良かったです」と力強く話していた。

関根選手のゴールによって4-3で広島に勝利を収めることができ3連敗を止めたが、浦和が置かれている危機的状況は何も変わりもない。ただ1つ言えることは、関根選手がアディショナルタイムに魅せた広島のゴールに向かう姿勢は、勝利への道であったことだ。

浦和を愛する人々の心に届くゴールであった。勝利への道すじが、何であるかを関根選手は、ピッチで魅せてくれた。浦和が栄光を手にするために・・・。リーグ戦は、残り18試合だ。厳しい状況だからこそ、最後まで諦めずに強い気持ちで目の前の1戦、1戦を闘っていく。

Q. 腸腰筋や恥骨筋とは、どのような筋肉なのですか?

A. 腸腰筋は、骨盤から股関節の内側の筋肉です。股関節を曲げたり伸ばしたりする筋肉です。分かりやすく言えば、階段の上り下りや足を前に運ぶときに使う筋肉です。恥骨筋は、一番根元にある筋肉です。恥骨筋は、足を内側に捻る動作や股関節の屈曲動作で使う筋肉です。サッカーではインサイドキックでも使います。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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