浦和フットボール通信

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マウリシオがディフェンダーとして心掛けていること、現状で感じている手応えは【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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ゴール前に立ちはだかるレッドクリフになる

ペトロヴィッチ監督体制から引き継いだ堀監督が最初に手がけたのは、守備意識と改善であった。両ワイドが下がり5DFとなり守備ブロックを退いたところから始めたのだ。

シャペコエンセ戦を含めて公式戦12試合を闘い、失点は18だ。8月、9月と過酷な日程で、対戦相手のコンディション的な不利な状態と言え失点が多いことは否定できない。無失点に抑えたのは、甲府、シャペコエンセ、YBCルヴァンカップのC大阪戦の3試合だ。

9月9日の柏戦から4DFを採用するも失点は止まらない。天皇杯・鹿島戦では、熟練度の高い4DFの違いを見せ付けられる結果になってしまった。

天皇杯の登録の関係で出場できなかったマウリシオ選手は「2点のビハインドの状態でドローに追いつくことができて希望を感じたが、残念ながら3点目、4点目を獲られてしまい自分たちで難しい状況を試合の中で作ってしまった。相手も良いチームだし、自分たちも良い試合ができていたと思うが、残念ながら(2-4で鹿島に敗戦)そういう結果になってしまって悲しい気持ちになった」と寂しいそうな表情を浮かべた。

その心の奥には、自分が試合に出ていれば、必ずチームに貢献して勝利をもたらすことが出来たのではないかという思いが垣間見えた。

マウリシオ選手が守備で大切に心掛けていることは「僕は、カバーリングを自分の特徴の1つとしてやらせてもらった。一番危険なのはどこなのかって把握することだ。チャレンジした人間に対して、裏のスペースや相手が何処に飛び込むのか、自分の中で把握することによって危険なスペースを消すことができる。できるだけ早い段階で予測することが、危険を避けるキーになる。

相手の入るスペースがゴールに直結する方向だったら、ゴール前を閉じることが優先だ。優先順位としては、ゴールに直結するスペースをいち早く消す。特にカバーリングとしては大事だ。相手の攻撃と同数であれば、非常に危険な状態が生まれる。

そこは、ひとりひとりが、どれだけゴール前で身体を張れるかだ。理想的な形は、自分たちが数的優位な形で守ることだ。同数だったら、身体を入れて相手がシュートを撃たないように責任をもってやることだ」と話したのだ。

そして、マウリシオ選手は「求められていることが、出来ている良い感覚がある」手応えを感じて笑顔を見せた。

守備は、相手にボールを獲られた瞬間から始まる。それは、相手陣内だろうが自陣だろうが変わらない。攻守の切り替え早く、奪われたすぐにプレスを掛ける。そしてインターセプトを狙う。ボールを奪い返せないのであれば、相手のプレーを遅らし、パスコースを限定させる。その間に後ろは守備の陣形を整えるのだ。そして、ボールを奪うチャレンジとカバーの連携だ。

4DFのセンターバックのポジションでキャリアを積んできたマウリシオ選手にとって、自信のあるポジションであった。

ただ、問題があるとすれば、連携面だけである。例えば、バイタルエリアを相手に突かれた場合、サイドハーフが下がりチャレンジするポジションを取り、サイドバックがカバーに入る。サイドバックがチャレンジし、センターバックがカバーでサイドへと引っ張られてしまえば、連動してDFラインがボールサイドへスライドする。

だが、逆サイドにスペースを与えることになる。もしくは、アンカーが下がってセンターバックのスペースを埋め、インサイドハーフが中盤のスペースを埋めるなど考え方はいろいろある。全ては守備のバランスが大事になり、連動性をもたないといけない。

マウリシオ選手は「もっと良くなる要素がある。連戦でチームとして固定することが多くなってくると思う」と話し「同じメンバーでお互いの特徴を掴みながら、ピッチの中でプレーの特徴を把握しながら知ることによってもっともっと良くなってくると思う。お互いの特徴を知ることが一番の鍵になる」と固定したメンバーで4DFの精度を高めていくことを感じていた。

浦和に残されたタイトルは、ACLとリーグだ。首位に君臨する鹿島との勝ち点差は、18ポイントで残り8試合。リーグ優勝は非常に厳しい現実だが、試合がある限り勝利を追い求めて行くだけである。守備の連動性が高まれば、悲しくなる失点は止まるはずだ。

浦和には、4DFの経験者が非常に少ない。だが、適応能力がありクオリティーの高い選手が揃っているはずだ。守備のバランスを考え、チャレンジ&カバーをしっかりし、責任感をもって最後の局面では身体を張る。4DFのスペシャリストのマウリシオ選手が、ピッチの中でDFを統率しながら、連携を高めていくはずだ。

「信頼を裏切らない」と口癖のように話すマウリシオ選手から赤い闘志を感じた。マウリシオ選手は、きっとゴール前に立ちはだかるレッドクリフになっていく。

Q. 肉離れの3型で、手術が必要な場合もあるのでしょうか?

A. 肉離れの多くは、安静にしていれば治ります。しかし、中には3型で完全に腱断裂してしまったプロ選手の場合などは、アンカーと言って骨に特殊な錨を埋めて糸で結合させます。アンカーは、チタンでできていて0.5mmほどの小さいものです。手術が必要とされる肉離れは、本当にごく希なケースです。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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