浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「臆する事が無い、肝っ玉小島秀仁選手」(6/30)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

臆する事が無い、肝っ玉小島秀仁選手

6月22日、今シーズン未勝利のアビスパに、初白星を献上してはならない。何としてもホームでの勝利が欲しいと言う緊張感が漂う埼玉スタジアムのピッチに、臆することなく堂々とした小島秀仁選手の姿があった。ここまで1勝5分け5敗と低迷している状況の中で、アビスパ戦前日にペトロビッチ監督は「一番のテコ入れは出場するメンバーだ」と小島選手の起用を明言した。その監督の気持ちに90分間小島選手は見事にプレーで応えたのだ。

プロのデビュー戦は誰でも緊張するものである。プレッシャーがかかりガチガチになってしまい、思うようなプレーが出来ない事もある。小島選手は「入場の時にテンションがあがり、よいよいだなぁ~って感じで心臓がバクバクしました。けど、試合に入ったら集中できました。達也さんからシュート打って行けって言われたし、周りの人が心強かったです。前半が終わって自分のコールが聞こえて幸せだなぁ~って思いました」とデビュー戦を振り返った。緊張していたとは全く周囲に感じさせず、その緊張感が良いエネルギーになったのか、小島選手は実に落ち着いていた。前半5分、中盤でボールを奪った小島選手は、冷静に右サイドバックの高橋峻希選手に預け、高橋選手から田中達也選手に縦パスが入り、田中選手のクロスに走り込んだマゾーラ選手がシュートまで持ち込める起点となるプレーをした。これが、プロデビュー戦のファーストタッチとなる小島選手のプレーであった。小島選手は「試合の入りのファーストタッチ、ミスするのと成功させるのでは違う。ミスしても周りがカバーしてくれる。啓太さんが声をかけてくれて、思い切ってミスを恐れずに自由に行けました」とファーストタッチを笑顔で振り返った。

試合後にボランチを組んだ鈴木啓太選手は「小島はサッカーを知っている。足りないのは経験だけ、今後レッズの中心選手になって行く。僕が前に行ったら後ろってしっかりバランスを取ってくれていた。ポジショニングも良い。僕もウカウカしてられない。ライバル出現ですよ」と嬉しそうに小島選手の活躍を絶賛した。

見事にデビュー戦を飾った小島選手は、幼稚園児のころから目標は「プロサッカー選手」だったそうだ。当時、小学校6年生のお兄さんが所属していたサッカーチームについて行き、小学生しか入れない所を幼稚園児が、6年生に混じってサッカーを始めたそうだ。体力も筋力も体系も技術も雲泥の差がある中でサッカーを始める事は、通常であれば考えられないし、二の足を踏んでしまう。受け入れてくれたチームも凄いと思うが、それを全く臆する事なくサッカーを始めた小島選手のメンタルも凄い。ひょっとしたら、幼稚園児の頃から肝っ玉が座っていたのだろう。しかし、やっぱり体力等の差は歴然としていて、みぞおちにボールがぶつかって「嫌だ、サッカー辞める」と泣いたそうだ。そして、サッカーを辞めて、またサッカーを続けて、直向きにボールを追いかける事を繰り返して成長して来た。何事も挑戦し続ける気持ち、諦めない気持ちはプロのサッカー選手にとって、大切なメンタリティーである。それを小島選手は幼稚園児のころから持ち備えていたのだ。その資質がデビュー戦で臆する事無い堂々たるプレーに繋がった。

小島選手は「5万人の埼玉スタジアムでやりたい。観に来て貰える様に続けていきたい」と口にした。いつの日か、熱い思いの籠ったゲート旗や横断幕、大旗の波、レッズサポーターで真っ赤に埋め尽くされた埼玉スタジアムで、小島選手はサポーターに後押しされてサッカー選手としての最高の幸せを感じるだろう。

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