浦和フットボール通信

MENU

河合貴子のレッズ魂ここにあり!「努力の先には愉しさがある-宇賀神友弥」(9/3)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

努力の先には楽しさがある – 宇賀神友弥

大原の練習場でDFを置かずに後ろからの攻撃の組み立て練習やシュート練習を良くみかける。練習を見ているとDFがゴール前やサイドに存在しないのに、見えないはずの相手DFの存在を感じる事がある。特に練習中の宇賀神友弥選手の動きは目が離せない。
「あっ!今、相手DFを一回中につる動きをしてDF裏に抜けたなぁ」とか「サイドで相手と1対1になっているなぁ」などと感じる事がある。ドリブルの緩急やフェイントをかけるタイミング、逆サイドに大きくスペースに展開するタイミングなど相手DFを想定している事が手に取るようにわかる。練習後に宇賀神選手に話を聞くと「今日は長友選手を相手DFにイメージしてやっていた」と少し照れながら話した。フットボールはイマジネーションが本当に大切である。それを練習中からしっかりと実戦しているのが、宇賀神選手である。

試合に出場してない時も宇賀神選手は「平さん(平川さん)の守備の仕方を学ばせて貰ってる。平さんはポジショニング良い。相手にセンタリングをあげられた時の対応とか・・・。平さんにあって自分に無い部分を改めて感じる。平さんの良い部分を吸収していく」と意識を高く持って試合を見つめている。

そして、練習後も居残って自分が掲げる課題にコツコツと取り組んでいる宇賀神選手の姿がある。宇賀神選手は「フットボールの才能ではなく、自分は努力してここまで来れた。だから試合に出れない現実の中でも、腐らずにやれている。自分の中で、これが当たり前なんです。チャンスは必ず来る。ひとつ上にいくためには、チャンスを物にしないと生き残っていけない。プレッシャーはあるが、プレッシャーを楽しみたい」と話す。宇賀神選手がそう話す裏には、レッズユースからはトップチームに上がる事が出来ず、流通経済大学に行き、大学4年の2009年8月に強化指定選手としてレッズのトレーニングに参加して、再びプロとしてレッズに戻って来た努力の経緯があるからだ。

「初心忘れべからず」ではないけれど、大学時代の映像とか、レッズユース時代から1日の練習で思った事を毎日付けきたサッカーノートを見直したりしている。そして「これだけ練習したんだから・・・」と自分自身を奮い立たせ、失いかけた自信を取り戻す。「自信を持つ事が一番だと思う。ピッチに立ったら自分が一番!!」と屈託のない笑顔を見せた。

第24節セレッソ戦で右サイドバックの高橋峻希選手が累積で次節山形戦は出場停止となり、宇賀神選手に期待がかかる。母親から「頑張ってね!!」ではなく、「楽しんでね!!」とメールが来るそうだ。「山形戦は、僕のサッカー人生を左右するゲーム」と宇賀神選手は位置ずけているぐらい気合いが入っているが、自分自身にプレシャーをかけながら、母親の言葉通りプレシャーを楽しんでいるようにも感じられた。

日頃からのサッカーに取り組む姿勢が練習での意識となり、その努力は必ず実を結ぶ。努力しない者には、楽しさを実感する事は決して出来ない。努力を怠らなかった者だけが味わえる楽しさがある。

Photo by (C) Shimizu Kazuyoshi

パートナーサイト

ページ先頭へ