浦和フットボール通信

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週刊フットボールトークvol.59 (10/26)

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:先週末は、敵地・日産スタジアムで横浜Fマリノス戦が行われました。試合2日前にペトロヴィッチの解任があり、物凄いプレッシャーのかかる中での試合でしたが、堀監督を始めとしたコーチングスタッフ、選手が良くやってくれました。前半は、レッズのガムシャラに前に行こうという気持ちをうまくいなされて、早々に先制点を奪われる苦しい展開でした。

その後、マリノスが落ち着いてくれたことで、逆にレッズも一呼吸を置いて、やり直せる状況を作れたのではないかと思います。後半に入り、直輝が倒されてPKを獲得。直輝がそのまま蹴り、GKに弾かれましたが、原口が押し込んで同点に追いつきました。ここからは浦和ペースになり、10分後にはカウンターから梅崎の豪快な左足で逆転に成功。終盤は、俊輔のFKなどマリノスの攻撃にヒヤヒヤしましたが、最終ラインを中心としたレッズディフェンスがしっかり跳ね返し続けて、9試合ぶりの勝ち点3を獲得しました。

豊田:横浜スタジアムではバックスタンド1階席後方にいたのですが、相当数のレプリカ姿のレッズサポーターが通路一本はさんでマリノスサポーターと混在していました。直輝のPK失敗から原口のゴール。さらに梅崎の逆転弾でゴール裏の応援歌に合わせて叫ぶまで、まるでジェットコースターに乗っているような気分(笑)。皆がすごい気合いの入れ方で、日産スタジアムをホーム化するムードは出来ていたと思う。勝敗は別にしてもレッズらしい興奮が堀新監督と一緒に帰って来たような気分があります。

横浜サイドは試合前から、いまのレッズ相手なら行けるというムードがあったようですね。「何で俺ら相手の時だけ、すいすい繋いだりするの?」なんて声も聞こえていた。

椛沢:レッズサポーターも我慢をして後半の逆転劇を呼び寄せましたね。同点ゴールが決まり、逆転ゴールが決まる流れでは、日産スタジアムを赤い声で圧倒をしていました。そして最後は、チームとサポーターが一体となった雰囲気で、1点を守りきりました。スタンドに来る選手達の中には涙する選手もいました。サポーターも喜びを爆発させました。それだけの重圧の中での試合だったのだろうと思います。

しかし勝負はここからです。99年に降格した時も勝負の市原戦で劇的な勝利をしたことで、一回気が抜けてしまった所がある。その経験を生かして、今回は気を緩ませず、今回の勝利を足がかりに、自信を持って最後まで戦い抜く気持ちが必要だと思います。

豊田:堀さんは浦和降格の年に移籍先の湘南ベルマーレでレッズと同じく降格を味わい、直後に引退して指導者への道を歩み始めました。当時、平塚のクラブハウスで取材したことがあるのですが、実に深いレッズへの思いを語ってくれたことを憶えています。その意味も含め、堀さんにはこの終盤戦で“持っている存在”になって欲しいな。まあ、今回インタビューさせていただいた島崎さんにはいちばん評価してもらいにくい「極めてレッズ的」な期待値ですけど。ただ後半からの入り方やサイドバックの入れ替え、坪井の試運転など交代カードの切り方はすごく納得できる采配術が含まれていたと思うのですが、編集長の新監督の采配印象はいかが?

椛沢:高円宮杯で優勝した時も感じていましたが、堀さんは選手の適性を見抜いてもっとも力が出せる所で起用する能力に長けているのではないかと思います。横浜戦での采配も非常に明確でしたね。豊田さんと同じく坪井の最後の使い方は、多くのサポーターが良し!みんなで守ろう!という気持ちになったのではないでしょうか。今後も選手の力を最大限引き出してもらいたいと思います。

そして今週末は、いよいよナビスコカップのファイナルです。こちらはカップ戦ということで別物の大会ですから。失うものもないですし、思い切って浦和のサッカーを表現すれば良いと思います。我々サポーターも思う存分、楽しんで応援をして、最高のファイナルを演出しましょう。当日はLフラッグを持って、スタンドを、初優勝を決めた時のように旗の海でスタンドを真っ赤に染めようという呼びかけが行われていますから、旗を握りしめて、レッズの勝利、タイトルを勝ち取りにいきましょう。

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