浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「経験こそが力になる~坪井慶介選手」(11/15)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

J1生き残りを懸けた残り3戦に向け、天皇杯を挟んだ中断期間を如何に有意義にチームが過ごす事が出来るのか、重要な時間となった。この中断期間に、しばらく怪我でチームを離脱していた、マルシオ・リシャルデス選手と田中達也選手が練習に合流を果たした。田中選手は「対人プレーはまだまだですが、とにかくチームの力になりたい」、マルシオ・リシャルデス選手は「横のサイドステップの時に痛みを感じる。プレーする恐さがあったが、思ったよりもプレーが出来た」と二人とも手応えを感じて、チーム合流出来た喜びを噛みしめ、嬉しそうに話してくれた。残り3戦にマルシオ・リシャルデス選手と田中選手が加われば、チームにとっては大きな力になる事は間違いない。得点力といった所で大きな期待が持てる。

では、守備の部分ではどうだろうか?今シーズンのリーグ戦では、守備の安定感を保っていた時期もあったが、7月30日第19節フロンターレ川崎戦に1-0で勝利して以降、完封勝利から遠ざかってしまっている。そんな状況をずっと歯がゆく思っている選手がいる。坪井慶介選手である。「僕が、試合に出たとしても状況は変わらないよ」と坪井選手は話すが、その目は言葉とは裏腹に、秘めた闘志を感じるものがあった。坪井選手の練習中のプレーやチームメイトにかける言葉を見聞きしていると、レッズがJ2に降格した99年シーズンの福田正博選手と姿がだぶって見える。
当時、出場機会があまり巡って来なかった福田選手は「僕を使ってくれたら、絶対に点を決めてやる!!」と口癖の様に話していた。当時の福田選手と今の坪井選手の発言内容の違いはあるが、それは表現の違いであって、思いは同じである。坪井選手は「僕を使ってくれたら、絶対に失点を止めてやる!!」とは決して言葉にしないが、その思いは練習を取材している者には伝わって来た。

ボランチ1枚のアンカーを置いた、その両サイドとスペースを使われたて失点してしまった磐田戦を踏まえて、坪井選手は「まず、コンパクトにしないと厳しい。前からプレスをかけさせてDFラインを確り押し上げる。前からプレスが無理な状況なら、前線を退かせてブロックを確り作る。やりながらゲームの中で選手がコミュニケーション取りながら、判断して行けば修正出来る。もちろん監督の言う事をベースにして、プラスアルファーが大事だよ」と笑顔で教えてくれた。ただ、坪井選手は公式戦から遠ざかっていて、試合勘に不安がある。ブラジルW杯予選でスピラノビッチ選手がチームから離れ、ロンドンオリンピック予選で濱田水輝選手もチームから離れる事になる。天皇杯・東京ヴェルディ―戦とリーグ・ベガルタ仙台戦、特にヴェルディ―戦は坪井選手にとって試合勘を取り戻すための大きなチャンスの試合になるだろう。

年齢と共に体力的な衰えは否めないが、日本代表選手として「絶対に負けらない」修羅場の試合を闘い抜いて来た経験が坪井選手にもある。03年から07年に渡り国際Aマッチを40試合出場した経験こそ、残り3試合「絶対に負けられない」闘いに必要不可欠だと感じる。J1残留の修羅場を乗り越えるために、今こそ坪井選手が培ってきた経験がチームの力となる筈だ。

Photo by (C) Kazuyoshi Shimizu

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