浦和フットボール通信

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【This WEEK】週刊フットボールトークVol.65(12/1)

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:先週末は、敵地・福岡レベル5スタジアムでの残留をかけた福岡戦でした。残留を争う甲府とは得失点差が大きく離れていることから、福岡で勝利すれば事実上の残留が決まるという試合でした。福岡にはビジター席満席、メイン、バックの席も赤く染まるほどの多くのサポーターが3000人近くは駆けつけていたのではないでしょうか。福岡もホーム最終戦ということで大入りでしたが、ゴール裏だけではなくメイン、バックも応援に参加して、それを圧倒するレッズサポーターのサポートだったと思います。

豊田:ホテルもエアーも満室・満席だったようですね。今季の総決算となる一番だった。アウェーでも雰囲気的にはキックオフ前から福岡を押し込んでいた感じでした。

椛沢:前半は一進一退の流れからスタートした試合でしたが、32分に福岡に先制を許してしまう苦しい展開となりました。それでも“福岡ならば勝てる”という甘い考えがチームにもサポーターにもなかったことで、焦りの空気も起きずにその後も試合を進められたことで、前半のロスタイムの柏木の同点ゴールに繋がったのかなと思います。あの同点ゴールで前半終了のホイッスルが鳴り、これで行けるぞという空気になったのも事実です。あれは貴重なゴールでした。後半からは冷え込む博多の地で多くのサポーターが上半身裸になっての意気込みを見せての応援で、チームを鼓舞しました。そして63分に柏木のパスを受けた梅崎が裏に抜け出した所を引っ掛けられてPKを獲得。そのPKをやり直しがありながらも2回ともしっかりとマルシオ・リシャルデスが決めて勝ち越しました。

豊田:あまり嬉しくないエピソードだけれど、やはり「降格の激痛」を経験している素養が客席・スタンドサイドにはあったのだと思います。気を抜く部分が少しでもあれば本当に終わってしまうという緊張感を、非常にリアルにピッチ上に送り続けられたのでは? 福岡の意地もじゅうぶんに感じとりましたが、落とさない試合運びという意味ではワンランクアップのゲームをイレブンともども敵地で表現できたと考えます。

椛沢:この試合の勝利で、事実上の残留を決められたことが大きかったですね。最終戦は優勝を争う柏が相手ということで、そうなった時に甲府に大きな流れが行きかけるところでした。選手達も大きなプレッシャーを感じての試合だったと思いますが、よくやってくれました。シーズン終盤に若手の濱田や中堅の梅崎、ベテランの坪井が台頭してきてチームの力になってくれたのは、浦和の地力があったということなのかもしれません。ほっとしたことは事実ですが、このチームにおける「残留」は最低限の目標であり、手放しでただ良かったと喜ぶだけにも行かない状況でもあります。

豊田:チーム力に関しては遅まきながら、一定の枠組みが見えてきた気がします。比較ばかりでは批判めいてしまうけど、前監督の段階ではゲームごとにプレー内容がバラついていて試合が始まっても戦い方が見えないケースが多すぎた。そこが改善されたと思います。ゲーム後に「柏木の同点弾がなかったら」という幸運を指摘する声を聞きましたが、勝つ必然はあったと思います。前半終了間際という時間帯といい、あのような勝負どころを作れるチーム力が出来てきたと考えますね。マルシオのPKのやり直しはさすがに嫌な緊張を感じましたが、編集長の言うとおり守りの連携は出来てきた。坪井を中心として……。いまさらながら彼を軸にしたラインづくりにもっと早期に着手していれば、こんなに苦しまずに済んだのではと思えてしまう。まあ遠回りはあったにせよ最終戦はURAWAのホーム戦らしい決戦の舞台が整った、と前向きにとらえることにしましょう。

椛沢:最終戦は優勝を狙う柏レイソルとの対戦で、5万5000枚のチケットが売れているということで、浦和の意地を多くのサポーターが期待してスタジアムに訪れると思いますから、その多くの期待を裏切らない気持ちを込めて勝利を貪欲に目指すイレブンに期待したいと思います。我々サポーターもシーズンの総決算。最大限のサポートをしてレッズの選手を100%、120%戦わせましょう。

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