浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「あれから1年~濱田水輝」(12/2)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

昨シーズンの最終節・ヴィッセル神戸戦で、Jリーグプロ入り初先発となった濱田水輝選手にとって、この試合は忘れられない試合となった。浦和は0対4とホームで、神戸に大敗を喫した。神戸にPKを与えてしまうプレーをしてしまった濱田選手は、本来の力を発揮する事なく、余儀なくピッチを後にした。試合後、「悔しくって、情けなくって・・・。ピッチでのミスは、ピッチで取り返してやろう!って、思っていたのですが・・・。交代になってしまい、そのチャンスも貰えなかった。だけど、この経験を良い経験にするのも自分次第だと思います。このままでは、終われない。頑張ります」と落ち込んでいた濱田選手は、自分を奮い立たすように話してくれた。

そして今シーズン、その言葉の通り、良い経験にするために悔しさをバネにして濱田選手は自分自身と向き合い努力を重ねて来た。所属チームで結果を残した選手が呼ばれる中、チームで出場機会が無い濱田選手だったがU22代表に呼ばれ続けた。試合勘の不安を抱える濱田選手は「リーグ戦に出場していないからって、甘えは許されない。高い意識を持っていきたい」と話していた。その高い意識の中から、U22代表で見事に結果を残したのだ。U22代表で自信を付け、チームで出場する機会を物にした濱田選手は「U22での経験が自分のプレーの自信に変わり、レッズでのプレーに生かせた。普通、所属チームで活躍したら、代表への道ですけど、僕の場合はみんなと逆で、代表で活躍したら、チームでのスタメンの道ですね。チーム内でのDFのポジション争いも熾烈ですからね」と身を引き締めた。

プレー面でもメンタル面でも確実に成長し続ける濱田選手にとって、この1年間、あの最終戦の事が頭を離れる事は無かった。「昨年の最終節、大敗があって、イメージを塗り替えたいんです。成長した所を、ホームでサポーターに見せたいんです。昨年は、試合慣れして無くて、メンタル的にプレッシャーが大きくて・・・、1年前とは自信が全然違うんです。勝たなきゃいけないって言う緊張感があるオリンピック予選を闘う事で自信が付き、ドンドン試合に出るにつれて、プレーに落ち着きが出てきている感じがするんです。まぁ~当たり前なんですけど、コーチングも以前よりも出来てきてる。オリンピック予選では2点取れている。レッズではまだノーゴールで、ヘディングの強さを見せていない。レッズでも点が取りたいんです。もちろん無失点で、柏の優勝を阻止したい」と最終戦に懸ける思いを口にした。

しかし、濱田選手がオリンピック予選でチームを離れている2試合、チームでセンターバックを務め結果をきっちり残したのは、開幕戦からスタメンを張っている永田選手とやっと出場機会を物にしたベテランの坪井選手であった。そして、オーストラリア代表のスピラノビッチ選手も出場機会を狙っている。濱田選手が、最終戦で厳しいポジション争いを物にして、ピッチに立ち、しっかりと結果を残す事が、成長の証になる。濱田選手は「メンタル・フィジカル・技術が揃って一流選手だ」と話す。昨シーズンよりは、全てがレベルアップした濱田選手の自信溢れるプレーを最終戦のホームで観たい。

1年前の最終戦、悔しさで眠れなかった濱田選手は、もういない。

Photo by (C) Kazuyoshi Shimizu

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