浦和フットボール通信

MENU

【This Week】浦和東選手権レポート(1/6)

全国高校サッカー選手権大会1回戦 2011.12.31 埼玉スタジアム

浦和東5-0那覇西
(0-0)
(5-0)
得点者:
41分 鄒龍輝
61分 菊池将太
66分 菅原悠平
68分 菊池将太
72分 菊池将太


6年ぶりの出場を果たした浦和東が選手権の舞台に帰ってきた。初戦は沖縄代表の那覇西。前半は何度も決定機を作り出すもののゴールを割らせることが出来ず、圧倒するも嫌な流れを感じ前半を終了する。野崎監督も「前半は固かった。この大会に合わせて1ヶ月半やってきて、自分達のやれることをやろうと送り出したけれども、高校生は分からない部分がある。」と振り返った。

しかし後半開始早々に途中出場の鄒がファーストタッチでゴールを決めて先制。「後半開始早々の1点で、嫌な雰囲気が吹っ飛びました。あの先制点が大きかった。」と野崎監督が振り返る通り、この1点で流れは大きく変わり、怒涛の5ゴール。
前半にPKを外したエースストライカーの菊池もハットトリックを達成した。野崎監督は「1点差勝負と言っていた所で5点も取ることができました。菊池は公式戦でPKを外したことがなかったので、非常にショックを受けていて、ハーフタイムも暗くなっていましたが、後半得点が出来たので、また彼らしさが戻ってくると思います。」と次なる試合での活躍を期待した。

試合後には、浦和東OBで現日本代表GKの川島永嗣が勝利を祝福。野崎監督も「川島が突然来てくれたので、選手達も盛り上がっています。彼とは連絡を取り合っていたけれどもワールドカップ以来、実際に会ったのは初めて。」と笑顔がこぼれた。

全国高校サッカー選手権大会2回戦 2012.1.2 埼玉スタジアム

大分3-1浦和東
(1-1)
(2-1)
得点者:
16分 梶谷充斗(大分)
24分 菊池将太
68分 岡部啓生(大分)
75分 梶谷充斗(大分)

初戦を首都圏開催になってから大会最多となる10得点で勝利した大分高校との対戦となった。浦和東は、前半早々にFW菊池将太がGKをかわして1対1となるが、惜しくもカバーに入ったDFにクリアーされ先制点のチャンスを逃してしまう。これが振り返ると勝負のあやだったのかもしれない。逆に大分の早い攻撃でラインが崩れたところで先制点を許してしまう。すぐさまセットプレイから菊池がヘディングで決めて同点に追いつくが、後半は浦和東のサッカーが出来ずに2失点。2回戦で姿を消した。

試合後に野崎監督は「うーん。負けるとは思っていなかったのでショックで、言葉が見つかりません。本当に残念です。なぜ県大会の再現ができないのか。これは私の責任だと思います。弱腰になって怖がってラインを下げてしまった。特に後半はもっとやれるぞと言ったのに、ズルズルラインが下がってしまった。ベンチで見ているよりも選手達が肌で感じて圧力を強く感じたのかもしれません。昔の国見のようなノールックで前に蹴ってくるサッカーに怖がってしまったのかもしれません。両サイドにスペースがあるので使えと言っていたのですが、怖がって使えませんでした。いつものパスワークが出来なかったですね。一本、二本横に繋げばなんてことないのに、繋げずにミスが起きて、普段では考えられないミスが起こり、ミスの連鎖が起きてしまった。全然余裕がなかった。」と深い溜息をついた。全国を戦った感想について「選手達には負けたけれども胸を張れと最後に声をかけました。本当に悔しい。我々が出ると2回戦3回戦で負けてしまうので、サプライズを起こして、見返そうと話をしていて、選手達もそのつもりで戦っていましたけど、今日は歯車があいませんでした。」と肩を落とした。

今大会4ゴールを決めたエースストライカーの菊池将太君は今大会と試合を振り返った「僕がゴールを決めて負けたのは今回が初めてでした。今までがラッキーだった部分はありましたけれども、自分が取ればもっとチームが上向きになるかと思ったら相手のプレスに対応するので精一杯になってしまいました。ディフェンスラインを突破すれば中盤のプレッシャーはなかったんですけど、ディフェンスラインがうまく繋げずにカットされたり、相手のクリアボールに対して弾まして、そこから一気に押し上げられたりしてしまった。そこに対してもっとはっきりしたプレーができないと、今日のような速さのあるチームには対応できないと感じました。チームのコンセプトとして、自分が降りてきて受けないというのが監督の指示だったので、前線で張っていたけれどもそこにボールが来なかったのは悔しいし、来ても自分一人の力ではディフェンスを突破するのが難しかったので力不足だと思います。今日スタジアムに来てくれた人、1、2年生や保護者、埼玉県民の皆さんに期待させる発言をした中での試合だったので有限実行出来なかったことを素直に謝りたいです。この大会で、もっと上でやりたかったのが本音です。上を経験するかしないかは自分のこれからにも繋がってくると思うので残念です。卒業後は駒沢大学に進学が決まっていますので大学で鍛えてJリーグを目指したいと思います。」

昨年の県代表西武台高校がベスト8に進出したことに続き、今大会は埼玉県勢として悲願の”国立”を目指しての戦いだったが、夢は惜しくも敵わなかった。「公立高校は、3番手4番手の選手が集まってくる。その中でサッカーをやりたいと言う強い思いを持った子供たちを3年間必死に鍛えあげてきた」という浦和東イレブンは、チームとしての完成度も高く”国立”進出を本気で狙える力を備えての選手権だったはずだ。全国の力が均衡している中で、どう勝ち抜いていくか。ノックアウト方式の選手権は、勝負強さ、勝負をしっかり決める選手の存在が求められる。才能の県外流出、戦力分散など、県内に様々な課題がある中でも、中学時代はほとんど無名だった選手ばかりの浦和東が全国で示してくれた力は、ひとつの可能性を見せてくれた。

 

ページ先頭へ